長良川本流沿い露頭編 その105 八幡町と美並町の境界付近左岸のドロストーンを含む層状チャート :八幡町と美並町の境界付近左岸河床露頭(長良川曲流部内側の河床)

  「長良川本流沿い露頭編その101」で紹介した玄武岩質溶岩の水冷破砕の露頭から上流へ200mほど進むと、左岸河床にドロストーンをはさんだ層状チャートの露頭があります。チャート層中にドロストーンをはさむ露頭や、チャートとドロストーンが互層になった露頭は、美濃市保木脇と横持付近、および八幡町と美並町の境界付近に見られます。「長良川本流沿い露頭編 その10、21、22、98、99」で紹介しました。

ドロストーン(苦灰岩)は、ドロマイト(苦灰石:(CaMg(CO3)2))からなる岩石です。ドロマイトは、石灰岩を構成しているCaCO中のカルシウム分が、海水中でマグネシウムに置き換わったものと考えられています。ドロマイトに置き換わる前の石灰岩の形成は、浅い海でしか起こりません。深い海だと溶けてしまうため、形成されません。一方、チャートは深い海で形成します。このようにチャートと石灰岩は形成条件がまったく違うため、同時に存在しているように見える産状の形成過程は正確にはわかっていないようです。

ここの露頭では、層状チャートの中に黄灰色~淡褐灰色をしたドロストーンが不定形で混じったように入っていたり、チャート層の間に1cm前後の幅でレンズ状に入っていたり、チャート層の中に1cm~数cmの幅で同じようにレンズ状で入っていたりします。層状チャートは、淡青灰色をした数cm~15cm厚のチャート層の間に、灰色をした数mm~5mm厚の泥岩層がはさまっています。

地質図において、ドロストーンを含む層状チャートの露頭(×地点)は、広く分布する緑色(Mbs)の中に不連続で存在するオレンジ色(Mch)中にあります。緑色はおもに玄武岩質火山岩類(緑色岩)からなる地層で、オレンジ色はおもにチャートからなる地層です。写真が五種類ありますが、上の写真はこの露頭を北西からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央少し左を撮ったものです。真中の写真は上の写真(または中上の写真)のハンマー付近を近づいて撮ったもので、中下の写真は同じく上の写真(または中上の写真)のハンマーの左上を近づいて撮ったものです。灰色の岩石はチャートで、淡褐灰色の岩石はドロストーンです。ドロストーンが不定形で混じり込んだように入っているのがわかると思います。下の写真は、中上の写真の中心から2mほど左(北東)を北西からパノラマで撮ったもので、層状チャートが褶曲しているのがわかります。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。中上と真中の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)






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