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長良川本流沿い露頭編 その164 大和町上万場新中津屋大橋上流右岸の砂岩泥岩互層 :郡上市大和町上万場の右岸露頭(国道156号新中津屋大橋上流の右岸露頭)

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    国道156号において、以前は郡上市大和町剣から白鳥町中津屋にかけては、山側を通り長良川に架かる橋はありませんでしたが、改良工事がなされ、現在は2ヶ所で長良川に橋が架かっています。南の橋は万場大橋で、北の橋は新中津屋大橋です。その新中津屋大橋の上流(西)へ50mほどの右岸に露頭があり、砂岩泥岩互層が露出しています。 ここの砂岩泥岩互層は、砂岩層と泥岩層が交互にリズミカルに堆積しているわけではありませんが、砂岩層と泥岩層が何枚か重なっているのが確認できます。砂岩層は青灰色~淡灰色をしていて、泥岩層は暗灰色をしています。 地質図において、この露頭(×地点)は、河川沿いのため白色やうす空色の第四紀堆積物の中にありますが、周囲は黄色( Mss )で、黄色はおもに砂岩からなる地層です。白色やうす空色の第四紀堆積物の下には、おもに砂岩からなる地層が広がっていて、それが露出しています。写真が四種類ありますが、上の写真は砂岩泥岩互層の露頭を南東からパノラマで撮ったものです。中上の写真は同じ露頭を縦に長く撮ったもので、ハンマーの位置は同じです。基本的には、灰色が砂岩層で、暗灰色が泥岩層です。中下の写真は、上の写真の中央右を同じく南東から撮ったものです。下の写真は、上の写真(または中上、中下の写真)のハンマー付近を近づいて撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真下部の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。           (地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)                       美濃地学 - 地学のおもしろさを、美濃から (minotigaku.com)

長良川本流沿い露頭編 その163 大和町中万場右岸河床の砂岩層 (漣痕?) :郡上市大和町万場中万場の右岸河床露頭(長良川本流沿い露頭編その162と同じ露頭)

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    前回「 長良川本流沿い露頭編その162 」で紹介した 大和町中万場右岸河床の砂岩層と同じ露頭を再度紹介します。前回は、西から写真を撮ったものを載せ、泥質岩片を多く含む砂岩層として紹介しました。この露頭には、水平に近い面が4段あり、いずれの面も北西-南東から西北西-東南東を軸として、北東から北北東に20°~30°傾いています。そして、4段あるいずれの面にも、線状のわずかな凹凸が平行に見られます。岩石の面と面とが擦れ合ってつく擦痕のようにも思いましたが、4段ある面がほぼ同じ軸と傾き(走向と傾斜がほぼ同じ)をもち、平行な線状の構造がいずれも、N10°~35°Wを向いていることからして、水の動きで形成された漣痕ではないかと考えます。 漣痕とは、地層の面上に残されているさざ波状のでこぼこをいい、水の流れ、波や風によってたい積物の表面につくられたものが、そのまま地層の中に保存されたものです。 写真は五種類あります。前回の「長良川本流沿い露頭編その162」では西から撮った写真を載せましたが、今回は北東や東から撮ったものが載せてあります。上の写真は砂岩層の露頭を北東からパノラマで撮ったもので、4段の面を下位から順にⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ面と記載してあります。Ⅱ面が一番広く、次がⅢ面、そしてⅠ面とⅣ面は狭いです。中上の写真は上の写真の中央少し左を同じく北東から、真中の写真は上の写真の中央少し左を東から撮ったものです。中下の写真はⅡ面を近づいて北東から撮ったもので、下の写真はⅢ面を近づいて同じく北東から撮ったものです。Ⅱ面もⅢ面も横方向に筋状の凸凹が延びているのがわかります。スケールとして置いてある黄色の折れ尺、短い定規の長さは、それぞれ1m、約17cmです。中上と真中の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。                (地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)                     美濃地学 - 地学のおもしろさを、美濃から (minotigaku.com)

長良川本流沿い露頭編 その162 大和町中万場右岸河床の砂岩層 (泥質岩片を多く含む) :郡上市大和町万場中万場の右岸河床露頭

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   国道156号の郡上市大和町内を北進し、万場大橋を渡って550mほどのところを右折します。川の方(東)へ100m弱進むと突き当たるため、車を止めます。正面少し左に砂岩層が露出していますので、河原へ下ります。砂岩層の河床露頭は南北7mほど、東西6mほどです。 美濃帯堆積岩類中の砂岩層は、陸地側から川などによって海へ運ばれた砂などが元になっています。それが海洋プレートによって海洋から運ばれてきたもの(チャートや珪質泥岩、石灰岩、玄武岩質火山岩類)と海溝付近で出合って、一緒に大陸の縁(現在の日本列島す)に付加しました。ここの砂岩層は灰色~暗灰色をしていて、おもに中粒砂からなっています。数mm~数cm径の泥質岩片が多く入る部分もあります。大きい岩片は5cm×2 . 5cmのものもあります。 地質図において、この砂岩層の露頭(×地点)は黄色( Mss )の中にあり、黄色はおもに砂岩からなる地層です。写真が四種類ありますが、上の写真は砂岩層を西からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。中下の写真は、上の写真(または中上の写真)に写っているハンマー付近を近づいて撮ったものです。下の写真は中下の写真のハンマーの右をより近づいて撮ったもので、数mm~数cm径の泥質岩片が多く入っているのがわかります。スケールとして置いてあるハンマー、定規の長さは、それぞれ約28cm、約17cmです。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の黒丸または白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。             (地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)                     美濃地学 - 地学のおもしろさを、美濃から (minotigaku.com)

長良川本流沿い露頭編 その161 大和町下万場の万場大橋下右岸の砂岩層 :郡上市大和町万場下万場の右岸露頭(国道156号万場大橋下の右岸露頭)

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    郡上市大和町を北進し、大和町剣にある大和北小学校を通り過ぎ、約1 . 5km進むと万場大橋を渡ります。万場大橋の下に砂岩層が露出しています。露頭へ行くには、万場大橋を越えて200mほど進むと、左側に道がありますので左折し、200mほど南へ進むと左(東)に長良川へ向かう道があります。近くに車を止めて、その道を東へ進み、突き当りを河原へ下ります。上流に進むと、万場大橋の下(右岸)に砂岩層の露頭があります。ここの砂岩層は、全体的に青灰色をしていて、おもに中粒砂からなっています。   地質図を見ると、八幡町の北部から大和町にかけて砂岩層が広く分布しているのがわかります。特に、大和町剣から万場にかけては、長良川近辺の平地以外はほぼ黄色( Mss )一色で塗られていますので、ほぼ砂岩(泥岩は含む)でできているのがわかります。大和町剣や大和町万場では、山にはさまれた平地の幅が500m~1000mほどあり、安定して広いです。これは、基盤の地質が砂岩であり、他のものが入り込んでいないことによるものだと考えられます。砂岩はチャートなどと比べて、浸食しやすいです。 地質図において、この砂岩層の露頭(×地点)は、黄色( Mss )の中にあり、黄色はおもに砂岩からなる地層です。写真が四種類ありますが、上の写真は砂岩層を東からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真のほぼ中央部を撮ったものです。中下の写真は、上の写真(中上の写真)に写っているハンマー付近を近づいて撮ったものです。下の写真は砂岩層の風化面を東から接写したもので、写真の縦は4cmです。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。             (地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)                     美濃地学 - 地学のおもしろさを、美濃から (minotigaku.com)

長良川本流沿い露頭編 その160 大和町中剣万場橋下流、上剣鉄橋上流の砂岩層 :郡上市大和町剣中剣万場橋下流100mほど左岸河床露頭、大和町剣上剣長良川鉄道橋梁上流100m強左岸河床露頭

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    大和町中剣に万場橋があります。その100mほど下流の左岸河床に 砂岩層が露出しています。灰色~暗青灰色をしたおもに中粒砂からなる砂岩層で、5mm以下の泥質岩片が点在しています。 上流へ進むと、 大和町上剣に 長良川鉄道の橋梁がありますが、その100m強上流の左岸側にも砂岩層が露出しています。南北10mほど、東西7mほど、高さ4mほどの露頭です。数10m北にも突出した砂岩の露頭が見られます。淡灰色をしたおもに中粒砂からなる砂岩層で、5mm以下の泥質岩片が点在もしくは多く入る部分があります。岩片の径が1cmを超えるものもあります。 砂岩層は、 河川によって陸地から海洋へ運ばれた砂がもとになっています。海洋で噴出した玄武岩質火山岩類や、海洋で堆積した石灰岩、チャート、珪質泥岩などは海洋プレートにのって陸地側へ移動し、大陸の縁(現在の日本列島)に付加しました。そして、陸地から海洋へ運ばれた砂(砂層)なども一緒に付加しました。そのため、美濃帯堆積岩類の中では、砂岩(泥岩も含む)が一番新しい堆積物です。 地質図において、大和町中剣万場橋下流の砂岩層(黒の×地点)、大和町上剣鉄橋上流の砂岩層(赤の×地点)は、両方とも黄色( Mss )の中にあります。黄色はおもに砂岩からなる地層です。写真が五種類ありますが、上の写真は万場橋下流の砂岩層を東からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。真中の写真は砂岩層の風化面を北東から接写したもので、写真の縦は3 . 5cmです。中下の写真は上剣鉄橋上流の砂岩層を東からパノラマで撮ったもので、下の写真は中下の写真の中央部を撮ったものです。中下の写真の左側に長良川鉄道の橋梁が写っています。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。中上と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の黒丸または白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。                   (地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)                                         美濃地学 - 地学のおもしろさを、美濃から (minotigaku.com)

長良川本流沿い露頭編 その159 大和町名皿部の北右岸の泥岩層中のレンズ状の砂岩 :郡上市大和町名皿部の北右岸河床露頭(製造工場とダム作業所の南東の右岸河床露頭)

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    前回の「 長良川本流沿い露頭編その158 」で紹介したチャートと貫入岩の露頭の対岸には、泥岩層や砂岩層などが広く露出しています。場所は、長良川右岸なので名皿部の北になるのですが、目印としては大和町名皿部の北には大きな製造工場があって、その南側にダムの建設作業所があります。その南東に広がる露頭です。 泥岩層が露出していますが、その中にレンズ状をした砂岩が入っています。泥岩層は暗灰色をしていて、一定方向に細かい割れ目が入っています。砂岩は灰色をしていて、中粒砂からなっています。レンズ状をした砂岩は、幅は数10cmで、長さは60cm~1m以上のものが多いです。泥岩層の割れ目と同じ方向に、レンズ状の砂岩が入っているように見えます。 地質図において、この露頭(×地点)は黄色( Mss )の中にあり、黄色はおもに砂岩からなる地層です。写真が五種類ありますが、上の写真はレンズ状の砂岩が入った泥岩層の露頭を北北東からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央少し左を撮ったものです。ハンマーの頭部より下で側方に広がっている灰色の岩石が砂岩で、幅は約70cm、長さは約2m50cmのレンズ状をしています。真中の写真は、上の写真(または中上の写真)に写っているハンマー付近を近づいて撮ったものです。中下の写真は、中上の写真の露頭から北へ4mほど離れた露頭を南から撮ったものです。下の写真は、中下の写真に写っているハンマー付近を近づいて撮ったものです。下の写真に写っているハンマーの右の砂岩は幅が約40cmで、長さが約1m15cmのレンズ状で、ハンマーの右上の砂岩は幅が約17cmで、長さが約60cmのレンズ状です。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。        (地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)                       美濃地学 - 地学のおもしろさを、美濃から (minotigaku.com)

長良川本流沿い露頭編 その158 大和町下剣左岸のチャートと貫入岩 :郡上市大和町剣下剣の左岸露頭(長良川鉄道「郡上大和駅」西の金剱神社北へ約300m)

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    前回「 長良川本流沿い露頭編その157」では、名皿部の右岸寄りの河川内のチャートを紹介しましたが、今回は左岸で見られるチャートを紹介します。このチャートの露頭には、それを貫く貫入岩も見られます。大和町下剣に長良川鉄道の「郡上大和駅」があります。その駅の西に金剱神社があり、その神社の西の道(長良川の堤防道路)を北へ300mほど進むと、長良川左岸にチャートが露出しているのが見られます。南北に15mほど、東西に5mほど、高さ4m以上の露頭です。堤防道路から川の方へ下りると、チャートの露頭周辺は舗装され、道になっています(上の段)。また、チャートの北側は大きな丸石がセメントで固められて階段状になっていて、そこを下りるとチャートと貫入岩が接しているのが確認できます(下の段)。ここの貫入岩は表面が灰色で、内部が青灰色~灰色をしています。特徴として、1mm~5mm径の石英が少量入り、1mm以下の長石と有色鉱物が点在しています。石英斑岩と呼べるかもしれませんが、顕微鏡などで鉱物を確認しているわけではないため、ここでは貫入岩としておきます。チャートは、主に層状チャートが占めていますが、層がはっきりしない部分もあります。層状チャートは、淡灰色~淡緑灰色をした数cm~10数cm厚のチャート層に、数mm厚のうすい泥岩層がはさまっています。層状チャートと貫入岩の接触面は、北西-南東を軸にして、ほぼ垂直な面です。 地質図において、このチャートと貫入岩が見られる露頭(×地点)は、広く分布する黄色( Mss )中に小規模なオレンジ色( Mch )が入っているところにあります。黄色はおもに砂岩からなる地層で、オレンジ色はおもにチャートからなる地層です。×地点から西北西へ2 . 5kmほどのところに、黄色(砂岩層( Mss ))の中にオレンジ色(チャート層( Mch ))が入り、そこに入り込む形で濃いピンク色(貫入岩)が見られます。それと同じ状況が規模は小さいですが、×地点で見られます。濃いピンク色( Okg )は奥美濃酸性岩類の岩脈で、美濃帯堆積岩類に貫入している岩石です。奥美濃酸性岩類の一部(濃飛流紋岩の一部という考えもあります)は、地質図では灰色の斜線模様( N3o )と薄黄色に斜線模様( N4o )で表されていて、地質図の左端近くに分布していますが、距離的には近いです。 写真が

長良川本流沿い露頭編 その157 大和町名皿部河川内露頭の層状チャート :郡上市大和町名皿部の右岸寄りの河川内露頭(大和町下剣の金剱神社対岸)

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    地質図を見るとわかりますが、郡上市大和町の長良川沿いには広く砂岩層(砂岩泥岩互層や泥岩層を含む)が分布します。その中で、大和町名皿部では小規模にチャート層が分布しています。ここでは、長良川の水面上に露出している層状チャートが見られます。ただし、水量が多いときは水面下です。場所は、長良川鉄道「郡上大和駅」の西にある 金剱神社の西側の長良川右岸寄りです。河川内の露頭は、南北80mほど、東西40mほどがほぼ連続して露出していますが、水量によっては水面上に露出する状況が異なります。ここの層状チャートは、数cm~10数cmの厚さのチャート層に、灰色をした薄い(数mm厚)泥岩層がはさまっています。チャート層の色は様々あり、白色、淡灰色、淡緑灰色、暗青灰色、黒色などが見られます。 地質図において、この層状チャートの露頭(×地点)は、広く分布する黄色( Mss )内に小規模に存在するオレンジ色( Mch )の中にあります。黄色はおもに砂岩からなる地層で、オレンジ色はおもにチャートからなる地層です。写真が四種類ありますが、上の写真は層状チャートの露頭を南西からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。中下の写真は、上の写真(または中上の写真)に写っているハンマー付近を近づいて南南西から(少し右側から)撮ったものです。下の写真は、同じ露頭を北西から(左側から)撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。中上と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。                         (地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)                                              美濃地学 - 地学のおもしろさを、美濃から (minotigaku.com)

長良川本流沿い露頭編 その156 大和町徳永の泥岩層と砂岩層 :郡上市大和町徳永の左岸河床露頭(大和町保健福祉センター南西、および西の河床露頭)

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    郡上市役所大和庁舎の西に大和町保健福祉センターがあります。その大和町保健福祉センターは長良川沿いにありますが、その建物の南西から西にかけて長良川左岸の河床にほぼ連続的に露頭があります。連続露頭の南端に近いところ(地質図の黒色の×地点)には、泥岩層が露出しています。泥岩層は暗灰色をしていて、やや硬く粒子は結晶化しているようで、葉理(細かい地層面を示す筋)はわかりません。また、この泥岩層から北へ100m弱のところ(地質図の赤色の×地点)には、南北に25mほど、東西に20mほどの露頭があり、砂岩層からできています。砂岩層は淡灰色~灰色をしていて、おもに中粒砂からなる砂岩です。美濃帯堆積岩類中の砂岩層と泥岩層は、珪質泥岩やチャート、石灰岩、玄武岩質火山岩類とは違って、陸地側から運ばれたもの(砂や泥)がもとになっています。それが海洋プレートによって海洋から運ばれてきたもの(珪質泥岩やチャート、石灰岩、玄武岩質火山岩類)と海溝付近で出合って、一緒に大陸の縁(現在の日本列島)にくっつき(付加し)ました。  地質図において、泥岩層の露頭(黒色の×地点)と砂岩層の露頭(赤色の×地点)は、広く分布する黄色( Mss )の中にあり、黄色はおもに砂岩からなる地層です。写真が五種類ありますが、上の写真は泥岩層の露頭を南東からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。真中の写真は、泥岩層の露頭から北(上流)へ100m弱のところにある砂岩層を南からパノラマで撮ったもので、中下の写真は真中の写真の中央部を撮ったものです。下の写真は砂岩の割った面を接写したもので、写真の縦は3cmです。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。             (地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)                     美濃地学 - 地学のおもしろさを、美濃から (minotigaku.com)

長良川本流沿い露頭編 その155 大和町徳永釜渕橋下流左岸の泥岩層中の砂岩層 :郡上市大和町徳永の釜渕橋下流左岸河床露頭(釜渕橋の下流10mほどの河床)

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    長良川鉄道の徳永駅の南西にある橋が釜渕橋です。前回「長良川本流沿いの露頭編その154」で紹介した砂岩泥岩互層の露頭から釜渕橋にかけて、ほぼ連続で露頭がありますが、砂岩層や砂岩泥岩互層が主です。釜渕橋の下流10mほど左岸河床には、泥岩層の露頭が見られますので紹介します。この露頭は、東西に15m強、南北に30m弱の河床露頭で、水量が多いときは水面下です。砂岩泥岩互層の部分もありますが、泥岩層に細長いレンズ状の砂岩層がはさまっている部分があります。細長いレンズ状の砂岩層は露頭内で確認すると2枚はさまっていて、淡灰色~灰色をした中粒砂からなる砂岩層です。1枚は幅が8cm~13cm、長さが約260cmで、一度切れてはいますが、側方に同じ砂岩層が延びています。もう1枚は、幅が5cm~15cmで、長さが約180cmです。一方、泥岩層は黄灰色~暗灰色をしていて、葉理(細かい堆積を示す筋)はわかりやすいです。   地質図において、この泥岩層中の砂岩層の露頭(×地点)は黄色( Mss )の中にあり、黄色はおもに砂岩からなる地層です。写真が四種類ありますが、上の写真は泥岩層中に長細くレンズ状で入る砂岩層の露頭を南からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。ハンマーの柄の部分の側方に延びる淡灰色の層(正しくは細長いレンズ状)が砂岩層です。中下の写真は、上の写真(または中上の写真)のハンマー付近を近づいて撮ったものです。下の写真は、同じ露頭を西から(左側から)撮ったもので、ハンマーの左側に砂岩層は写っています。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。中上と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。                       (地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)      美濃地学 - 地学のおもしろさを、美濃から (minotigaku.com)

長良川本流沿い露頭編 その154 大和町寄次の砂岩泥岩互層 :郡上市大和町河辺寄次の左岸河床露頭(大和町中央浄化センターの西の長良川左岸)

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    郡上市大和町河辺寄次の長良川左岸堤防沿いに大和町浄化センターがあります。浄化センター南の長良川と支流の合流部から北にある橋(釜渕橋)にかけて、ほぼ連続して露頭があります。大和町浄化センター西の階段から河原へ下りて、下流(南東)へ30mほど進んだ左岸河床露頭で砂岩泥岩互層が見られます。 砂岩泥岩互層は砂岩と泥岩が交互に堆積している岩石です。陸地から川によって運ばれた砂や泥が、浅い海洋に堆積します。その後、砂や泥が交じり合った状態でより深い海底へ流れ込む(混濁流と呼びます)と、海洋(水の中)では1回の流れ込みによって粒子の粗い砂が下に、その上に粒子の細かい泥が堆積します。何度も流れ込みが起こることによって、砂と泥が交互に堆積します。このように、砂や泥など混じったものが混濁流となって水中で堆積したものをタービダイトと呼びます。砂岩泥岩互層は特徴として、堆積時の下部は砂岩層からできていて上部は泥岩層からできています。その砂岩層から泥岩層への変化(下方から上方への変化)は急な変化ではなく、徐々に粒が細かくなります。しかし、泥岩層の上に載る砂岩層は、違う流れ込みによって堆積したものであるため、泥岩層から砂岩層への変化は急なもので、境界は明瞭です。ここの砂岩泥岩互層の砂岩層は淡灰色~灰色で、泥岩層は暗灰色をしています。 地質図において、この砂岩泥岩互層の露頭(×地点)は、黄色( Mss )の中にあって、黄色はおもに砂岩からなる地層です。写真が五種類ありますが、上の写真は砂岩泥岩互層を南東からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。真中の写真は、上の写真(または中上の写真)に写っているハンマー付近を近づいて撮ったものです。中下の写真は、真中の写真のハンマー頭部付近を撮ったものです。写真の下部に写っている砂岩層(淡灰色)から中央上に写っている泥岩層(暗灰色)への変化は除々です(明確な境界はありません)が、その上の砂岩層との境界は明瞭です。下の写真は、同じ露頭を北東(中上の写真の右側)から撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマー、定規の長さは約28cm、約17cmです。中上と真中、下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。