板取川沿いの地質、露頭 その37 関市洞戸阿部新高賀橋上流右岸の層状チャートの熱変成 :関市洞戸阿部の新高賀橋上流100mほどの右岸露頭

国道256号で洞戸尾倉の集落を過ぎ、しばらくすると尾倉と阿部の境界表示板があります。そこから、400mほど東へ進むと、右手に板取川を渡る新高賀橋があります。近くに車を止め、バス停の脇にある階段を使って川原へ下ります。上流へ向かい、橋の下をくぐって、橋から100mほど進むと露頭があります。熱変成している層状チャートです。 洞戸阿部の新高賀橋周辺の岩石は、北東に分布する花崗岩(高賀花崗岩)による熱の影響で熱変成を受けています。層状チャートも熱変成を受け、石英などが再結晶していますが、層状チャートであった痕跡を残しています。露頭の表面を見ると、白色~淡灰色の中に、何本もの灰色をした帯が入り、縞模様(層状)になっています。白色~淡灰色はチャート層が熱変成したもので、1cm~5cmの層厚の部分が多いです。また、灰色はチャート層の間にはさまる泥岩層が熱変成したもので、0 . 5cm~2cmの層厚の部分が多いです。その縞模様の面の走向・傾斜を測ると、N60°W35°Nでした。また、表面は白っぽく見えますが、割ると灰色~暗灰色をしていて、層状であることがわかりにくくなっています。 地質図において、×地点が露頭の位置で、オレンジ色( Mch )の中にあり、オレンジ色はおもにチャートからなる地層です。写真は五種類ありますが、上の写真は露頭を南西からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。真中の写真は、上の写真(または中上の写真)に写っているハンマー付近を近づいて撮ったものです。中下の写真は、ハンマーの下方を近づいて同じく北西から撮ったものです。真中と中下の写真を見ると、白いチャート層の中に、黒っぽい(灰色の)薄い泥岩層が右上から左下に縞模様のように入っているのがわかります。下の写真は、同じ露頭を西(ななめ左)から撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマーと定規の長さは、それぞれ約28cmと約17cmです。中上と真中、下の写真は、同じような写真が2枚並んでいますが、写真の下の白丸または黒丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供) 美濃地学 - 地学のおもしろさを、美濃から (minotigaku.com)