板取川沿いの地質、露頭 その41 関市洞戸阿部新高賀橋上流の破断した砂岩泥岩互層(熱変成) :関市洞戸阿部新高賀橋上流300mほど左岸河床露頭、鮎料理店裏の右岸河床露頭

「板取川沿いの地質、露頭その38」で紹介した露頭をさらに上流へ150mほど進んだところにある露頭です。150mほど進んでいる間に、砂岩泥岩互層の河床露頭が何ヶ所かで見られ、また支流(高賀川)を渡ります。 美濃帯堆積岩類中の砂岩泥岩互層は、河川によって陸地から海洋へ運ばれた砂や泥がもとになっています。一度海洋底で堆積した砂と泥がより深い海洋底へ移動すると、下に粒子の粗い砂が堆積し、その上に粒子の細かい泥が堆積します。それが繰り返されることによって、砂と泥が交互に堆積する砂泥互層がつくられ、それが固結することによって砂岩泥岩互層になります。ここで見られる砂岩泥岩互層は、全体的には互層がきれいに見られるわけではなく、砂岩層が平面上では細長いレンズ状になったり、楕円形になったりしています(破断した砂岩泥岩互層と表現します)。互層がわかる部分では、灰色をした1cm~数cm厚の砂岩層と暗灰色をした1cm~10cm弱厚の泥岩層が確認できます。また、砂岩泥岩互層の層理面は、北東-南西を軸として、北西に55°ほどの傾斜をもっています。この露頭の上流の右岸側沿いに鮎料理店があり、その裏手にも砂岩泥岩互層の露頭があります(この露頭から鮎 料理店裏 の露頭までは直線で160mほどです)。 地質図において、黒色×地点が新高賀橋上流300mほどの左岸河床露頭で、赤色×地点が鮎料理店の裏の露頭です。いずれも地表の堆積層(白色( a )、第四紀の堆積物)の下はうす茶色( Mal )が分布しています。うす茶色は砂岩泥岩互層からなる地層で、それが露出しています。写真は五種類ありますが、下の写真以外は新高賀橋上流300mほど左岸河床露頭で、下の写真は鮎料理店裏の露頭です。上の写真は西からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央付近を撮ったものです。真中の写真は、上の写真(または中上の写真)に写っているハンマー付近を近づいて撮ったものです。中下の写真は、砂岩層(淡灰色)が 細長いレンズ状になったり、楕円形になったりしているのがわかるところを西から撮ったもの です。下の写真は、鮎料理店の裏の露頭を北東からパノラマで撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマー、定規の長さは、それぞれ約28cm、約17cmです。中上と真中の写真は、同じような写真が2枚並んでいますが、写真の下の黒丸または...