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長良川本流沿い露頭編 その137 八幡町五町左岸の石英斑岩(貫入岩) :郡上市八幡町五町の左岸露頭(報徳橋の下流左岸露頭)

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   一昨年の10月4日「長良川沿いの花崗斑岩その6」で紹介した 郡上市八幡町五町の石英斑岩の露頭を再度紹介します。 国道156号を北進し、郡上市八幡町に入ります。「八幡I . C口」交差点を越え、800mほどを左折し、しばらくすると報徳橋があります。報徳橋の近くに車を止め、報徳橋の手前(東)を南に進むと、河原(左岸側)へ下りることができます。河原へ下りると石英斑岩が露出しています。花崗岩質のマグマが他の岩石に貫入した岩石が 花崗斑岩ですが、見かけ上、斑晶である石英の自形結晶(独自の形をした結晶の粒)が目立つものを石英斑岩と呼びます。一般的に、石英斑岩は花崗斑岩と比べると斑晶が少なく、白い長石の斑晶が目立たないことが多いです。ここの石英斑岩は、斑晶(肉眼で見える鉱物の自形結晶)は全体的に少なく、1mm前後の石英やカリ長石の斑晶が点在しています。  地質図において、この石英斑岩の露頭(×地点)は、広く分布する黄色( Mss )中にそら色( Msi )と濃いピンク色( Okg )が入り込んでいる付近にあります。正しくは、濃いピンク色の中にあります。濃いピンク色は奥美濃酸性岩類の岩脈で、美濃帯堆積岩類に貫入している岩石です。黄色はおもに砂岩からなる地層で、そら色は珪質泥岩からなる地層です。写真が五種類ありますが、上の写真は石英斑岩の露頭を西からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央左を撮ったものです。真中の写真は、砂岩と石英斑岩の境界付近を西から撮ったもので、シャープペンシルが置いてある左側の灰色の部分は砂岩で、右側の淡褐色の部分は石英斑岩です。中下の写真は同じ露頭を南から撮ったもので、写っている橋は報徳橋です。下の写真は石英斑岩を接写したもので、ガラスっぽく見える1~2mmの大きさの鉱物が石英です。写真の縦は4cmです。なお、中上の写真と下の写真は、 「長良川沿いの花崗斑岩その6」でも使用しています。 スケールとして置いてあるハンマー、シャープペンシルの長さは、それぞれ約28cm、約14cmです。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)                 地質美濃・美濃地学

長良川本流沿い露頭編 その136 八幡町五町左岸の砂岩層 :郡上市八幡町五町の左岸露頭(報徳橋の下流(南)へ200mほどの左岸)

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    地質図によると、郡上八幡駅付近から北方の八幡町有坂にかけて、広く砂岩層が分布していて、その中にチャートや珪質泥岩、貫入岩が部分的に存在しています。八幡町五町に架かっている報徳橋の下流(南)へ200mほどの左岸に、砂岩層が露出しています。 美濃帯堆積岩類中の砂岩層は、河川によって陸地から海洋へ運ばれた砂がもとになっています。海洋で噴出した玄武岩質火山岩類や、海洋で堆積した石灰岩、チャート、珪質泥岩などが、海洋プレートにのって陸地側へ移動し、大陸の縁(現在の日本列島)に付加する際に、海洋へ運ばれた砂(砂層)も一緒に付加しました。そして、その砂(砂層)が固結し、美濃帯堆積岩類中の砂岩層となりました。ここで見られる砂岩層は、粗粒~中粒の砂粒からできていて、全体的には青灰色です。また、割れ目が多くあり、ややブロック状になっています。ただし、表面は風化していて、コケ類などが生えているため、ハンマーなどで割らないと砂岩であることを確認するのは難しい。 地質図において、この砂岩層の露頭(×地点)は黄色( Mss )の中にあり、黄色はおもに砂岩からなる地層です。写真が四種類ありますが、上の写真は砂岩層を北からパノラマで撮ったものです。中上の写真は上の写真の中央部を同じく北から撮ったもので、中下の写真は中上の写真に写っている露頭を北西(右斜め横)から撮ったものです。下の写真は砂岩層のやや風化した面を接写したもので、写真の縦は2 . 5cmです。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。ハンマーの位置が見にくいですが、上の写真でいくと中央の左に写っています。中上、中下の写真もハンマーの位置は同じです。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸または黒丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)                  地質美濃・美濃地学minotigaku (google.com)                           美濃地学 - 地学のおもしろさを、美濃から (minotigaku.com)

長良川本流沿い露頭編 その135 八幡町勝更の南のチャート層、甌穴 :郡上市八幡町有坂勝更の南右岸露頭(高速道郡上八幡出口から料金所へつながる道路の長良川橋梁から下流へ300mほど)

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    東海北陸自動車道郡上八幡出口から料金所へつながる道路が長良川を渡っています。その長良川を渡る橋梁と 県道61号 大和美並線の交差地点から、下流方向(南)へ300mほどの長良川右岸にチャート層が露出しています。県道61号において、橋梁との交差地点の南15mほどに駐車スペースがあります。タイヤ販売店の向いです。その近辺から階段またはスロープで河原へ下り、下流方向(南)へ300m弱歩くと露頭があります。 ここの露頭のチャートは、層状チャートですが、層厚は一定でなくやや波をうっている状態です。暗青灰色~淡青灰色をした数cm~10cm厚のチャート層に、灰色(酸化のため褐灰色の部分が多い)をした数mm~1cm厚の泥岩層がはさまっています。また、砂や礫で埋まって深さはわかりませんが、直径が3 . 1mほどの甌穴が見られます。甌穴は、上流から運ばれてきた岩石が岩盤の表面にある割れ目などに引っかかり、強い水の流れの中でその岩石が回転し、ドリルのように岩盤に穴をあけたものです。甌穴は河床の岩盤が硬く(チャートでなくても)、激しい水の流れがあるところであれば見られます。 地質図において、このチャートの露頭(×地点)は、オレンジ色( Mch )と黄色( Mss )との境界に近いオレンジ色の中にあります。オレンジ色はおもにチャートからなる地層で、黄色はおもに砂岩からなる地層です。一般的にチャート層と砂岩層が隣り合って分布している場合、チャート層の方が浸食を受けにくいため、チャートだけが露出していることがあります。写真が四種類ありますが、上の写真は層状チャートを西からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。中上の写真の右下角に写っているのが甌穴です。中下の写真は、層状チャートがわかる場所を北東から撮ったものです。下の写真は甌穴を西から撮ったもので、スケールは写っていませんが甌穴の直径は約3 . 1mです。スケールとして置いてある折れ尺、黄色の定規の長さは、それぞれ1m、約20cmです。中上と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)                              

長良川本流沿い露頭編 その134 八幡町稲成・有坂境界付近のチャートと混在岩 :郡上市八幡町稲成・有坂境界付近の右岸露頭(郡上八幡地方合同庁舎の長良川対岸付近)

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    国道156号を北進し、郡上八幡駅南の交差点を過ぎてしばらくすると、自動車販売店、作業着等専門店、パチンコ店等が並び、右にカーブします。カーブするところで左側(西)を見ると、長良川の対岸(右岸)に岩石が露出しているのが確認できます。地図では、 郡上八幡地方合同庁舎のほぼ対岸です。そこへは、北か南へ進み、長良川に架かる橋を渡って行きます。河原へ下りると、チャートが露出しているのが確認できます。その中で、チャートと混在岩が接しているのがわかる露頭があります。この露頭のチャートは、淡緑青灰色~淡青灰色で、層理は何となくわかりますが、層状チャートというように層理がはっきりしたものではないです。 . 混在岩は、基質である黒色泥岩の中に、数cm~10数cm径のチャート、細粒砂岩~泥岩、玄武岩質火山岩、石灰岩などが入っています。基質の泥岩には、一定方向の割れ目が見られます。混在岩の両側にはチャートがあり、8mほどの幅で混在岩が露出しています。 地質図において、このチャートと混在岩が接している露頭(×地点)付近は、オレンジ色( Mch )と黄色( Mss )が分布していて、オレンジ色はおもにチャートからなる地層で、黄色はおもに砂岩からなる地層です。混在岩についてはわかりません。写真が四種類ありますが、上の写真はチャートと混在岩が接している露頭を東からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。中下の写真は、上の写真(または中上の写真)に写っているハンマーの左(混在岩)を近づいて撮ったものです。ハンマーのグリップの左に写っているのが泥岩中の礫(2個)です。下の写真は他の場所の混在岩を東から撮ったもので、スケールの左に写っている礫はチャートです。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。中上と中下、下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の黒丸または白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)                                     地質美濃・美濃地学minotigaku (google.com)                           美濃

長良川本流沿い露頭編 その133 八幡町穀見左岸河床の混在岩 :郡上市八幡町稲成穀見左岸河床、および川の中の露頭(国道156号沿いのガソリンスタンドの裏)

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   郡上市八幡町穀見の左岸河床には、前回「 長良川本流沿い露頭編その132」で紹介した 露頭以外にも露頭が見られます。前回 紹介したチャート中に入る石灰岩の露頭の北へ80mほどの左岸、および川の中に黒っぽい露頭が見られます。混在岩の露頭で、レンズ状のチャートなどが入っています。 混在岩は、美濃帯堆積岩類のような付加体堆積物に特徴的なメランジュを構成する岩石です。黒色の泥岩を基質として、中に大小さまざまな砂岩やチャートなどの礫(岩塊)を含みます。大きな岩塊は数100m以上のものもあるようです。この露頭では、黒色、わずかに黒褐色をした泥岩の中に、チャートがレンズ状に入っています。 地質図において、この混在岩の露頭(×地点)は、灰色( Mmx )の中にあり、灰色はメランジュからなる地層です。写真が四種類ありますが、上の写真は混在岩を南西から撮ったもので、ハンマーの右下部はチャートの岩塊です。中上の写真は、上の写真の露頭を南から撮ったものです。中下の写真は同じ露頭を北から撮ったもので、下の写真は中下の写真の中央下部を近づいて北から撮ったものです(ハンマーの位置は同じ)。ハンマーの左にあるレンズ状のものがチャートで、あとは混在岩の基質である泥岩です。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)               地質美濃・美濃地学minotigaku (google.com)                           美濃地学 - 地学のおもしろさを、美濃から (minotigaku.com)

長良川本流沿い露頭編 その132 八幡町穀見左岸のチャート中の石灰岩 :郡上市八幡町稲成穀見の左岸露頭(国道156号沿いガソリンスタンドの裏の南方)

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   一昨年の11月15日「長良川沿いの石灰岩その4」で紹介した郡上市八幡町穀見のチャート中に石灰岩が入っている露頭を再度紹介します。 国道156号を北進し、郡上市八幡町に入り、八幡町の市街地に近づくと最初のコンビニエントストアーが左手(西側)にあります。その北にガソリンスタンドがありますが、越えてすぐ左に入ると、車を止めることができます。コンビニや北に隣接した工場、およびガソリンスタンドの西側の長良川左岸河床に、岩石が露出しています。コンビニや工場の西側に南北に道があり、そこから川へ下りる階段があります。水位が高い時は水面下になりますが、南側と北側に露頭があり、南側にはチャート中に入る石灰岩の露頭があり、北側にはレンズ状のチャートが入っている泥岩層(混在岩)の露頭があります。北側の露頭は次回紹介します。 何度も書いていますが、石灰岩は浅い海で形成し、チャートは深い海で形成します。そして、石灰岩は深い海だと溶けてしまい形成されません。このように石灰岩とチャートは、形成条件が全く違うため、チャート中に石灰岩が入っているように見える産状の形成過程は正確にはわかっていないようです。 地質図において、このチャート中の石灰岩の露頭(×地点)は、灰色( Mmx )の中にあり、灰色はメランジュからなる地層です。このことから判断すると、チャートは混在岩中の大きな岩塊だと考えられます。写真が四種類ありますが、上の写真はチャート中の石灰岩の露頭を南から撮ったもので、中上の写真は上の写真とほぼ同じところを撮ったものです。白っぽい不定形のものが石灰岩で、他の灰色~暗灰色をしたものがチャートです。層状チャートの部分(下部)と層状になっていない部分(上部)がありますが、層状チャートの部分は1cm~10cm厚のチャート層に、灰色をした数mm~5mm厚の泥岩層がはさまっています。チャートと石灰岩の境界は明確です。中上の写真は、 「長良川沿いの石灰岩その4」でも使用しています。 中下の写真は、上の写真(または中上の写真)の中央下部を近づいて撮ったものです。下の写真は、上の写真(または中上の写真)の露頭を東から(右側から)撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマー、シャープペンシルの長さは、それぞれ約28cm、約14cmです。中上と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの

長良川本流沿い露頭編 その131 八幡町鈴原右岸の層状チャートの褶曲 :郡上市八幡町相生鈴原の右岸露頭(国道156号沿い生コン工場の長良川対岸東の露頭)

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    郡上八幡都市環境センターへ進み、近くに車を止めて、環境センターの南の堤防を通り河原へ下りると、大きな岩(南北に約17m、東西に約22m、高さ約8m)があります。それが層状チャートの露頭です。前回「 長良川本流沿い露頭編その130」の砂岩泥岩互層から東へ50m弱の場所です。 チャートは、陸地から離れた深海底で、微小な生物(放散虫など)の遺骸が堆積したものがもとになっています。それが、海洋プレートによって運ばれ、大陸の縁(現在の日本列島)に付加したものを現在見ているのです。本来チャートは深海底で水平方向に堆積していますが、陸地に付加したため、現在はかなり変形した状態で露出しています。チャートを見ると、地層が褶曲していることが多いです。ここの層状チャートは、淡緑灰色~青緑灰色をした数cm~20cm厚のチャート層の間に、灰色をした数mm厚の泥岩層がはさまっています。チャート層の層理面が褶曲のため垂直に近く、層理面に沿ってはがれているため、層理面のなめらかな面が見える部分もあります。 地質図において、この層状チャートの露頭(×地点)は、オレンジ色( Mch )と黄色( Mss )との境界部近くのオレンジ色の中にあります。オレンジ色はおもにチャートからなる地層で、黄色はおもに砂岩からなる地層です。写真が五種類ありますが、上の写真は褶曲した層状チャートを南からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央少し左を撮ったものです。層状チャートが褶曲していますが、層理面が垂直に近いため、はがれてなめらかな面(層理面)が見られる場所もあります。真中の写真は、同じ露頭を東から撮ったものです。中下の写真は上の写真(中上の写真)の露頭の裏を北から撮ったもので、下の写真は中下の写真の左側を北東から撮ったものです。スケールとして置いてある折れ尺の長さは1mです。中上と真中、下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)                                           地質美濃・美濃地学minotigaku (google.com)                          

長良川本流沿い露頭編 その130 八幡町鈴原右岸の砂岩泥岩互層 :郡上市八幡町相生鈴原の右岸露頭(生コン工場の長良川対岸のやや東)

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国道156号を北進し、郡上市八幡町の千虎のドライブインを越えて、カーブを曲がって少しすると左に生コン工場があります。そこを通り過ぎると、長良川対岸に大きな岩がそびえ立っているのが見えます。そして、もう少し東に進むと郡上八幡都市環境センターが見えます。砂岩泥岩互層は、そびえ立っている岩の西へ50mほどのところで見られます。対岸の県道61号大和美並線へ回って、郡上八幡都市環境センターへ進み、車を止めます。環境センターの南の堤防を西へ進み、河原へ下りると、対岸から見えた大きな岩(次回に紹介します)があります。その大きな岩からさらに西へ50mほど進んだところに、砂岩泥岩互層の露頭があります。 海底斜面に堆積した砂や泥がより深い海底へ流れ込む際、1回の流れ込みによって粒子が粗い砂は下に、その上に粒子の細かい泥が堆積します。何回も繰り返して流れ込むと、砂と泥が縞状になって堆積し、それが固結し岩石になったものが砂岩泥岩互層です。例えば2回の流れ込みがあった場合、下から上方に向かって観察すると、まず砂が堆積し、徐々に粒が細かくなって上方に泥が載ります。そして、明確な境界をもって砂が堆積し、また徐々に粒が細かくなって上方に泥が載るという堆積になります。そのため、砂と泥の堆積の変化を見れば、堆積時の地層の上下を判定することができます。ここの露頭では、砂岩層の中に15cm~25cmの厚さの泥岩層が何枚かはさまっているのがわかります。泥岩層は、層理面に沿った割れ目が多く入っています。   地質図において、この砂岩泥岩互層の露頭(×地点)は、黄色( Mss )とオレンジ色( Mch )の境界部近くの黄色の中にあります。黄色はおもに砂岩からなる地層で、オレンジ色はおもにチャートからなる地層です。写真が四種類ありますが、上の写真は砂岩泥岩互層の露頭を東からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央少し右を撮ったものです。中下の写真は上の写真(または中上の写真)のハンマーの左付近を近づいて撮ったものです。砂岩層と泥岩層は斜めに傾いています(右上から左下)。ハンマーの左側少し離れたところに泥岩層がありますが、泥岩層の左側は砂岩層と明確に境がありますが、泥岩層の右側は砂岩層との境界がはっきりしません。そのため、この砂岩泥岩互層は左側が上位で、右側が下位だと思われます。下の写真は、砂岩層の表面で

長良川本流沿い露頭編 その129 八幡町千虎左岸の砂岩層など :郡上市八幡町吉野千虎左岸露頭(千虎にある観光ホテル南西の長良川左岸河床)

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   美濃帯堆積岩類の中で、玄武岩質溶岩、石灰岩、チャートなどは、陸側の影響を受けないような海洋で噴出したり堆積したりしたものですが、砂岩層や泥岩層などは、陸から川の流れによって海洋へ運び込まれた砂や泥が堆積したものが元になっています。前回の「長良川本流沿い露頭編その128」の混在岩と考えられる露頭から北へ25mほど進んだところには、砂岩層(地質図上の黒色の×地点)が露出しています。その砂岩層には、1mm~5mmの薄い泥岩層を何枚もはさんだ部分があったり、泥岩層がレンズ状にはさまっている部分があったりします。また、北へ150mほど進んだところにも砂岩層(地質図上の赤色の×地点)が露出しています。観光ホテルの南西方向の長良川左岸にあたります。 地質図において、砂岩層が露出している×地点(黒色と赤色の×地点)は、いずれも黄色( Mss )の中にあり、黄色はおもに砂岩からなる地層です。地質図によると、この砂岩層は混在岩中に分布する砂岩層です。写真が五種類ありますが、上の写真は黒色の×地点の砂岩層(泥岩層を含む)を南から撮ったもので、中上の写真は同じ露頭を西から撮ったものです。真中の写真は、中上の写真のハンマーの右を近づいて撮ったものです。灰色の砂岩層の中に暗灰色の薄い泥岩層がはさまっていて、かつそれが細かい断層で切られているのがわかります。中下の写真は、赤色の×地点(黒色の×地点の150mほど北)の砂岩層を南東からパノラマで撮ったものです。下の写真は、中下の写真の中央少し右を同じく南東から撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。上と中上、下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の黒丸または白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)                地質美濃・美濃地学minotigaku (google.com)                           美濃地学 - 地学のおもしろさを、美濃から (minotigaku.com)

長良川本流沿い露頭編 その128 八幡町千虎左岸の混在岩 :郡上市八幡町吉野千虎左岸露頭(千虎にある観光ホテルの一番南の駐車場の南西)

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    郡上市八幡町の千虎地区には、国道156号沿いにドライブインと観光ホテルがあります。その観光ホテルの西の長良川沿いには、ほぼ連続して岩石が露出しています。観光ホテルの一番南の駐車場の南側に河原につながっている道があり、そこを下りると右側(北側)に黒っぽい露頭(露頭1)があります。一見、泥岩層に見えますが、基質である泥岩の部分が多い混在岩だと思われます。泥岩は暗青灰色をしていて、一定の方向に割れ目が多く入っています。露頭1の10mほど西には、灰色の砂岩層と黒色の混在岩が接している6m×7mほどの露頭(露頭2)があります。露頭2の混在岩は、基質である黒色泥岩の中に、幅が数cm~10数cmで、長さが数10cm~1mの細長いレンズ状の砂岩が入っています。      地質図において、混在岩の露頭1(×地点)は灰色( Mmx )の中にあり、南にも北にも黄色( Mss )が分布しています。灰色はメランジュからなる地層で、黄色はおもに砂岩からなる地層です。地質図によると、八幡町千虎地区周辺はメランジュの中に、いくつか砂岩層が入り込んでいる状況です。そのため実際に、混在岩と砂岩が交互に見られます。露頭1の南へ30mほどには砂岩泥岩互層が、北へ25mほどにも砂岩泥岩互層(この露頭は次回に紹介します)が露出しています。 写真が五種類ありますが、上の写真は混在岩の露頭1を南からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。真中の写真は、中上の写真の露頭を左側(西)より撮ったもので、基質である泥岩層の一定方向の割れ目が多い部分です。中下の写真は、10mほど西にある砂岩層と混在岩が接している露頭2を南東から撮ったものです。ハンマーのグリップ部より下方の黒っぽいのが混在岩で、上方の白っぽいのが砂岩です。下の写真は、中下の写真に写っている露頭(露頭2)の混在岩の部分を近づいて南東から撮ったものです。灰色で細長いレンズ状の礫(岩塊)が砂岩です。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。中上と真中、中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)        

長良川本流沿い露頭編 その127 八幡町相生中山右岸の混在岩 :郡上市八幡町相生中山の右岸河床露頭(法伝橋上流400mほど)

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    地質図を見ると、郡上市相生の法伝橋の北(上流)にはしばらくメランジュ(灰色 ( Mmx ) が分布しています。メランジュは美濃帯堆積岩類などの付加体堆積物に特徴的な地質体で、基質となる黒色の泥岩中に大小さまざまな礫(岩塊)が入っています。岩塊の中で大きいものは、地質図(5万分の1)にも表現できる大きさで、数100m~数kmオーダーにも及ぶものもあります。露頭レベルで、黒色の泥岩の中に砂岩やチャートの数cm~10数cm径の礫が入っている場合は、岩石名として混在岩という表現をします。ここの混在岩の露頭は、南北に40m強、東西に10mほどの河床露頭です。黒色泥岩の中に、おもに5mm~10数cm径の砂岩やチャートの礫が入っています。大きい礫では長径が50cmを超えるものもあります。特徴として、基質である泥岩は一定方向の割れ目があり、入っている礫はレンズ状のものが多いです。また、1cm以下の礫も多く入っています。 地質図において、相生中山右岸河床に露出している混在岩(×地点)は メランジュの中にあります。 写真が四種類ありますが、上の写真は混在岩の露頭を北東からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。中下の写真は、上の写真(または中上の写真)に写っているハンマー付近を近づいて撮ったものです。ハンマーの左側にある淡灰色の大きな礫は砂岩です。下の写真は、同じ露頭を南東から(中上の写真の左側から)撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。中上と中下、下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)                                             地質美濃・美濃地学minotigaku (google.com)                           美濃地学 - 地学のおもしろさを、美濃から (minotigaku.com)