投稿

9月, 2020の投稿を表示しています

長良川沿いの花崗斑岩 その4

イメージ
  長良川沿いの花崗斑岩 その4 国道156号線を北上し、郡上市美並町に入り、道の駅美並を越え、そこから3.2kmほど進んだところに信号機があります。その交差点の右手に見られる橋は新吉田橋です。橋のあたりから長良川を望むと、白っぽい岩石と黒っぽい岩石が見られます。国道156号線をドライブしていると、長良川沿いに白と黒のコントラストがはっきりした岩石が目に入る場所です。以前市民向けの地質見学会を行ったときに、「美並町で白っぽい岩石と黒っぽい岩石が隣り合って露出しているところがあるけれど、岩石は違うの?」という質問を受けたことがあります。黒っぽい岩石は「長良川沿いのメランジュその4」で紹介した混在岩の一連のものです。白っぽい岩石は花崗斑岩です。混在岩に花崗斑岩が貫入しているのです。新吉田橋の北東側から川原に下り、橋から100mほど北に進んだ左岸に花崗斑岩が露出しています。 写真が三種類ありますが、一番上の写真は花崗斑岩を南西から撮ったものです。真中の写真は花崗斑岩と混在岩が接触しているところを南から撮ったものです。一番下の写真は花崗斑岩を接写したものです。一番上と真中の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある左の●と右の●を重なり合わせるように見ると立体的に見えます。

長良川沿いの花崗斑岩 その3

イメージ
  長良川沿いの花崗斑岩 その3 長良川鉄道で下り列車に乗ったときは八坂駅を過ぎて30秒ほど、上り列車に乗ったときはみなみ子宝温泉駅を過ぎて1分15秒ほどで鉄橋を渡ります。そのとき北側を見ると、赤い勝原橋が見え、勝原橋と鉄橋との間の長良川沿いに黒っぽい岩と白っぽい岩が見られます。黒っぽい岩は混在岩で、白っぽい岩は花崗斑岩です。黒っぽい混在岩に白っぽい花崗斑岩が貫入しています。 国道156号線を美濃市から北上し、郡上市美並町に入り、道の駅美並を越えて1.7kmほど進んだところに子宝の湯の表示板があります。そこを右折すると、赤い勝原橋が見えます。勝原橋を渡り、東側から川原へ降りると、橋脚近くに混在岩が見られますが、下流(南)へ100mほど進むと花崗斑岩が露出しています。また、混在岩と花崗斑岩が接触しているところも見られます。 写真が三種類ありますが、一番上の写真は長良川鉄道の車窓から見たところです。真中の写真は花崗斑岩を南から撮ったもので、一番下の写真は花崗斑岩と混在岩が接しているところを西から撮ったものです。真中と一番下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある白丸または黒丸を重なり合わせるように見ると、立体的に見えます。

長良川沿いの花崗斑岩 その2

イメージ
  長良川沿いの花崗斑岩 その2 郡上市美並町黒地の長良川左岸に花崗斑岩が露出していますが、美濃帯堆積岩類のチャートに貫入しています。チャートとの接触部付近の花崗斑岩は鉱物の粒が細粒で、少し離れているところの花崗斑岩には鉱物の結晶が大きいもの(斑晶といいます)が入っているのがわかります。花崗斑岩のように貫入した岩体において、貫入された岩石との接触部付近では鉱物の結晶が細かい状態が見られることが多く、その岩相を急冷周縁相と呼びます。マグマが貫入して板状に固まったものを岩脈といいますが、花崗斑岩などの岩脈では、より大きな結晶が岩脈の中央部に集まる傾向が知られています。冷え固まる前の岩脈の中をマグマなどの液体が流れて移動するときに、他の岩石との接触部では低温と摩擦のため低速になりますが、中央部は高速のままです。すると、高速である中央部に大きな結晶が移動するのです。 国道156号線を美濃市市街から北上し、道の駅美並を越え、1 . 7kmほど進んだところにある子宝の湯の表示板を右折し進むと赤い勝野橋があります。そこを渡り、右折し、南へ進み(長良川の左岸)900mほどのところで車を止め、川原へ降りる細い道があるのでそこを下りると川原に出ます。花崗斑岩が露出しています。 写真が三種類ありますが、一番上の写真は花崗斑岩を少しはなれたところから撮ったものです。真中の写真はチャートとの接触面付近で撮ったもので、鉱物がすべて細かいです。一番下の写真は接触面から離れている花崗斑岩を撮ったもので、大きな斑晶がわかります。一番上の写真だけ左の●と右の●を重なり合わせるように見ると立体的に見えます。

長良川沿いの花崗斑岩 その1

イメージ
  長良川沿いの花崗斑岩 その1 長良川沿いには美濃帯堆積岩類が広く分布しますが、それを貫くように、花崗斑岩などを所々で見ることができます。花崗斑岩などの貫入岩は、高温の液体のマグマの状態で他の岩石に入り込み(貫入し)、冷え固まった岩石です。美濃帯堆積岩類が大陸に付加した後に、長良川の東側に広く分布する濃飛流紋岩や西側に分布する奥美濃酸性岩類に関連したマグマの一部が貫入し冷え固まり、現在分布しているのです。一般には ガラス質または細粒の結晶からなる石基の中に、石英や長石、黒雲母などの大きな結晶(斑晶という)が入っている岩石です。斑晶と石基とからなる組織を斑状組織といいます。 国道156号線を美濃市市街から北上し、郡上市美並町に入り、美並町の道の駅の手前500mほどのところに右斜め上に進む細い道がありますので、そこを通ると長良川を渡る橋(白石橋)があります。そこを渡りつきあたりを右に曲がると、県道324号白山美濃線です。近くに車を止めて、川原に下り、対岸の国道156号線の青い橋(木尾橋)の東に見られる白っぽい岩石が花崗斑岩です。ただし、長良川の水量が多いときは、中州の状態になります。 写真が二種類ありますが、上の写真は花崗斑岩を少しはなれたところから撮ったものです。見える橋が木尾橋です。下の写真は花崗斑岩を接写したもので、写真の縦は13 cm です。上の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある左の●と右の●を重なり合わせるように見ると立体的に見えます。

長良川沿いの砂岩、泥岩 その6

イメージ
  長良川沿いの砂岩、泥岩 その6  砂や泥の混じったものが海底の斜面で移動し流れ込む時、粒子が粗い砂は下に、その上に粒子の細かい泥が堆積します。何回も繰り返して流れ込むことによって砂岩泥岩互層ができます。 国道156号線を北上し、郡上市八幡町を越え、大和町に入ります。八幡町と大和町の境界から約1.8kmのところを左折すると和合橋があります。和合橋の手前を右折(北へ曲がる)と郡上偕楽園という老人ホームがあります。そこから川原に下りると、砂岩泥岩互層が長良川左岸に露出しています。和合橋の上流へ25mほどのところに、写真のように砂岩層の下部から上部に向けて砂の粒径が次第に小さくなっている級化層理がわかる部分があります。 写真が三種類ありますが、一番上は少し離れて撮ったもの、真中は近づいて撮ったものです。一番下は級化層理がわかる部分を近づいて撮ったものです。一番上の写真と真中の写真にある下の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

長良川沿いの珪質粘土岩 その5

イメージ
  長良川沿いの珪質粘土岩 その5 「長良川沿いのチャート層その5」「長良川沿いのメランジュその5」で紹介した郡上市美並町赤池の長良川右岸には混在岩、チャート層が分布しています。そして、チャート層に伴って珪質粘土岩が露出しています。 長良川鉄道の赤池駅の東の踏み切りを南に進み突き当たった長良川右岸沿いにチャート層が広がっていますが、その中に珪質粘土岩が見られます。長良川鉄道の鉄橋の橋脚近くには混在岩が見られます。 写真が二種類ありますが、上の写真は南東より珪質粘土岩を撮ったものです。下の写真は同じ場所を近づいて撮ったものです。上の写真の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると全体が立体的に見えます。

長良川沿いの珪質粘土岩 その4

イメージ
  長良川沿いの珪質粘土岩 その4 「長良川沿いのメランジュその4」で紹介した郡上市美並町大原下田橋下流(長良川左岸)には混在岩、チャート層などが露出していますが、対岸(長良川右岸)にも混在岩、チャート層が露出し、チャート層に伴って珪質粘土岩も露出しています。 国道156号線沿いにある吉田小学校の向かい側にガソリンスタンドがありますが、その北から川原へ降り、北へしばらく歩くと混在岩とチャート層が露出し、珪質粘土岩もチャート層に伴って露出しています。 写真が二種類ありますが、上の写真は南より珪質粘土岩を撮ったものです。灰色~暗灰色の珪質粘土岩に黒色の珪質泥岩と思われるものがはさまれています。下の写真は西から撮ったもので、混在岩とチャート層、珪質粘土岩が写っています。それぞれの写真の下の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

長良川沿いの珪質粘土岩 その3

イメージ
  長良川沿いの珪質粘土岩 その3 「長良川沿いのメランジュその3」で紹介した郡上市美並町大原勝原橋周辺には混在岩、花崗斑岩、チャート層が分布しています。勝原橋を左折し北へ500mほど進み、子宝の湯の手前で左へ曲がり、川原の方へ進みます(約100m)。車を停めて、長良川の川原に降りると、珪質粘土岩が分布しています。子宝の湯の駐車場の南西の長良川左岸沿いになります。勝原橋は、国道156号線を美濃市市街から北上し、道の駅美並を越え、1 . 7kmほど進んだところにある子宝の湯の表示板を右折し進むとあります。 淡青灰色をした珪質粘土岩が黒色泥岩を挟んでいるのがわかります。写真が二種類ありますが、上の写真は南より少し離れたところから撮ったもの、下の写真は近づいて撮ったものです。上の写真は同じような写真が隣り合っていますが、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、2つの●を重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

長良川沿いの珪質粘土岩 その2

イメージ
  長良川沿いの珪質粘土岩 その2 珪質粘土岩は、チャート層に伴って存在し、中生代三畳紀初期における酸素が少ない状態の海洋で堆積したものだと考えられています。長良川沿いでは、美濃市から郡上市美並町にかけて何箇所かで露出しています。 国道156号線沿いにある道の駅美並で車を駐車し、道の駅の川原へ通じる一番北の階段を降ります。北側に珪質泥岩が露出していますが、反対の南西(下流)へ250mほど右岸沿いを進むと、珪質粘土岩が露出しています。250mほど進む間には、珪質泥岩、チャート層などが見られます。 写真が二種類ありますが、いずれも南西から撮ったものです。珪質粘土岩は灰色~暗灰色をしています。上の写真は少し離れて撮ったもので、下の写真は近づいて撮ったものです。それぞれの写真の下の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

長良川沿いの珪質粘土岩 その1

イメージ
  長良川沿いの珪質粘土岩 その1 美濃帯堆積岩類において、礫、砂、泥などの砕屑物をほとんど含まず、粘土鉱物だけからなる岩石があります。その珪質粘土岩は、中に黒色の珪質泥岩をはさむことを特徴としています。珪質粘土岩は、中生代三畳紀の層状チャートの基底部に存在することがわかっていて、三畳紀初期における酸素が少ない状態の海洋で堆積したものだと考えられています。実際に化石がほとんど含まれないようです。長良川沿いにも何箇所かで分布しています。 国道156号線を美濃市市街から北上し、洲原神社を越えて須原トンネルに入り、出口のところを右(東)に曲がります。しばらく進むと神母橋がありますが、そこを渡り、左折します。すぐのところに車を止め、川原へ降りると、神母橋から70mほど上流のところに灰色の珪質粘土岩と黒色の珪質泥岩が見られます。 写真が二種類ありますが、いずれも北東から撮ったものです。上の写真は少し離れて撮ったもので、下の写真は近づいて撮ったものです。それぞれの写真の下の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

長良川沿いのメランジュ その6

イメージ
  長良川沿いのメランジュ その6  郡上市美並町深戸の長良川沿いには、混在岩、砂岩、チャート層などが分布します。混在岩は左岸にも見られますが、右岸に露出しているものを紹介します。国道156号線を北上し、美並IC入口を越え、三日市トンネルを抜けて、信号を左折し新美並橋を渡ります。渡ったところで右折し、北(上流)へ200m弱進むと道路脇にスペースがあります。川原へ降りて、上流に向けて歩き、高圧線の下近辺に混在岩が露出しています。黒っぽい泥岩の中に数cm~20cm径ほどの砂岩やチャートの岩塊が入っています。 写真が二種類ありますが、上は少し離れて撮ったもの、下は近づいて撮ったものです。いずれも西から撮りました。写真の下にある左の●と右の●を重ね合わせるように見ると立体的に見えます。

長良川沿いのメランジュ その5

イメージ
  長良川沿いのメランジュ その5  「長良川沿いのチャートその5」で紹介した郡上市美並町赤池の長良川沿いにはメランジュが広く分布しており、黒っぽい泥岩の中に大小の岩塊が入っている混在岩に数100m~数kmの広がりをもつチャート層が接している状態で存在しています。 国道156号線を北上し、美並IC入口の交差点を越えて900mほどのところで左折し、長良川を渡った集落が赤池です。長良川鉄道の赤池駅の東の踏み切りを南に進み突き当たった長良川右岸沿いにチャート層が広がっていますが、長良川鉄道の鉄橋の橋脚近くには混在岩が見られます。 写真が二種類ありますが、上は少し離れて撮ったもの、下は近づいて砂岩の岩塊を撮ったものです。いずれも東から撮りました。写真の下にある左の●と右の●を重ね合わせるように見ると立体的に見えます。

長良川沿いのメランジュ その4

イメージ
  長良川沿いのメランジュ その4  メランジュは泥岩などの基質中に、数センチメートルから数キロメートルに達する 様々な大きさ・種類の岩塊が含まれている。そのため、泥岩中に数cm~数十cm径の砂岩が入っている岩体に接して、チャートなどの数mの岩体が存在することもあります。郡上市美並町大原下田橋下流のメランジュを紹介します。  国道156号線を北上し、郡上市美並町に入ります。道の駅美並を越え、「子宝の湯」の表示板を過ぎ、左手に吉田小学校を越してしばらくすると、下田橋を渡ります。そこを右折し、長良川の左岸側を南(下流)に400mほど進むと道路脇にスペースがあります。そこで川原を眺めると岩が露出しているのがわかります。 上の写真は東から撮ったもので、同じ岩を南西から撮ったものが真中の写真です。東側から見ると、右側がチャート層で、左側が 混在岩からなっています。真中の写真は南西(混在岩の方)から撮ったものですが、黒っぽい泥岩中に数cm~数十cm径の灰色をした砂岩が入っているのがわかります。 一番下の写真は、 チャートと砂岩が直接接しているものですが、東から 撮った ものです。 それぞれの写真の下の白丸や黒丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

長良川沿いのメランジュ その3

イメージ
  長良川沿いのメランジュ その3 美濃帯堆積岩類の中で、泥岩の中に砂岩やチャートなどの岩塊が入った岩石を「混在岩」といい、それらで構成されている地質体を「メランジュ」と呼びますが、黒っぽい泥岩の中に数cm~数十cmの径の砂岩が入っているのが露出しているところを紹介します。郡上市美並町大原勝原橋周辺です。 国道156号線を美濃市市街から北上し、道の駅美並を越え、1.7kmほどのところに子宝の湯の表示板があります。そこを右折し進むと、赤い橋がありますが、それが勝原橋です。勝原橋から南(下流側)の左岸を眺めると黒っぽい岩石と白っぽい岩石が露出していますが、黒っぽい岩石が混在岩で、白っぽい岩石は貫入した花崗斑岩です。北(上流側)の左岸を眺めても岩石が露出していますが、チャートや混在岩、花崗斑岩です。 勝原橋の東側から川原へ降りると、橋脚近くに混在岩が見られます。上の写真はその混在岩で、真中の写真は近くで撮ったものです。一番下の写真は勝原橋から100mほど北(上流)に露出している混在岩です。いずれの写真も南から撮ったものです。それぞれの写真の下の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

長良川沿いのメランジュ その2

イメージ
  長良川沿いのメランジュ その2 美濃帯堆積岩類の中には、「メランジュ」に相当する地質体がいろいろな規模で見られます。一般には、砂岩・珪質泥岩・チャート・石灰岩・火山岩類(玄武岩質溶岩等)などのいろいろな岩塊が泥質の基質の中に埋められたように含まれている岩石で構成されています。場所により含まれる岩塊の種類や大きさが異なり、基質の状態も異なります。美濃市立花地区の長良川右岸には、100mほど連続に岩が露出していますが、海洋で噴出したり堆積したりした玄武岩質溶岩、石灰岩、チャート、珪質粘土岩、珪質泥岩、砂岩が全て見られます。 場所は、「長良川沿いの玄武岩質溶岩その4」「長良川沿いの石灰岩その1」で紹介したところです。国道156号線を美濃市市街から北上し、美濃市保木脇の交差点を左折し、橋を渡り、県道291号線を右折すると、長良川水力発電所が見えます。駐車スペースに車を駐車して、北東方向へ300mほど進んだところから川原へ降りると行くことができます。 写真が二種類ありますが、上の写真は珪質粘土岩とチャートが、下の写真は玄武岩とチャートが接して露出しています。いずれの写真も南から撮ったものです。それぞれの写真の下の白丸または黒丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

長良川沿いのメランジュ その1

イメージ
  長良川沿いのメランジュ その1 長良川沿いには、黒色をした泥岩の中に砂岩やチャートなどの岩塊が入った礫岩のような岩石がところどころで分布しています。通常の礫岩は、河川が運んできた礫、砂、泥のうち、砕かれて砂粒になれなかった粗い礫が集まって堆積した岩石であり、礫の間を埋めているのは砂粒です。ところが、砂よりもさらに細かい泥が大小の岩塊の間を埋めていることから、通常の礫岩ではありません。このような堆積物を「混在岩」といい、それらで構成されている地質体を「メランジュ」と呼びます。 海洋のプレートの上に堆積したものが、陸側のプレートの下にもぐりこむ際、はぎ取られ混ざり合いながら陸側のプレートにくっついていく場合の特徴的な地質体です。 国道 156 号線を北上し、郡上市美並町に入り、さらに北へ進みます。美並町白山地区の美並庁舎(美並振興事務所)を越えてすぐのところに「美並ふるさと館4km」の表示板があります。そこを左折すると県道 315 号白山内ヶ谷線です。すぐ見える三城橋を渡り右折します。長良川沿いに岩石が露出していますが、長良川の支流である粥川の合流点から南(下流)には黒っぽい泥でできた岩石の中にいろいろな大きさの砂岩やチャートなどの岩塊が入っているのが見られます。 写真が二種類ありますが、いずれも黒っぽい泥岩の中に、岩塊が入っています。上の写真の岩塊は砂岩で、下の写真の岩塊はチャートと砂岩です。それぞれの写真の下の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

長良川沿いのチャート層 その8

イメージ
  長良川沿いのチャート層 その8 岐阜県で甌穴と言えば、飛騨川沿いが有名ですが、長良川沿いにもきれいに深く削られている自然の造形が見られる場所があります。 国道156号線を美濃市市街から北上し、郡上市美並町に入り、道の駅「美並」の手前500mほどのところに右斜め上に進む細い道があるので、そこを通ると長良川を渡る橋(白石橋)があります。そこを渡りつきあたりを左(北東)に曲がると、県道324号白山美濃線です。北東へ進み、400mほど進んだ道路脇にスペースがあります。車を止めて、50mほど戻って道路から川の方を望むとチャート層が露出していますが、一番上の写真のように甌穴が見えます。降りられるところを探し、甌穴に近づくと、見えていた甌穴の南5mほどのところにも深さが2m以上の甌穴があります。両方ともチャート層にできた甌穴です 写真が三種類ありますが、一番上の写真は県道324号線から見える甌穴です。真中の写真は道路からでも見える甌穴ですが、穴の直径は80 cm ほどで、深さは40 cm ほど(本当は160 cm ほど削られている)です。一番下の写真の甌穴は穴の直径が90 cm ほどで、深さは240 cm ほどです。中と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある左の●と右の●を重なり合わせるように見ると立体的に見えます。真中の写真のスケールは1mです。

長良川沿いの砂岩、泥岩 その5

イメージ
  長良川沿いの砂岩、泥岩 その5 美濃帯堆積岩類の中には、チャートほど珪質(ガラス質)で堅硬ではないが、珪酸(SiO 2 )分に富む細粒で緻密な岩石があります。細粒な粒子が 固結した岩石なので泥岩ですが、珪酸分に富んだ岩石なので珪質泥岩と呼ばれます。層状チャートの上位に重なり、密接に伴うことが多いようですが、チャートをつくっている放散虫化石などと陸からの細かい粒子が混じりあった堆積物で、海洋プレートが陸地近辺に近づきつつある時期の堆積物です。 珪質泥岩が分布する場所を紹介します。国道156号線を美濃市市街から北上し、洲原神社を越えて須原トンネルに入り、出口すぐのところを右(東)に曲がります。しばらく進むと神母橋がありますが、そこを渡り、右に曲がると県道324号白山美濃線です。東へ進み200mほどのところを川へ降りると泥岩が露出しています。「長良川沿いのチャート層その6」で紹介した甌穴の100mほど西に分布しています。 写真が二種類ありますが、上は北から少し離れて撮ったもの、下は近づいて撮ったものです。それぞれの写真の白丸、または黒丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。