投稿

3月, 2021の投稿を表示しています

県内美濃地方編 その12 美濃加茂市・可児市周辺2 可児市塩の蜂屋層 :可児市塩可児川沿い右岸

イメージ
  瑞浪層群の蜂屋層は、美濃加茂市蜂屋町周辺から富加町、川辺町、八百津町、可児市塩付近などの広い範囲に分布し、ほとんどは火山角礫岩からなっています。火山角礫岩中の角礫は多くは安山岩で、基盤となっている美濃帯堆積岩類の砂岩やチャート、泥岩なども伴っています。礫の大きさは、5~20 cm ほどが多く、2mに達するものも含まれますが、角礫の大きさや密集の度合い、角礫の種類などは場所によってかなり変化しています。 蜂屋層が形成した時代にはまだ日本海は存在せず、日本列島の土台は大陸の東縁にありました。蜂屋層を形成した火山活動は、当時の大陸の内陸盆地に形成された湖の中で起きたと考えられているようです。  写真が四種類ありますが、上の写真は県道122号の可児川に架かる橋(可児市塩)から北東を望んで可児川右岸を撮ったもので、川へ下りて南からパノラマで撮ったものが中上の写真です。中下の写真は、中上の写真の一部を南から撮ったもので、下の写真は近づいて撮ったものです。この露頭の火山角礫岩の礫は数 cm ~10 cm 径のものが多く、数10 cm ~50 cm 径のものもあります。上と中下、下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

県内美濃地方編 その11 美濃加茂市・可児市周辺1 美濃加茂市蜂屋町広橋の蜂屋層 :美濃加茂市蜂屋町広橋

イメージ
   東濃地方や中濃地方の丘陵地に新第三紀層は広く分布しますが、西側にある美濃加茂・可児地域に分布する新第三紀層(瑞浪層群)の最下部層を蜂屋層と呼びます。この蜂屋層は2400万年~2000万年前に起こった火山活動によって形成されたもので、主に火山角礫岩という火山岩類の角礫が主体の岩石からなっています。美濃加茂市蜂屋町広橋付近の道路沿いには、安山岩の角礫が多く入ってごつごつした感じの岩石が露出しています。蜂屋町広橋の公民館の北へ100mほどのところに露出している蜂屋層は、砂岩層の上に火山角礫岩層が約20mの厚さで堆積しています。  写真が五種類ありますが、上の写真は県道63号の宝仙坊トンネルの南から東に入る道へ進み、広橋公民館へ向かう途中にある東露頭を北西からパノラマで撮ったものです。中上の写真は上の写真の一部を撮ったもので、スケールの長さは2mです。真中の写真は、広橋公民館の北約100mの東露頭を南東からパノラマで撮ったもので、中央左下に写っているスケールの長さは1mです。下部が砂岩層で、中央から上が火山角礫岩です。中下の写真は、真中の写真の一部を撮ったものです。下の写真は火山角礫岩に近づいて撮ったものです。シャープペンの長さは約14 cm です。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある白丸や黒丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

県内美濃地方編 その10 各務原市周辺10 木曽川沿いの層状チャート中の安山岩岩脈 :加茂郡坂祝町取組木曽川右岸河床

イメージ
坂祝町取組の木曽川右岸の層状チャート中には、層状チャートの層理面にほぼ平行に安山岩が貫入している場所があります。マグマなど液体が他の岩石に貫入する場合、他の岩石の割れ目に沿って入り込んで冷え固まるため、板状に分布することが多く、岩脈と呼ばれます。ここの安山岩岩脈については研究がなされており、大半が厚さ数m程度で、延長数10mと規模は小さいようです。また、年代測定もされていて、白亜紀後期である約9000万年前と約8400万年前という年代が得られていますが、貫入後の鉱物の変質の影響で本当の年代より新しい年代が出ている可能性があるようです。  写真が三種類ありますが、上の写真は層状チャートに安山岩岩脈が貫入しているところを南西から撮ったもので、写真の下部に写っている暗褐色の岩石が安山岩岩脈です。真中の写真は同じ露頭を南から撮ったもので、左側の暗褐色の岩石が安山岩岩脈です。下の写真は安山岩岩脈の見やすいところを近づいて撮ったもので、写真の縦は5 cm です。上と真中の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。  

県内美濃地方編 その9 各務原市周辺9 赤褐色の層状チャートの褶曲 :加茂郡坂祝町取組木曽川沿い右岸

イメージ
  坂祝町取組の木曽川の堤防沿いにある施設(排水樋管)の南に、赤褐色の層状チャートが広がります。3月22日の「県内美濃地方編その5」で紹介しましたが、赤褐色のチャートは、チャートの中に含まれている鉄分が酸化して 赤鉄鉱として含まれているので赤いのです。そのため、赤褐色のチャートが堆積したときは海洋中に酸素が多くあったと考えられます。 三種類の写真がありますが、上の写真は木曽川右岸河床に広がる層状チャートをパノラマで撮ったもので、真中の写真は上の写真の一部を南西から撮ったものです。下の写真は褶曲した層状チャート(真ん中の写真でハンマーのあるところ)に近づいて同じく南西から撮ったものです。真中と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

県内美濃地方編 その8 各務原市周辺8 坂祝町勝山の木曽川沿い層状チャート内の甌穴 :加茂郡坂祝町勝山木曽川右岸河床

イメージ
    前回「各務原市周辺7」で紹介した坂祝町勝山の砂岩泥岩互層の露頭から西(木曽川下流)へしばらく進むと、層状チャートが分布しています。北からの支流(迫間川)の合流地点の東側に層状チャートの露頭があります。ここの層状チャートは、次回紹介する坂祝町取組の赤褐色のチャートとは対照的に、緑色のチャートが広く見られます。 赤褐色のチャートは含まれている鉄分が酸化して赤鉄鉱として含まれています。一方、緑色のチャートは鉄を含んだ緑色の粘土鉱物を含むようです。また、ここの層状チャートには甌穴がいくつか見られます。 さらに西へ100m弱進むと、層状チャートに深くはありませんが、数10 cm ほどの径をもつ甌穴が多く見られます。 甌穴は、上流から運ばれてきた石が岩盤の表面にある割れ目などにひっかかり、強い流れの中でその石が回転し、ドリルのように岩盤に穴をあけることによって形成されます。岩盤が硬くない場合は、穴ができても周りがくずれるため、しっかりとした穴が残りません。そのため、甌穴は河床の岩盤がチャートのように硬く、かつ激しい流れを生じる場所であれば見られるものです。 写真が四種類ありますが、上の写真は支流(迫間川)の合流点近くの露頭を北からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央左に写っている甌穴を西から撮ったものです。この甌穴は、長径が180 cm 、短径が120 cm で、深さは70 cm 以上(甌穴に円礫が入っているため底がわからない)です。中下の写真は甌穴が多く見られる露頭を北からパノラマで撮ったもので、下の写真は南から撮ったものです。中上と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある黒丸または白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

県内美濃地方編 その7 各務原市周辺7 坂祝町勝山木曽川沿いの砂岩、泥岩、砂岩泥岩互層 :加茂郡坂祝町勝山木曽川右岸河床

イメージ
   県道207号各務原美濃加茂線(旧国道21号の一部)の勝山交差点の南にある木曽川堤防を越え、木曽川河川敷の草地へ下り、木曽川に近づくと砂岩が露出しています。細粒~中粒の塊状の砂岩で、泥岩の岩片が含まれています。また、数10m下流に進むと、河床に黒っぽい露頭が見えますが、黒色の泥岩層です。ここの泥岩層は、堆積した面に沿ってはがれやすい特徴をもち、細粒の砂岩をレンズ状に挟んでいる場所もあります。そこから、100mほど南西へ進むと、砂岩泥岩互層が露出しています。位置的には、県道207号(旧国道21号)の勝山西交差点の南にあたります。砂岩泥岩互層が見やすいところは、数~8 cm ほどの幅をもつ砂岩層と、0 . 5~1 cm の幅をもつ泥岩層が互層となっているのがわかります。 写真が四種類ありますが、上の写真は勝山交差点(県道207号)の南の木曽川沿いに露出する砂岩を北からパノラマで撮ったもので、中上の写真は近づいて一部を北から撮ったものです。中下の写真は泥岩層を北から撮ったものです。下の写真は砂岩泥岩互層をパノラマで西から撮ったものです。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

県内美濃地方編 その6 各務原市周辺6 チャート層の褶曲 :関市迫間不動の展望台の北側道路沿い

イメージ
  迫間不動の展望台は住所でいくと関市ですが、展望台から見渡せるのは各務原市ですので、各務原市周辺の中で紹介します。20年ほど前は、展望台から南を向くと各務原市が広く見渡せ、チャートでできている山地は高く、砂岩でできている山地は低いという地形の違いを見ることができました。しかし、現在は展望台の周囲の木が成長し、以前のように広く見渡すことができません。 展望台の北側に道がありますが、その道沿いに露頭があり、チャート層の褶曲がよく見えます。地層が波打つように変形したものを褶曲といいますが、上に凸の部分(高まったところ)を背斜、下に凹んだ部分(低くなったところ)を向斜とよびます。一つの露頭で背斜と向斜を見ることができます。 写真が三種類ありますが、上の写真は展望台の北側の道路沿いの露頭をパノラマで撮ったもので、真中の写真は向斜を正面から(北から)撮ったものです。下の写真は北西から撮ったものです。真中と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

県内美濃地方編 その5 各務原市周辺5 鵜沼の木曽川沿い層状チャート :各務原市鵜沼宝積寺木曽川右岸河床

イメージ
   各務原市の鵜沼宝積寺の木曽川右岸河床には、層状チャートが広く分布しています。厚さ2~10 cm ほどのチャート層が厚さ数 mm ほどの泥岩層を間に挟んで、交互に繰り返しています。ここの層状チャートは研究がくわしくなされ、主に中生代の三畳紀中期からジュラ紀前期の間の層状チャートが断層や大きな褶曲によって何回も繰り返して現れていることがわかっています。また、赤褐色や灰色、暗灰色などのチャートが見られますが、この色の変化が海洋環境の変化を表していると考えられています。赤褐色のチャートは含まれている鉄分が酸化して赤鉄鉱として含まれています。一方、灰色や暗灰色のチャートは還元状態で堆積し、硫化鉄(主に黄鉄鉱)や炭素化合物などの酸素の乏しい場所でできた物質を含んでいるようです。そのため、黒っぽいチャートが堆積したときは海洋中に酸素が少なく、赤褐色のチャートが堆積したときは海洋中に酸素が多くあったと考えられます。ここの層状チャートは、下位の灰色や暗灰色のチャートから赤褐色のチャートへ変化していて、三畳紀中期のはじめ頃に酸素が多い状態へ回復したことを示すようです。 ま 写真が四種類ありますが、上の写真は鵜沼宝積寺の層状チャートの露頭をパノラマで撮ったもので、中上の写真は露頭を正面から(南東から)撮ったものです。中下の写真は、チャート層の色の違いがわかるように縦長に撮ったものです。写真の上位が地層としては新しいです。ハンマーの少し下の灰色、暗灰色のチャートとハンマーのある赤褐色のチャートの色の違いがわかると思います。下の写真は、北東から撮ったものです。中上と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある黒丸や白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

県内美濃地方編 その4 各務原市周辺4 高位段丘礫層 :各務原市鵜沼伊木山

イメージ
各務原市の南東部にある伊木山では、「伊木山の不整合」という表示板の東側で露頭(地層などが見えるように露出しているところ)が見られます。おもにチャートからなる基盤の美濃帯堆積岩類を覆って、凸凹面で境されて礫層がのっています。中生代に堆積した美濃帯堆積岩類の上に、第四紀の地層が重なっていますので、このようなかなりの堆積年代のギャップをもつ地層の重なり方を不整合といいます。この礫層の礫はスコップなどでも削れるほど風化して軟らかくなっています。このように礫が風化してまるで腐ったような状態に見えるものをくさり礫と呼ぶことがあります。このくさり礫は分布範囲が狭く、どのような場所で堆積したものかはっきりとはわかりません。段丘礫層とするならば、高い位置にある段丘の堆積物となりますので、「高位段丘礫層」と呼びます。 写真が二種類ありますが、上の写真は表示板の横の露頭を南東から撮ったもので、下のの写真は少し近づいて撮ったものです。右端に写っているスケールは1mです。下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

県内美濃地方編 その3 各務原市周辺3 木曽川泥流堆積物 :各務原市鵜沼西町

イメージ
  木曽川泥流堆積物は、御嶽火山を給源とする火山泥流堆積物です。御嶽山東麓の西野川から王滝川、木曽川へと流れ下り、144kmにも及んだことがわかります。泥流堆積物は、主に御嶽火山を形成している安山岩類の礫(角ばったもの~やや角ばったもの)とその細粒物質からなり、その中に御嶽火山周辺や木曽川流域に分布する岩石の破片が含まれています。この堆積物が堆積した年代は、加茂郡八百津町に分布する木曽川泥流堆積物に含まれていた樹木の年代測定から約5万年前とされています。各務原市の伊木山付近から鵜沼山崎町にかけて各務原台地の東端を弓なりにえぐるように段差は、古い木曽川によって削られたことでできた地形のようです。この段差の崖に沿って木曽川泥流堆積物が分布しています。鵜沼西町の露頭では、比較的硬い泥流堆積物が見られ、内部に角ばった安山岩類の礫が多く見られます。そのほかに 濃飛流紋岩や花崗岩、美濃帯堆積岩類のチャート、砂岩などが含まれます。 写真が三種類ありますが、上の写真は鵜沼西町の木曽川泥流堆積物の露頭をパノラマで撮ったもので、真中の写真は露頭を正面から(南から)撮ったものです。下の写真は近づいて撮ったもので、中央左に写っているのは安山岩の礫です。その右少し上に写っているシャープペンの長さは約14cmです。真中の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

県内美濃地方編 その2 各務原市周辺2 各務原層 その2 :各務原市蘇原申子町申子公民館南、各務原市鵜沼大伊木町大牧団地南、各務原市那加新加納少林寺南西の崖

イメージ
   各務原層には5~10mmほどの径をもつ丸い黄褐色の粒が見られますが、火山から噴出した軽石です。軽石というと、灰色で多くの穴があいた軽くて少し硬い石というイメージがありますが、各務原層に入っている黄褐色の軽石はさわると簡単につぶれます。軽石の中の成分が粘土に変わりもろくなったためです。中には黄褐色ではなく、灰色のやや硬い軽石も入っていますが、性質がやや異なり、形成された時期も異なるようです。これらの軽石は御嶽火山の噴出物です。異なる時期(おおよそ6~10万年前)に御嶽火山から噴出した軽石が古木曽川の上流部にいったん堆積し、それらが古木曽川によって砂などといっしょに運ばれることで混ざって堆積したものが各務原層です。 各務原層は掘らなくても各務原台地の縁で見られるのですが、植物に覆われたり、人工的にコンクリートなどで覆われたりして実際にはなかなか見ることができません。ただし、北の縁は蘇原申子町の申子公民館の南で、南の縁は鵜沼大伊木町大牧団地の南で、東の縁は那加新加納の少林寺の南西の崖などで見られます。以前と比べると植物が茂って見にくくなっています。 写真が五種類ありますが、上の写真は蘇原申子町の申子公民館の南の露頭(地層など地面下の状況が見られるところ)を北東から撮ったもので、中上の写真は近づいて撮ったものです。黄褐色の丸い粒が軽石です。真中の写真は大牧団地の南の露頭を西から撮ったものです。中下の写真は那加新加納の露頭を南西から撮ったものですが、植物が茂っていて現在は各務原層がほとんど見えません。スケールは1mです。下の写真は新加納の露頭を10年ほど前に撮ったものです。上と真中、中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせ るようにすると立体的に見えます。

県内 美濃地方編 その1 各務原市周辺1 各務原層 :各務原市大脇町の切り通し道路脇

イメージ
 今まで岐阜県の長良川、板取川、津保川沿いの岩石、および県外の観光地(ジオサイト)をいくつか紹介してきました。今回からしばらく岐阜県美濃地方の地質関係の見学地を紹介します。また、立体視ができるような写真を掲載します。 各務原台地は、各務原市を中心に木曽川右岸に分布する台地で、濃尾平野の沖積面(自然状態で現在も形成されている平野の表面)から一段高い海抜30~55mを示しています。その台地を構成する堆積物のうち、大部分を占めているのが各務原層です。各務原層は河川(古木曽川)に運ばれてきた砂などが堆積してできた地層です。各務原台地は主に各務原層でできているため、台地の地下を掘れば見ることができるのですが、実際にはなかなか見るのに適した場所がありません。各務原台地の縁の崖になっているところでは見ることができる場所があります。しかし、以前は見ることができた場所でも、植物が生えて見えにくく、または見えなくなっている場所が多いです。現在、各務原層が見える場所を紹介します。 各務原市大脇町の東西道路の切り通し脇に露頭(地層などが見えるように露出しているところ)があります。チャート層とその上位の各務原層が露出しています。各務原層は主に砂層でできていますが、その中に丸い黄褐色の粒(軽石)が入っています。 写真が四種類ありますが、上の写真は各務原層を北西から撮ったもので、中上の写真は近づいて西から撮ったものです。中下の写真はもっと近づいて撮ったもので、スケールは20cmです。砂層の中に 丸い黄褐色の軽石が入っていることがわかると思います。 下の写真は、同じ露頭を少し遠くから西より撮ったものです。上と中上、下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

県外編 静岡県 その22 富士山付近の伏流水から突如現れる柿田川(柿田川公園の湧水群) :静岡県駿東郡清水町伏見

イメージ
   国道1号の脇にある柿田川公園の第1・第2展望台からは、水が地面から湧き出ているところを見ることができます。約1万年前の富士山の噴火で流れ出た溶岩(三島溶岩)は、現在の柿田川公園付近まで到達しました。富士山の雪解け水や雨水は、亀裂やすき間の多い富士火山の溶岩や火山灰の中にしみ込み、三島溶岩の下には水を通しにくい地層が堆積しているため、三島溶岩の中を地下水として流れます。そして、溶岩の末端に近い三島付近から柿田川にかけて豊富な湧水をもたらしています。 写真が四種類ありますが、上の写真は公園内の第1展望台から湧水群をパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の右側を撮ったものです。中下の写真は、同じく第1展望台より柿田川の下流に向かって撮ったものです。下の写真は第2展望台から撮ったもので、昔あった紡績工場で井戸として使っていたものがそのまま残っているようです。中上と中下、下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の下の黒丸や白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

県外編 静岡県 その21 溶岩流の端の崖にかかる滝(浄蓮の滝)と柱状節理 :静岡県伊豆市湯ヶ島

イメージ
   伊豆半島の中央部で、浄蓮の滝の南東にある鉢窪山(伊豆東部火山群のひとつ)は約1万7000年前に噴火しました。この噴火で流れ出した溶岩が国道136号が走っている茅野地区の台地をつくっているようです。その溶岩の北西部の端にかかる滝が浄蓮の滝です。正面から見て浄蓮の滝の右下には、溶岩が柱を束ねたような状態になっている柱状節理が見られます。柱状節理は 液体であるマグマが冷却して固体になるときに体積が小さくなるために、規則正しい割れ目ができ形成されたものです。基本的には六角形の柱状になるように割れ目が入っています。 写真が四種類ありますが、上の写真は浄蓮の滝を正面から撮ったもので、中上の写真は少しはなれて撮ったものです。中下の写真は滝の右下の部分を望遠で撮ったもので、柱状節理が発達しているのがわかります。下の写真は滝の上部を望遠で撮ったものです。いずれの写真も同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の下の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

県外編 静岡県 その20 北伊豆地震の地震動が偶然記録された魚雷の側面(地震動の擦痕) :静岡県伊豆の国市南江間江間公園

イメージ
    昭和5年(1930年)11月26日に発生した北伊豆地震(M7 . 3)を引き起こした丹那断層の変位とその時の地震の痕跡を保存してある場所について、「県外編その1」「県外編その2」で紹介しました。今回は、北伊豆地震による揺れによって、直接残された擦りきず(擦痕)を紹介します。それは、現在公園(旧江間小学校跡地)の一角の建物の中に収められている魚雷の側面についているきずです。自然物ではないものに対して、初めて国の天然記念物に指定されたものです。 地震計のように、地震の揺れが引っかいたきずという形で残されました。地震計は、地震によって動く部分と動かない部分(不動点)があるからこそ地震の揺れが記録されるものです。地震が発生した時、展示されていた魚雷は重量が大きく動きが乏しく(不動点に近く)、それに比べ台座は地震の揺れに合わせて動いたと思われます。台座の一部が地震計の針のように魚雷の側面を引っかいたことによって、地震の揺れを記録しました。 写真が四種類ありますが、上の写真は魚雷が収められている建物を撮ったもので、中上の写真は建物の中の魚雷の側面を撮ったものです。写っている縦と横の線が地震動による擦痕です。中下の写真は、中上の写真の魚雷を左側から撮ったものです。下の写真は、魚雷の側面全体を撮ったものです。上と中上、中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の下の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

県外編 滋賀県 その19 石山寺に見られる珪灰石 :滋賀県大津市石山寺

イメージ
    石山寺の境内には石灰岩が熱変成した結晶質石灰岩(大理石)が広く露出しています。結晶質石灰岩の中に珪灰石が含まれています。 珪灰石は石灰岩(C a CO 3 )に珪酸(S i O 2 )が加わってできた変成鉱物(スカルン鉱物)で、ふつうは繊維状の塊で、色は白色です。 写真が四種類ありますが、上の写真は石山寺の多宝塔の下に見られる岩石を撮ったもので、中上の写真は少し近づいて説明板を入れて撮ったものです。全体が珪灰石というわけではなく、結晶石灰岩(大理石)と珪灰石が見られます。もっと近づくと、中下の写真のように、繊維状の白い結晶が見える部分があり、これが珪灰石です。この写真の縦は約7cmです。下の写真は多宝塔につながる階段から下を撮ったものです。上と中上、下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の下の白丸や黒丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。