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長良川本流沿い露頭編 その150 大和町口神路の砂岩層と貫入岩 :郡上市大和町神路口神路の左岸河床露頭

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    国道156号を郡上市八幡町から大和町に向かって北進し、八幡町と大和町の境界の表示板を過ぎ、しばらくすると左側(南側)に「古今伝授の里郡上大和 TOWN MAP 」という大きな看板があります。その脇に車を止め、10m強東にある遮断機が設置されていない神路踏切を渡って、南へ進みます。正面を見ると、長良川沿いに岩石が露出しているのがわかります(上の写真)。西に用水用の橋があるので、そこを渡って石垣を下りて河原へ進みます。 ここの露頭は砂岩層が中心で、泥岩層も入っていますが、はっきりとした砂岩泥岩互層ではありません。砂岩層は淡灰色~暗灰色をしています。また、砂岩層に貫入岩が入った露頭も見られます。貫入岩は表面が酸化のため淡褐灰色をしていますが、割った面は淡灰色です。ほぼ2mの幅で貫入していて、砂岩層との境界面は西北西-東南東に軸をもち、南南西に50°ほど傾いています。この貫入岩は、1mm~5mm径のカリ長石が点在し、1mm~1cm径の石英が少ないですが入っていますので、石英斑岩だと思われます。 写真が五種類ありますが、上の写真は泥岩層が入っている砂岩層の露頭を北東からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央少し右を撮ったものです。真中の写真は、中上の写真の露頭から北東へ約10mのところにある露頭を南西よりパノラマで撮ったものです。砂岩層(灰色)に石英斑岩と思われる貫入岩(淡褐灰色)が入っています。中下の写真は、真中の写真の中央部を同じく南西から撮ったものです。下の写真は貫入岩を北西から近づいて撮ったもので、写真の縦は13cmです。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。              (地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)                                                 美濃地学 - 地学のおもしろさを、美濃から (minotigaku.com)

長良川本流沿い露頭編 その149 大和町場皿の砂岩泥岩互層 :郡上市大和町島場皿の右岸露頭

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    一昨年の11月9日「 長良川鉄道の車窓からみた岩石その16 」で紹介した 郡上市大和町場皿の砂岩泥岩互層の露頭を再度紹介します。 県道61号大和美並線を郡上市八幡町から大和町に向かって進み、八幡町と大和町の境界を過ぎたあたりの左手に「大和町場皿」の表示板があります。近くに車を止め、長良川の河原に下りると、左岸側河床に何ヶ所も岩石が露出しています。いずれも砂岩泥岩互層です。対岸(長良川左岸)を望むと、国道156号が通っていて、八幡町と大和町の境界の表示板があり、そこから北へ100m強の露頭が紹介する露頭です。    互層 砂岩泥岩 は、陸地から運ばれた砂や泥が元になっていますが、浅い海底に堆積した砂や泥がより深い海底へ流れ込むことによってできた岩石です。砂と泥が交互に堆積したようにみえるのは、砂と泥が混じったものがより深い海底へ流れ込む(混濁流と呼びます)と、水の中では粒子の粗い砂が下に、その上に粒子の細かい泥が堆積し、それが繰り返されたためです。このような砂や泥など混じったものが混濁流となって水中で堆積したものを、タービダイトと呼びます。ここの砂岩泥岩互層は、灰色~暗灰色をしていて、下方に砂岩、上方に泥岩という1回の堆積の厚さは数cm~15cmです。 写真が五種類ありますが、上の写真は砂岩泥岩互層の露頭を南西からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。真中の写真は、上の写真(または中上の写真)に写っているハンマー付近を近づいて撮ったものです。淡灰色が砂岩層で、やや暗灰色が泥岩層です。中下の写真は、同じ露頭の違う部分(上の写真のハンマーから北へ4mほどの位置)を南から撮ったものです。下の写真は、中下の写真に写っているハンマーの頭部の左下を近づいて南西から撮ったものです。小さな断層が何本も入り、白っぽい砂岩層や黒っぽい泥岩層がずれているのがわかります。スケールとして置いてあるハンマー、シャープペンシルの長さはそれぞれ約28cm、約14cmです。中上と真中、中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の黒丸または白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。           (地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)                  

長良川本流沿い露頭編 その148 八幡町・大和町境界付近の泥岩層(平行葉理がわかる泥岩層) :郡上市八幡町・大和町境界付近の右岸露頭

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    前回まで5回にわたって美並町深戸地区の露頭を紹介しましたが、今回からは元に戻って、長良川沿いの露頭を八幡町・大和町境界部から上流へ向かって紹介します。 県道61号大和美並線沿い(長良川右岸側)において、八幡町と大和町の境界付近では泥岩層が露出し、平行葉理が見られる露頭があります。県道61号を北進し、八幡町と大和町の境界を過ぎた左手に「大和町場皿」の表示板があります。近くに車を止め、表示板から下流方向に150m弱進んだところに、泥岩層中に平行葉理が見られる露頭があります。川へ下りてから下流方向へ進みます。 葉理は地層中で観察できる層の最小単位で、層の中にある構成粒子、粒径、色調の違いによってできる層状の配列を指します。層の断面を見た時に、一つの層の中に、肉眼で識別できる筋として表れたものです。その葉理がいくつも平行しているものを平行葉理と呼びます。葉理は構成粒子、粒径等の違いがあるため、葉理に沿って割れやすいことが多いです。ここの露頭では、葉理を形成する面(葉理面)は北西-南東に軸をもち、北東に30°~35°傾いています。 写真が五種類ありますが、上の写真は平行葉理が見られる泥岩層の露頭を南西からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央少し左を撮ったものです。真中の写真は、上の写真(または中上の写真)に写っているハンマー付近を近づいて撮ったものです。また中下の写真は、上の写真(中上の写真)のハンマーの左下少し離れたところを近づいて撮ったものです。真中、および中下の写真では、泥岩層の側方(左右)に平行に筋が入っているのがわかります。特に真中の写真では、葉理に沿って割れているのがわかります。下の写真は平行葉理がわかる部分を割って接写したもので、写真の縦は3 . 5cmです。左右に平行に葉理が発達しているのがわかると思います。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。中上と真中、中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の黒丸または白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。          (地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)                   美濃地学 - 地学のおもしろさを、美濃から (m

長良川本流沿い露頭編 その95e 美並町深戸の玄武岩質溶岩水冷破砕 :郡上市美並町三戸深戸左岸河床露頭(高速道の橋梁から東へ30mほどの河床)

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  前回 「長良川本流沿い露頭編その95d」で紹介した赤色層状チャートの露頭から西へ20mほどのところに、玄武岩質溶岩の水冷破砕の露頭が見られます。高速道の橋梁から東へ30mほどの位置です。玄武岩質溶岩が噴出した時に、そこが水中であったり、陸上であっても水と接触したりすると、急冷し、ばらばらに破砕することがあります。それが固結すると、角礫状の玄武岩が集まった岩石となります。玄武岩の中に角礫状の玄武岩が入っている岩石です。このように、マグマが急冷し破砕してできた岩片が主体となった岩石をハイアロクラスタイトと呼びます。ここの露頭でも、玄武岩の中に玄武岩が角礫となって入っているのがわかります。  地質図において、水冷破砕の玄武岩質溶岩が見られる露頭(×地点)は緑色( Mbs )の中にあって、緑色はおもに玄武岩質火山岩類からなる地層です。写真が五種類ありますが、上の写真はこの露頭を南東(川側)からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。真中の写真は上の写真(または中上の写真)に写っているハンマー付近を近づいて撮ったもので、暗青灰色~灰色をした大小の玄武岩の角礫が多く入っているのがわかります。中下の写真は、真中の写真のハンマーの左を北東上から撮ったものです。下の写真は、同じ露頭を北西から(川側に向かって)撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマー、定規の長さはそれぞれ約28cm、約17cmです。中上と中下、下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。         (地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)         美濃地学 - 地学のおもしろさを、美濃から (minotigaku.com)

長良川本流沿い露頭編 その95d 美並町深戸の赤色層状チャート :郡上市美並町三戸深戸左岸河床露頭

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    前回の 「長良川本流沿い露頭編その95c」で紹介したレンズ状のチャートを含む玄武岩の露頭から西へ20mほど進んだところに、赤色(えんじ色)の層状チャートの露頭があります。   チャート層は、深海底で珪酸質(ガラス質)の殻をもった小さな生物(放散虫など)の遺骸がゆっくりと堆積したものが元になっています。そのため、チャート層は堆積した当時の海水の状態を記録しているようです。チャートにはさまざまな色のものがあります。 赤色(えんじ色)、褐色、緑色、淡緑灰色、淡青灰色、暗青灰色、白色、灰色、黒色などです。チャートは基本的には SiO 2 でできていますが、含まれている微量成分によって色がつきます。赤色(えんじ色)は 酸化鉄( Fe 2 O 3 )による着色で、堆積当時の海水は酸素が豊富で酸化的環境であったことを示すと考えられています。ここの赤色チャート層は数cm~15cmの厚さで、間にうすえんじ色の泥岩層をはさんでいます。はさまっているえんじ色の泥岩層は薄いところと厚いところがあり、薄いところは数mmの厚さで、厚いところは数cm~7cmの厚さがあります。赤色層状チャートの露頭の東側は、玄武岩と赤色チャートが混じっている状況が見られます。 地質図において、この赤色層状チャートの露頭(×地点)は、緑色( Mbs )とオレンジ色( Mch )の境界付近にあります。緑色はおもに玄武岩質火山岩からなる地層で、オレンジ色はおもにチャートからなる地層です。写真が四種類ありますが、上の写真は赤色層状チャートを西からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。中下の写真は、上の写真(または中上の写真)に写っているハンマー付近を近づいて撮ったものです。赤色チャート層にはさまれている泥岩層が厚い部分を撮りました。下の写真は、上の写真のハンマーの右上の部分を北から撮ったものです。スケールを含む右側は赤色層状チャートですが、左側の緑っぽいものは玄武岩質火山岩類とチャートが混ざった部分だと考えます。スケールとして置いてあるハンマー、定規の長さはそれぞれ約28cm、約17cmです。中上の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下部にある白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。            (地質図は

長良川本流沿い露頭編 その95c 美並町深戸のレンズ状のチャートを含む玄武岩 :郡上市美並町三戸深戸左岸河床露頭(高速道橋梁より東へ100m弱の河床露頭)

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    前回「 長良川本流沿い露頭編その95b 」 で紹介したドロストーンを含むチャートの露頭から西へ80mほどのところに、レンズ状のチャートを含む玄武岩の露頭が見られます。場所は、高速道橋梁より東へ100m弱のところです。ここの玄武岩は、全体的には緑灰色をしていますが、風化している部分とそうでない部分があって、風化している部分では黄灰色~茶色っぽい色をしています。また、風化した部分にえんじ色をしたチャートがレンズ状で入っているのが確認できます。 地質図において、この露頭(×地点)は、広く分布する緑色( Mbs )と細長く分布するオレンジ色( Mch )の境界付近にあります。緑色はおもに玄武岩質火山岩類からなる地層で、オレンジ色はおもにチャートからなる地層です。写真が五種類ありますが、上の写真はこの露頭を南東からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。上の写真(または中上の写真)に写っているハンマー付近を近づいて撮ったものが、真中の写真です。全体的に茶色っぽい色をしていますが、玄武岩が風化したものだと思います。ハンマーの柄の部分に側方に延びている緑っぽい色のレンズ状のものは、風化をしていない玄武岩の部分だと思います。ハンマーの頭部の左上には、えんじ色をしたレンズ状チャート(幅7cm×長さ22cm)があります。中下の写真は、玄武岩の中に入っているレンズ状のチャート層(幅40cm×長さ195cm)の一部分を南東から撮ったものです。スケールが置いてある少し赤っぽいのがチャートです。層状でちぎれたチャートが全体でレンズ状をしています。下の写真は、同じ露頭を北東から撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマー、定規の長さはそれぞれ約28cm、約17cmです。中上と中下、下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。                                                              (地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)                                              美濃地学 - 地学のおもしろさを、美濃から (mino

長良川本流沿い露頭編 その95b 美並町深戸のドロストーンを含むチャート :郡上市美並町三戸深戸左岸の河床露頭(国道156号沿いの電光表示板の南)

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 ※ 2022年2月22日公開「長良川本流沿い露頭編 その95 美並町深戸の混在岩と層状チャート岩塊 :郡上市美並町三戸深戸左岸河床露頭」の続編です。     郡上市美並町深戸地区において、国道156号から河原へ下りる道が2ヶ所にあり、その西側の下り口から堤防沿い(国道156号沿いの歩道)を西へ170mほど進むと、河原へ下りる階段があります。そこを下りて南西へ進むと、国道にある電光表示板の南あたりにドロストーンを含むチャートの露頭が複数見られます。 ドロストーン(苦灰岩)は、ドロマイト(苦灰石:( CaMg(CO 3 ) 2 ))からなる岩石です。ドロマイトは、石灰岩を構成している CaCO 3 中のカルシウム( Ca )分が、海水中でマグネシウム( Mg )に置き換わったものと考えられています。ドロマイトに置き換わる前の石灰岩の形成は、浅い海でしか起こりません。深い海だと溶けてしまうため、形成されません。一方、一緒に存在するチャートは深い海で形成されたものです。このように石灰岩とチャートは形成される場所が異なるため、同時に存在しているように見える産状の形成過程は正確にはわかっていないようです。 ここの露頭では、暗青灰色~淡青灰色をしたチャートの中に、淡灰色(表面は淡褐灰色)をしたドロストーンが入っています。具体的には、チャートの層間にドロストーンが面的に入っていたり、ドロストーンが不定形で混じり込んだように入っていたりします。チャートは、層状がくずれている感じで、レンズ状になったチャート層が積み重なっているように見えます。 地質図において、ドロストーンを含むチャートの露頭(×地点)は、灰色( Mmx )の中にあり、灰色はメランジュからなる地層です。ですから、この露頭はメランジュの中の大きな岩塊だと考えられます。写真が五種類ありますが、上の写真はドロストーンを含むチャートの露頭を東からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。真中の写真は、上の写真(または中上の写真)のハンマー付近を近づいて撮ったものです。いずれの写真でも、淡褐灰色~褐灰色をしたものがドロストーンで、灰色~暗灰色をしたものがチャートです。中下の写真は、中上の写真の露頭から南へ8mほどにある露頭を東からパノラマで撮ったもので、下の写真は中下の写真の中央部を撮ったもの

長良川本流沿い露頭編 その95a 美並町深戸の珪質粘土岩(黒色珪質泥岩が多く入る) :郡上市美並町三戸深戸右岸河床露頭(国道156号沿いの電光表示板の南東の位置)

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  「長良川本流沿い露頭編」において、関市から郡上市八幡町まで長良川を遡りながら河原沿いの露頭を紹介してきました。美並町と八幡町の境界付近の美並町深戸地区において、5ヶ所の露頭を追加して紹介したいと思います。位置的にはいずれも「長良川本流沿い露頭編その95」と「その96」の間の露頭ですので、「長良川本流沿い露頭編その95a~95e」として紹介します。 美並町深戸地区(長良川鉄道「深戸駅」周辺)において、国道156号から河原へ下りる道が東と西にあります。その西側の道の入口から堤防沿い(国道156号沿いの歩道)を西へ170mほど進むと、河原へ下りる階段があります。国道沿いの電光表示板のすぐ東です。そこを下りて川の方向(南)へ進むと、河床に黒色珪質泥岩が多く入る珪質粘土岩と思われる露頭(南北7mほど、東西5mほど)があります。 珪質粘土岩は、粘土鉱物からなる岩石で、 チャート層に伴って存在し、中に黒色の珪質泥岩をはさむことを特徴としています。ここの露頭では、黒色の珪質泥岩の中に淡灰色(酸化のため褐色~淡褐灰色の部分が多い)の珪質粘土岩と思われる岩石が細長いレンズ状で入っています。「珪質粘土岩と思われる岩石」と表現したのは、肉眼で判断しているためです。以降は「珪質粘土岩」と表現します。珪質粘土岩の細長いレンズ状のものは、幅が5mm~10cmで、長さは10数cm~1mほどです。 地質図において、この珪質粘土岩の露頭(×地点)は、灰色( Mmx )のメランジュからなる地層の中にあります。メランジュの中の大きな岩塊だと考えられます。写真が四種類ありますが、上の写真は珪質粘土岩の露頭を西からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。真中の写真は、上の写真(または中上の写真)に写っているハンマー付近を近づいて撮ったものです。中下の写真は、真中の写真の左端中央少し上をもっと近づいて撮ったものです。下の写真は、同じ露頭を北から撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマー、定規の長さはそれぞれ約28cm、約17cmです。中上と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。     (地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)  

長良川本流沿い露頭編 その147 八幡町島の砂岩泥岩互層 :郡上市八幡町島の右岸露頭(郡上八幡自然園前の橋(中元橋)の上流100mほど)

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    国道156号を八幡町から大和町に向かって北進すると、八幡町瀬取小瀬子に小瀬子会館があり(右側)、そこから300m弱で左手にそら色の橋があります。そのそら色の橋(中元橋)を渡り右折すると、県道61号大和美並線に入ります。右折したところから50mほどで車を止め、近くに河原に下りる道がありますのでそこを下ります。郡上八幡自然園の東の河原です。上流側に砂岩泥岩互層の露頭があります。 砂岩泥岩互層は、チャートのように陸地から離れた深海底に堆積したものとは異なり、陸地から運ばれた砂や泥が元になっています。陸地から川で運ばれた砂や泥が海底に堆積しますが、より深い海底へ流れ込むことによって、粒子の粗い砂が下に、その上に粒子の細かい泥が堆積します。それが、繰り返されると砂と泥が交互に堆積するという砂泥互層ができます。1回の流れ込みによってできる下方に砂、上方に泥という堆積は、連続的な粒の大きさの変化です。しかし、その上にのってくる次の流れ込みは、同じように下方に砂、上方に泥という堆積ですので、1回目の流れ込みの泥の上に、急に粒の粗い砂がのります。そのため、地層が傾いていてもよく観察すると、地層の上下を判定することができるのです。ここの砂岩泥岩互層は、1つの層は数cm~10数cmの厚さで、灰色の砂岩層と暗灰色の泥岩層が縞模様のように交互に堆積しているのがわかります。 写真が五種類ありますが、上の写真は砂岩泥岩互層の露頭を南西からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。真中の写真は、上の写真(または中上の写真)に写っているハンマーの右上を近づいて撮ったものです。中下の写真は、砂岩泥岩互層がよくわかるところを近づいて南西から撮ったものです。淡灰色は砂岩層で、暗灰色は泥岩層です。真中の写真では、淡灰色の砂岩層は凸状で、暗灰色の泥岩層は凹状になっていて、砂岩層と泥岩層では浸食の度合いが違うのがわかります。中下の写真では、一枚の地層において上方に向かって砂→泥が堆積し、明確な境界をへて砂が堆積しているのがわかります。写真の縦は15cmです。下の写真は、中上の写真の露頭から南へ6mほど離れた砂岩泥岩互層の露頭を北東から撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。中上と真中、下の写真は同じような

長良川本流沿い露頭編 その146 八幡町小瀬子の砂岩層と貫入岩 :郡上市八幡町瀬取小瀬子の川の中の露頭(長良川鉄道「自然園前」駅の南方)

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    一昨年の11月5日「 長良川鉄道の車窓からみた岩石その15 」で紹介した 郡上市八幡町小瀬子の砂岩層と貫入岩の露頭を再度紹介します。 前回「 長良川本流沿い露頭編その145 」で紹介した石英斑岩の露頭の南にある砂岩層です。川の中の露頭ですが、本流はその露頭の南側を流れていますので、水位が低い時はほぼ左岸河床露頭です。 砂岩層が広く露出しており、マグマが入り込み冷え固まった貫入岩が見られる場所もあります。ここの砂岩層は青灰色で、主に中粒砂からなっています。貫入岩は表面では酸化のため淡褐灰色をしていますが、内部は淡緑灰色です。幅が13cm~18cmで、斑晶(鉱物の結晶)はほとんどわかりません。 地質図において、この露頭(×地点)は黄色( Mss )の中にあり、黄色はおもに砂岩からなる地層です。写真が四種類ありますが、上の写真は砂岩層の露頭を北(左岸堤防)から撮ったもので、中上の写真は同じ露頭を南東から撮ったものです。中上の写真において、ハンマーの上部に左右に長細く写っている淡褐灰色のものが貫入岩です。中下の写真は貫入岩の周辺を南から撮ったもので、下の写真は近づいて貫入岩を撮ったものです。なお、中下と下の写真は、 「 長良川鉄道の車窓からみた岩石その15 」でも使用しています。 スケールとして置いてあるハンマー、シャープペンシルの長さはそれぞれ約28cm、約14cmです。中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下部にある白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。                                        (地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)               美濃地学 - 地学のおもしろさを、美濃から (minotigaku.com)