長良川本流沿い露頭編 その149 大和町場皿の砂岩泥岩互層 :郡上市大和町島場皿の右岸露頭

   一昨年の11月9日「長良川鉄道の車窓からみた岩石その16」で紹介した郡上市大和町場皿の砂岩泥岩互層の露頭を再度紹介します。県道61号大和美並線を郡上市八幡町から大和町に向かって進み、八幡町と大和町の境界を過ぎたあたりの左手に「大和町場皿」の表示板があります。近くに車を止め、長良川の河原に下りると、左岸側河床に何ヶ所も岩石が露出しています。いずれも砂岩泥岩互層です。対岸(長良川左岸)を望むと、国道156号が通っていて、八幡町と大和町の境界の表示板があり、そこから北へ100m強の露頭が紹介する露頭です。
   互層砂岩泥岩は、陸地から運ばれた砂や泥が元になっていますが、浅い海底に堆積した砂や泥がより深い海底へ流れ込むことによってできた岩石です。砂と泥が交互に堆積したようにみえるのは、砂と泥が混じったものがより深い海底へ流れ込む(混濁流と呼びます)と、水の中では粒子の粗い砂が下に、その上に粒子の細かい泥が堆積し、それが繰り返されたためです。このような砂や泥など混じったものが混濁流となって水中で堆積したものを、タービダイトと呼びます。ここの砂岩泥岩互層は、灰色~暗灰色をしていて、下方に砂岩、上方に泥岩という1回の堆積の厚さは数cm~15cmです。
写真が五種類ありますが、上の写真は砂岩泥岩互層の露頭を南西からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。真中の写真は、上の写真(または中上の写真)に写っているハンマー付近を近づいて撮ったものです。淡灰色が砂岩層で、やや暗灰色が泥岩層です。中下の写真は、同じ露頭の違う部分(上の写真のハンマーから北へ4mほどの位置)を南から撮ったものです。下の写真は、中下の写真に写っているハンマーの頭部の左下を近づいて南西から撮ったものです。小さな断層が何本も入り、白っぽい砂岩層や黒っぽい泥岩層がずれているのがわかります。スケールとして置いてあるハンマー、シャープペンシルの長さはそれぞれ約28cm、約14cmです。中上と真中、中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の黒丸または白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。
          (地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)






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