県外編 その29 古座川の一枚岩(南紀熊野ジオパーク内のジオサイト) :和歌山県東牟婁郡古座川町相瀬(道の駅一枚岩モノリスの対岸)
古座川の一枚岩とは、古座川町の古座川左岸にある高さ100m、幅500m(南紀熊野ジオパークのHPによる)の一枚の巨岩です。国指定の天然記念物( 1941 年 (昭和16年)に指定 )です。一枚の岩盤としては佐渡島の大野亀(高さ約167m)や屋久島の千尋(せんぴろ)の滝の側壁(高さ約200m、幅約400m)などとともに日本最大級とされるようです。この一枚岩の岩質は、古座川弧状岩脈と呼ばれる流紋岩質凝灰岩で、均質かつ硬いため残っているようです。 岩脈は、地下のマグマが地表へ出ることなく途中で冷え固まった脈状の岩石で、貫入岩とも呼ばれます。そのため、普通はマグマが液体の状態で地下の割れ目に入り込み冷え固まり、花崗斑岩などの岩石になります。南紀熊野ジオパーク内の橋杭岩(県外編その25で紹介)はそれにあたります。しかし、古座川の一枚岩が一部分をなしている古座川弧状岩脈と呼ばれるものは、幅約500~800m、長さ約22kmの岩体が弓状に連なったものです。岩脈と言いながら、とてつもなく巨体なものです。古座川弧状岩脈は岩脈ですが、地下の割れ目に液体状のマグマが入り込んだものではなく、大規模なカルデラを形成する時に、カルデラの縁から噴出したマグマの通り道に形成された岩体のようです。そのため、岩体の形状は貫入岩(岩脈)ですが、岩質は凝灰岩で、地下のマグマ溜り内での発泡作用をともないながら、火砕流として噴出する直前に固結してしまった貫入岩だと考えられます。カルデラ内部に堆積した噴出物は多くの部分が浸食を受け、削剥されてしまいました。現在、過去のカルデラ火山の南縁の地下の部分が岩脈として残り、地表に露出しているのです。それが古座川弧状岩脈で、その一部が古座川の一枚岩です。 写真は五種類ありますが、上の写真は古座川の一枚岩をパノラマで撮ったものです。中上~下の四種類の写真は、上の写真を左から右へ順に部分的に撮ったものです。中上~下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の下の黒丸や白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。 美濃地学 - 地学のおもしろさを、美濃から (minotigaku.com)