露頭と立体視その10(足跡化石と立体写真)
足跡化石は、泥層などの表面を動物が移動するために足跡という凹みをつけ、そこに砂層や火山灰などが覆い保存されたものです。足跡は人間のものも含め、現在でも割合多く見られます。しかし、しばらくすると風や雨などで地面(表面)の粒子が移動し、足跡を消し去ってしまいます。足跡がついた直後に、洪水などで移動した砂によって足跡が覆われたり、火山灰などが飛来して覆われたりすると、足跡が地層の中に保存されるのです。恐竜の足跡やゾウ、サイ、シカなどの哺乳類の足跡が残されると、大きさや形、歩幅、力の加わり方、重なり方などによって、足跡をつけた動物の種類や体の大きさ、移動の仕方やスピード、単体または集団の移動かなどがわかるのです。
足跡化石も漣痕と同様、本来露頭で見られるものですが、本物が見られることはめったにありません。そのため、足跡化石が発見された場合、レプリカを作成し博物館の展示物として見られることがあります。特に、最近は各地で見つかる足跡化石が各地の博物館に展示されることがよくあります。
下の写真は、岐阜県博物館のロビーに展示してある恐竜の足跡化石で、岐阜県白川村で見つかった漣痕上に残された足跡化石です。凹みの部分が立体視によってよりわかると思います。写真は2種類ありますが、写真の下方にある●を、左の写真は左眼で、右の写真は右眼で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。
滋賀県立琵琶湖博物館には、古琵琶湖層群で見つかった哺乳類の足跡が多く展示してあります。立体視をすることによって、足跡の凹みの深さや立体的な形を実感することができます。
ミエゾウの足跡化石
サイの足跡化石
サイの足跡化石
ミエゾウの足跡化石
シカ科の足跡化石
鳥類の足跡化石
ワニ類の足跡化石
福井県立恐竜博物館にも、勝山産の恐竜(鳥脚類)の足跡化石が展示されています。
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