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津保川沿いの岩石 その17(関市上之保川合小樽:砂岩とチャート層)

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   旧上之保中学校の東を県道85号で津保川の上流に向かって進みます。赤鍋の集落を越え、さらに進むと上之保川合小樽(上川合)の集落があります。赤鍋から小樽の間には、津保川沿いにチャート層が見られます。小樽では、砂岩とチャート層が見られます。 旧上之保中学校の東側に架かっている赤い宮前橋から北進し、約2 . 6 km 進むと巡回バスの小樽のバス停が右側(北側)にあります。近くに車を止め、バス停の向かいあたりから階段を使って川へ下ります。川へ下りて下流に露出しているのが砂岩で、上流(西)へ40mほどの対岸に露出しているのがチャート層です。 写真は四種類ありますが、上の写真は左岸河床に露出している砂岩を西から撮ったもので、中上の写真は砂岩を接写したものです。写真の縦は4 cm です。中下の写真は右岸に露出しているチャート層を北から撮ったもので、下の写真は近づいてチャート層を同じく北から撮ったものです。上と中下の写真は、同じような写真が2枚並んでいますが、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、写真の下の白丸または黒丸を重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

津保川沿いの岩石 その16(関市上之保川合赤鍋:チャート層中の石英斑岩)

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    津保川沿いには長良川沿いと同様、 美濃帯堆積岩類を貫くように、花崗斑岩などの貫入岩を所々で見ることができます。美濃帯堆積岩類が陸地に付加した後に、長良川本流や津保川の東側に広く分布する濃飛流紋岩や、西側に分布する奥美濃酸性岩類に関連したマグマの一部が貫入し、冷え固まった岩石と考えられます。 花崗斑岩の中で、石英の自形結晶(斑晶)が大きく目立つものを石英斑岩と呼びますが、上之保川合赤鍋(川合中)ではチャート層に石英斑岩が貫入しています。 関市上之保事務所、上之保生涯学習センターから県道63号を北進し、県道85号との分岐点で85号へ進み、300mほどで旧上之保中学校の東側に架かっている赤い橋(宮前橋)が左側にあります。そこからさらに1 . 3kmほど津保川の上流に向かって進むと、ゴミステーションや津保川に架かる橋、巡回バスのフリー乗降場がありますので、近くに車を止めます。ゴミステーションの脇から川原へ下りることができます。津保川の左岸を東(上流)に進むと、河床にチャート層や石英斑岩が露出しています。 写真が四種類ありますが、上の写真は石英斑岩を南西から撮ったもので、中上の写真は石英斑岩を接写したものです。写真の縦は3 . 5cmです。中下の写真はチャート層と石英斑岩の接触部に近づいて南から撮ったものです。左側の灰色をしたものがチャートで、右側の褐色をしたものが石英斑岩です。下の写真は接触部から西へ3mほどのところを南西から撮ったもので、チャート層です。上と中下、下の写真は同じような写真が並んでいますが、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、下の白丸を重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

津保川沿いの岩石 その15(関市上之保川合正洞:砂岩泥岩互層)

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    砂岩泥岩互層は、砂と泥の混じったものが海底の斜面で移動し流れ込む際、粒子が粗い砂の上に粒子の細かい泥が堆積し、何回も繰り返すことによって砂と泥が縞状になった堆積物が固結した岩石です。その砂岩泥岩互層が、旧上之保中学校東にある宮前橋下付近に分布しています。砂岩泥岩互層が露出している河床へはすぐ下りることができ、旧上之保中学校の近くの橋の下なのでわかりやすい場所にあります。 県道58号関金山線を北進し、関市武儀事務所手前から県道63号に進み、富之保を越え、上之保に入ります。関市上之保事務所、上之保生涯学習センターをさらに北進し、県道85号との分岐点で85号へ進み、300mほどすると、旧上之保中学校が左側に見え、赤い橋が左手にあります。その橋が宮前橋です。宮前橋の北西側から川へ下りることができます。橋の北側(上流側)30mほどのところに砂岩泥岩互層が露出しています。 写真が四種類ありますが、上の写真は宮前橋から北側を撮ったものです。中上の写真は砂岩泥岩互層を北から撮ったもので、中下の写真は近づいて接写したものです。写真の縦は9cmです。下の写真は砂岩の厚い部分を同様に北から撮ったものです。いずれも白っぽい灰色の岩石が砂岩で、黒っぽい灰色の岩石が泥岩です。中上と下の写真は同じような写真が並んでいますが、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、下の白丸を重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

津保川沿いの岩石 その14(関市上之保和田野:和田野礫岩)

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  関市上之保和田野の和田野橋周辺には、和田野礫岩と呼ばれる礫岩が露出しています。この礫岩は、美濃帯堆積岩類を構成する岩石のみからなり、砂岩の中に砂岩・泥岩・チャート・石灰岩・玄武岩質火山岩類の礫を多く含む岩石です。和田野礫岩は、含まれる礫の形が亜円礫~角礫をなし、礫の大きさが不揃いです。この礫岩は、美濃帯堆積岩類が陸地に付加する際に、すでに付加していた部分が崩落し、それが礫岩層を形成したと考えられていて、礫径や礫種についての側方への連続性が悪いことを特徴としています。 関市武儀事務所から県道63号を津保川の上流に向かって進み、関市富之保を越え、上之保に入り、温泉施設(ほほえみの湯)の分岐点をさらに北進します。分岐点から約1 . 7 km のところを右折すると和田野橋があります。上之保小学校の南側にあたります。近くに車を止め、橋の南西側(橋を東から西へ渡ってすぐの左手)から川原の左岸へ下りることができます。橋の上流側の両岸に岩石が広く露出しています。 写真が四種類ありますが、上の写真は和田野橋の上から上流側を撮ったものです。中上の写真は左岸に下りて、橋から上流に向かって5mほど進んだところの礫岩を北西から撮ったもので、中下の写真は礫岩を接写したものです。写真の縦は4 . 5 cm です。下の写真は、中上の写真の場所からさらに7mほど上流に向かって進んだところの礫岩を南から撮ったものです。上と中上、下の写真は、同じような写真が並んでいますが、それぞれの写真の下にある黒丸、または白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

津保川沿いの岩石 その12(関市上之保山本:石灰岩)

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  美濃帯堆積岩類には石灰岩が含まれます。石灰岩はサンゴ礁での生物の遺骸が堆積したものなので、石灰質の殻をもった生き物(フズリナ、サンゴ等)が化石として含まれることが多いです。2億年以上も前に暖かい海で発達したサンゴ礁が、海底(海洋プレート)が少しずつ動くために移動し、それが陸地に付加したものを見ているのです。「津保川沿いの岩石その13」で紹介する和田野礫岩と呼ばれる礫岩には大小の礫が含まれ、場所によっては玄武岩・石灰岩・チャートの大規模な岩体を伴います。ここ(上之保山本)で見られる石灰岩も和田野礫岩の一部で、大規模な岩体だと思われます。 関市武儀事務所から県道63号を津保川の上流に向かって進み、関市富之保を越え、上之保の温泉施設(ほほえみの湯)の分岐点をさらに北進します。分岐点から1 . 1 km ほどの右側に赤い橋を渡る道がありますので、そこを右折します。赤い橋が山本橋です。近くに車を止め、橋の手前(南西側)から川原へ下ります。橋の西側(下流側)30mほどから150mほどの間の河床に2m以下の径をもつ石灰岩が点在しています。 写真は四種類ありますが、上の写真は山本橋の上から西を向いて撮ったもので、中上の写真は橋から西へ150m弱のところに露出している石灰岩を西から撮ったものです。また、中下の写真は同じ石灰岩を少し離れて西から(橋に向かって)撮ったもので、川から露出した石灰岩が点在しています。下の写真は中上の石灰岩を接写したもので、写真の縦は2cmです。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある左の白丸と右の白丸を重なり合わせるように見ると立体的に見えます。

津保川沿いの岩石 その13(関市上之保向名倉:和田野礫岩)

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  津保川沿いでは、上之保宮脇の宮ヶ瀬~和田野~大之田にかけて和田野礫岩と呼ばれる礫岩が露出しています(富之保の一部でも露出しています)。この礫岩は、砂岩の中に砂岩・泥岩・チャート・石灰岩・玄武岩質火山岩類の礫を含む岩石からなりますが、ここ(上の写真の場所)では5mm~数cm径の角礫~亜角礫が多く、数cm以上の径をもつ礫はチャートばかりです。 武儀事務所から県道63号を津保川の上流に向かって進み、関市富之保を越え、上之保の温泉施設(ほほえみの湯)の分岐点で東へ右折し、名倉橋を渡ってすぐ左折します。300mほど北進し、近くに車を止めます。集落の一番北の家の前(西側)の空き地を横切り、川へ下りますと、礫岩が露出しています。温泉施設の西側の下にあたるところです。 写真が四種類ありますが、上の写真は対岸の道路(県道63号)から東側を撮ったもので、〇で囲ったものが写真を撮った礫岩です。中上の写真はその礫岩を南東から撮影したもので、中下の写真は礫岩を接写したものです。写真の縦は4 . 5 cm です。下の写真は中上の写真の礫岩上から南西を撮ったものです。中上と下の写真は、同じような写真が並んでいますが、それぞれの写真の下にある白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

津保川沿いの岩石 その11(関市上之保向名倉:玄武岩質溶岩)

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  津保川沿いでは、上之保宮脇の宮ヶ瀬~和田野~大之田にかけて和田野礫岩と呼ばれる礫岩が露出しています(富之保の一部でも露出しています)。この礫岩は、砂岩の中に美濃帯堆積岩類を構成する岩石である砂岩・泥岩・チャート・石灰岩・玄武岩質火山岩類の礫を含む岩石からなります。また、場所によっては、玄武岩・石灰岩・チャートの大規模な岩体を伴っています。上之保向名倉には玄武岩の岩体が分布し、玄武岩質の溶岩や角礫状の玄武岩が集まった岩石が見られます。 武儀事務所から県道63号を津保川の上流に向かって進み、関市富之保を越え、上之保の温泉施設(ほほえみの湯)の分岐点で東へ右折します。津保川を渡る名倉橋がありますので、渡ってすぐを左折します。左折後、温泉施設には右折する道がありますが、そのまま150mほど北進します。近くに車を止め、畑の南を通って川へ下りることができます。川へ下りたら玄武岩が露出しています。 写真が四種類ありますが、上の写真は玄武岩を南から撮ったもので、中上の写真は玄武岩溶岩の部分を接写したものです。写真の縦は6cmです。中下の写真は角礫状の玄武岩が集まっているところを西から撮ったもので、下の写真は角礫状の玄武岩を接写したものです。写真の縦は8 cm です。上と中下の写真は、同じような写真が2枚並んでいますが、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、写真の下の●を重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

津保川沿いの岩石 その10(関市上之保名倉の対岸:砂岩)

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「津保川沿いの岩石その9」で紹介したように、関市富之保には砂岩が広く分布し、平地が広がっています。富之保の北の上之保名倉にも、砂岩が分布しています。名倉に架かっている丸山橋の下に露出している砂岩は、表面が見やすいので紹介します。 関市武儀事務所から県道63号を津保川の上流に向かって進み、関市富之保を越え、上之保の境界の表示板(左側)から500mほど進んだところで左側に道があります。左折し、少しで橋を渡りますが、その橋が丸山橋です。近くに車を止め、丸山橋を東へ渡り、渡ってすぐの右側から川に下ります。川へ下りて、丸山橋から40mほど下流(南)に南北に10mほど、東西に7mほどの砂岩が露出しています。石と水流によって削られたと思われるなめらかな(甌穴の一部のような)砂岩の表面を南から見ることができます。泥岩の細礫が堆積面に並んだり、堆積面と思われるところが凹んでいたりして、砂粒の堆積面がわかりやすくなっています。 写真が四種類ありますが、上の写真は砂岩を南から撮ったもので、中上の写真は近づいて撮ったものです。表面がなめらかで見やすい砂岩です。中下の写真はその砂岩を接写したもので、写真の縦は約7 . 5 cm です。泥岩の細礫が点在していますが、並んでいるのがわかると思います。下の写真は、上の写真を撮った場所で振り返って、南を向いて(北から)撮ったものです。上と中上、下の写真は、同じような写真が2枚並んでいますが、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、写真の下の●を重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

津保川沿いの岩石 その10(関市上之保名倉の対岸:砂岩)

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  「津保川沿いの岩石その9」で書いたように、関市富之保には砂岩が広く分布し、平地が広がっています。富之保の北の上之保名倉にも、砂岩が分布しています。名倉に架かっている丸山橋の下に露出している砂岩は、表面が見やすいので紹介します。 関市武儀事務所から県道63号を津保川の上流に向かって進み、関市富之保を越え、上之保の表示板(左側)から500mほど進んだところで左側に道があります。左折し、少しで橋を渡りますが、その橋が丸山橋です。近くに車を止め、丸山橋を東へ渡り、渡ってすぐの右側から川に下りることができます。川へ下りて、丸山橋から 40m ほど下流(南)に南北に10mほど、東西に7mほどの砂岩が露出しています。石と水流によって削られたと思われるなめらかな(甌穴の一部のような)表面を南から見ることができます。泥岩の細礫が堆積面に並んだり、堆積面と思われるところが凹んでいたりして、砂粒の堆積面がわかりやすくなっています。 写真が四種類ありますが、上の写真は砂岩を南から撮ったもので、中上の写真は近づいて撮ったものです。表面が見やすい砂岩です。中下の写真は砂岩を接写したもので、写真の縦は約7 . 5 cm です。泥岩の細礫が点在していますが、並んでいるのがわかると思います。下の写真は、上の写真を撮った場所で振り返って、南を向いて(北から)撮ったものです。上と中上、下の写真は、同じような写真が2枚並んでいますが、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、写真の下の●を重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

津保川沿いの岩石 その9(関市富之保山崎:砂岩)

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  関市武儀事務所から北に向かって津保川沿いに県道63号線を走ると、富之保の粟野に入ったところで割合広い平地が広がります。富之保に幅が広い平地が広がっているのは、削られやすい砂岩が南北に(川の流れの方向に)広く分布していることと、津保川とその支流である武儀倉川、水成川が合流し流量が増えている場所であることに関わっていると思われます。 砂岩などが南北に広く分布しているのは、関市富之保辺りに中之保背斜という軸がほぼ東西方向にあり、緩やかな傾斜で凸型の構造をしているためです。そのため下の図のように、富之保には削られやすい砂岩が広く分布しています。そこを津保川、武儀倉川、水成川などの水の流れが岩石を削って平地を作り出しているのです。 県道58号関金山線を北進し、関市武儀事務所の前で左折し、県道63号を約1 . 8km進んだところに新粟野橋がありますが、そのまま直進します。左側に大きな建物(武儀生涯学習センター)がありますが、そこを越えて、250mほど先を左折(県道325号)します。100mほどのところにある橋が武儀山崎橋ですが、そこを渡って右折(北進)し近くに車を止めます。橋を渡って右折し20mほどのところに川原へ下りるコンクリートの階段がありますので、そこを下ります。すると、砂岩が点在しています。 図が一枚、写真が四種類ありますが、図は富之保の地下断面を模式的に表したものです。上の写真は武儀山崎橋から北東を望んだもので、〇印で囲んだところを近づいて南西から撮ったものが中上の写真です。中下の写真は砂岩を接写したもので、写真の縦は4 . 5 cm です。下の写真は、中上の写真の場所から北東へ50m弱進んだところに露出している砂岩泥岩互層を南西から撮ったものです。中上と下の写真は、同じような写真が2枚並んでいますが、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、写真の下の●を重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

津保川沿いの岩石 その8(関市富之保岩:玄武岩質溶岩)

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  岐阜県美濃地方に広がる美濃帯堆積岩類には、海底にたまった堆積岩だけでなく、火山噴出による溶岩などもあります。断片的な分布ですが、富之保岩の津保川沿いにマグマが冷え固まった玄武岩質溶岩が見られます。黒っぽい鉱物が多く含まれるため、冷え固まった玄武岩は一般的には黒っぽい岩石です。しかし、約2億9千万年~約1億4千万年前という大昔にできたものあるため、中に入っている鉱物が変質してしまい、緑色の鉱物に代わります。そのため、「緑色岩」とも呼ばれます。 県道58号関金山線を北進し、関市武儀事務所の前で左折し、県道63号を通りしばらく進みます。左折したところから、約1 . 8km進んだところに新粟野橋がありますが、そこで左側を眺めると、田んぼの中に墓地があるのが見えます。その墓地の西側の川原に玄武岩が点在しています。 写真が三種類ありますが、上の写真は露出している玄武岩を南から撮ったもので、真中の写真は近づいて玄武岩を接写したものです。写真の縦は5 cm です。下の写真は上の写真で奥に露出している玄武岩から南西を向いて撮ったものです。上と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある左と右の白丸、または黒丸を重なり合わせるように見ると立体的に見えます。

津保川沿いの岩石 その7(関市中之保若栗:チャート層)

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  県道58号線を北進し、関市武儀事務所まで進みます。県道58号は北東へ進みますが、津保川は北から流れてきます。津保川沿い(右岸)を通るのは県道63号になりますが、急に山がせまってくる感覚なります。一方、県道58号をそのまま北進すると橋(若栗橋)を渡った後、左側には農協と中濃消防組合武儀出張所、右側には福祉センターがあり、道路の周辺は開けた感じで、東へ進みます。この景観の違いは、分布する岩石の違いによるものです。津保川沿いの県道63号沿いにはしばらくチャート層が分布し、県道58号沿いは砂岩が分布しているためです。 チャートは、ガラス質の殻をもった放散虫などの微生物からなっていて、硬い岩石です。そのため、チャート層と砂岩層が隣接して分布していると、チャート層は侵食されにくく、地形は険しくなり、一方砂岩層は侵食されやすく、地形はなだらかになるという違いが出てくる場合があります。 ここ(関市中之保若栗の津保川沿い)で見られるチャート層は、幅数cm~10cmほどの青灰色をしたチャートに、数mm~1cmほどの灰色の泥岩がはさまっています。上下の褶曲していない層の間にはさまれた地層にだけ褶曲が見られる層内褶曲と思われる部分も見られます(真中の写真)。 前述のように県道58号の若栗橋を渡った後、左側を見ると農協と消防署がありますが、その間の道を歩いて消防署から西へ120m進むと、左側(南側)に道があります。そこを左折して、津保川の方向へ進みます。川原へ下りることができますので、下りてから左岸を上流に進むと、河床にチャート層が露出しています。 写真は三種類ありますが、上の写真はチャート層を東から撮ったもので、真中の写真は上の写真の一部を近づいて撮ったものです。写真の中央近くのチャート層が曲がっている(褶曲している)のがわかります。下の写真は同じチャート層を南から撮ったものです。三枚とも同じような写真が2枚並んでいますが、それぞれの写真を左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、下の白丸を重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

津保川沿いの岩石 その6(関市下之保大門清兵衛淵:チャート層)

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  清兵衛淵は、下之保大門で見られる淵です。周辺の津保川と比べると、この場所だけが急に深く掘り込まれています。清兵衛淵の東側には高い山がそびえており、それが東の方へつながり524mの権現山に続いています。それらの山はチャートでできており、周囲と比べて高くなっています。 大門を南から北へ津保川沿いに進むと、大型スーパーの近くは砂岩や泥岩が分布し、清兵衛淵の辺りにはチャートが分布します。そして、清兵衛淵の北には砂岩が分布します。チャートは砂岩と比べると削られにくいですが、いったん削られるとどんどん深く穴をあけ、硬いためその深い穴が保存されるという特徴をもちます。 県道58号関金山線を北進し、平成の道の駅まで行きます。道の駅の先1 . 2kmほどの左側(西側)にホームセンターがありますが、その道路の向かいが清兵衛淵です。手作りの表示板があります。川原へ下りて(右岸側)、露出しているのがチャート層です。 写真は三種類ありますが、上の写真はチャート層を北から撮ったもので、真中の写真は上の写真の一部を近づいて撮ったものです。下の写真は南へ70mほど進んだところ(右岸)に露出している泥岩を東から撮ったものです。三枚とも同じような写真が2枚並んでいますが、それぞれの写真を左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、下の●を重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

津保川沿いの岩石 その5(関市下之保町:石灰岩チャート互層、泥岩)

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   8月12日の 「 長良川沿いの石灰岩その3」、11月26日の 「 板取川沿いの岩石その8 」で紹介した 石灰岩チャート互層が津保川沿いにも露出しています。以前も述べましたが、基本的には石灰岩とチャートでは堆積する水深が異なるなど形成条件が違うため、石灰岩チャート互層の形成過程は正確にはわかっていないようです。 県道58号関金山線を北進し、武儀西小学校(令和2年度末閉校)まで進みます。さらに400mほど進むと、右側に橋があります。左側にある南宮神社の手前(西側)50mほどのところの橋です。橋を南に渡ると、右側(西側)から歩いて川原へ下りることができます。板取川の左岸沿いに上流(東)へ橋をくぐって10mほど進むと、石灰岩チャート互層が露出しています。 写真が三種類ありますが、上の写真は石灰岩チャート互層を東から撮ったもので、真中の写真は上の写真の一部を近づいて撮ったものです。真中の写真において、白っぽい色でへこんで見えるところが石灰岩で、灰色っぽい色で出っ張ってみえるところがチャートです。下の写真は、西へ20mほど進んだ河床に広がっている泥岩を西から撮ったものです。三枚とも同じような写真が2枚並んでいますが、それぞれの写真を左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、下の白丸を重ね合わせるようにすると立体的に見えます。