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長良川鉄道沿いの地形・地質編 その36 自然園前駅~山田駅間の砂岩層 :自然園前駅~山田駅間、自然園前駅出発後約2分10秒後、左車窓より

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  昨年の6月29日「 長良川本流沿い露頭編その150 」で紹介した 郡上市大和町口神路の砂岩層の露頭が長良川鉄道の車窓から少しですが見えますので、再度紹介します。前回「長良川鉄道沿いの地形・地質編その35」で紹介した露頭を通り過ぎたところで、左車窓から前方を望むと長良川左岸の河床にやや黒っぽい岩石が露出しています。一度見えなくなりますが、その露頭の北へ近づいたときにもう一度見えます。自然園前駅を出てから2分10秒ほどたったところです。ただし、少し離れていいますので、なかなかはっきりとは見えません。ここの露頭は砂岩層が中心で、泥岩層も入っていますが、明確な砂岩泥岩互層の部分はわかりませんでした。砂岩層は淡灰色~暗灰色をしています。また、列車からは見えない露頭ですが、砂岩層に貫入岩(石英斑岩)が入った露頭もあります。 写真が五種類ありますが、上の写真は長良川鉄道下りにおいて、自然園前駅を出て2分10秒ほどたったところで左車窓から露頭を撮ったものです。中上の写真は、泥岩層がはさまっている砂岩層の露頭に近づいて、北東からパノラマで撮りました。真中の写真は中上の写真の中央少し右を撮ったもので、中下の写真は中上の写真(または真中の写真)に写っているハンマー付近をより近づいて撮ったものです。下の写真は、真中の写真の露頭から北東へ約10mのところにある露頭を南西よりパノラマで撮ったものです。砂岩層(灰色)に石英斑岩と思われる貫入岩(淡褐灰色)が入っています。なお、中上と真中、下の写真は、「長良川本流沿い露頭編その150」でも使用しています。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。真中の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下部の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供) 美濃地学 - 地学のおもしろさを、美濃から (minotigaku.com)

長良川鉄道沿いの地形・地質編 その35 自然園前駅~山田駅間(八幡町大和町境界の100mほど北)対岸の砂岩泥岩互層 :自然園前駅~山田駅間、自然園前駅出発後約1分30秒後、左車窓より対岸を望む

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  3年前の11月9日「 長良川鉄道の車窓からみた岩石その16 」、昨年の6月28日「 長良川本流沿い露頭編その149 」で紹介した 郡上市大和町場皿の砂岩泥岩互層の露頭が長良川鉄道の車窓から見えますので、再度紹介します。長良川鉄道下りにおいて、自然園前駅を出て1分30秒ほどたったところで、列車の左車窓から長良川の対岸に岩石が連続的に露出しているのが見えます。砂岩層、砂岩泥岩互層です。長良川鉄道のすぐ東には国道156号が並行して通っていますが、国道沿いに 八幡町と大和町の境界の表示板があります。その表示板から北(上流方向)へ100m強進んだところにある露頭が紹介する露頭で、砂岩泥岩互層です。 砂岩泥岩互層は、陸地から海洋へ運ばれた砂や泥がもとになっていますが、浅い海底に堆積した砂や泥がより深い海底へ流れ込み堆積したものが固結した岩石です。砂と泥が交互に堆積したように見えるのは、砂と泥など混じったものがより深い海底へ流れ込む(混濁流と呼びます)と、水の中では粒子の粗い砂が下に、その上に粒子の細かい泥が堆積し、それが繰り返されたためです。このような砂と泥など混じったものが混濁流となって水中で堆積したものを、タービダイトと呼びます。ここの砂岩泥岩互層は、灰色~暗灰色をしていて、下方に砂岩、上方に泥岩という1回の堆積物の厚さは数cm~15cmほどです。 写真が五種類ありますが、上の写真は列車の左車窓から撮ったもので、赤丸で囲った露頭が紹介している砂岩泥岩互層です。中上の写真は上の写真の赤丸で囲った露頭を近づいて南西からパノラマで撮ったもので、真中の写真は中上の写真の中央部を撮ったものです。中下の写真は、中上の写真(または真中の写真)に写っているハンマー付近をより近づいて撮ったものです。淡灰色が砂岩層で、やや暗灰色が泥岩層です。下の写真は、中下の写真の下方右を撮ったものです。なお、中上と真中、中下の写真は、「長良川本流沿い露頭編その149」でも使用しています。スケールとして置いてあるハンマー、シャープペンシルの長さはそれぞれ約28cm、約14cmです。真中と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の黒丸または白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館

長良川鉄道沿いの地形・地質編 その34 郡上八幡駅~自然園前駅間対岸の砂岩層、泥岩層 :郡上八幡駅~自然園前駅間、郡上八幡駅出発後約3分35秒後、左車窓より対岸を望む

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  前回「長良川鉄道沿いの地形・地質編その33」で紹介した露頭周辺から高速道路の橋脚があるところまで、長良川両岸にはほぼ連続的に岩石が露出しています。おもに砂岩層です。郡上八幡駅を出て3分30秒ほどたったところで、長良川が左(西)に大きく曲がります。そのとき、長良川対岸(右岸)に見える露頭が上の写真に写っています。写真の左上に建物(家具製造所)が見えますが、その建物の北側には広く砂岩層が露出しています。建物の中央付近の北側には、レンズ状の砂岩が入った泥岩層が砂岩層にはさまった状態で見られます。この露頭は、昨年の6月9日「長良川本流沿い露頭編その143」で紹介していますが、再度紹介します。 砂岩層は、全体的に青灰色~灰色をしたおもに中粒砂からなっています。はさまれている泥岩層は全体的に暗灰色で、厚さが23cm~45cmです。幅が数cm~10cm、長さが10数cm~数10cmのレンズ状をした砂岩が多く含まれます。 地質図において、この露頭(×地点)は黄色( Mss )中にあり、黄色はおもに砂岩からなる地層です。写真が五種類ありますが、上の写真は長良川鉄道下りで郡上八幡駅を出発して約3分35秒後に、列車の左車窓より撮ったものです。中上の写真は、上の写真の真中の少し上に写っている露頭(泥岩層がはさまった砂岩層)を近づいて南からパノラマで撮ったものです。真中の写真は、中上の写真の中央部を撮ったものです。ハンマーの柄の部分から下に泥岩層がはさまっています。他は砂岩層です。中下の写真は、中上の写真(または真中の写真)のハンマーの左をより近づいて撮ったものです。上半分は砂岩層で、下半分はレンズ状の砂岩層をはさんだ泥岩層です。下の写真は、真中の写真の露頭を東から(右から)撮ったもので、スケール(黄色の定規)の右に泥岩層が縦に写っています。なお、上の写真以外の写真は「長良川本流沿い露頭編その143」でも使用しています。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約22cmです。真中と中下、下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供) 美濃地学 - 地学のおもしろさを、美濃から (minot

長良川鉄道沿いの地形・地質編 その33 郡上八幡駅~自然園前駅間対岸の砂岩層 :郡上八幡駅~自然園前駅間、郡上八幡駅から出発して約3分20秒後、左車窓より対岸を望む

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  3年前の8月26日「長良川沿いの砂岩、泥岩その1」、11月1日「長良川鉄道の車窓からみた岩石その14」、昨年の6月8日「長良川本流沿い露頭編その142」で紹介した郡上市八幡町有坂坪佐の砂岩層の露頭は長良川鉄道の左車窓から見えますので、再度紹介します。郡上八幡駅を出て3分ほどたったところで左車窓に長良川が見えはじめ、長良川沿いには岩石が連続的に露出しています。郡上八幡駅から出発して約3分20秒後に上の写真のような景色が現れます。露出している岩石はおもに砂岩です。 美濃帯堆積岩類中の砂岩層などは、陸側から海洋へ運び込まれて堆積した砂などがもとになっています。それが、玄武岩質溶岩(玄武岩質火山岩類)、石灰岩、チャート、珪質泥岩などの海洋で噴出したり堆積したりしたものと一緒に大陸の縁(現在の日本列島)に付加し、混じり合ったものを現在見ているのです。 地質図において、この露頭(×地点)および周辺には黄色( Mss )が広く分布していて、黄色はおもに砂岩からなる地層です。写真が五種類ありますが、上の写真は列車の左車窓から撮ったもので、郡上八幡駅を出て3分20秒ほどたったところです。中上の写真は、上の写真の赤丸で囲ってある露頭(砂岩層)に近づいて、北からパノラマで撮ったものです。真中の写真は、中上の写真の中央部を撮ったものです。中下の写真は、中上の写真(または真中の写真)に写っているハンマー付近をより近づいて撮ったものです。下の写真は砂岩層を接写したもので、写真の縦は3 . 5cmです。なお、中上の写真は「長良川本流沿い露頭編その142」でも使用しています。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。真中の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下部にある白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供) 美濃地学 - 地学のおもしろさを、美濃から (minotigaku.com)

長良川鉄道沿いの地形・地質編 その32 郡上八幡駅~自然園前駅間対岸遠方に見える層状チャート :郡上八幡駅~自然園前駅間、郡上八幡駅から出発して約1分後(国道156号郡上大橋の隣の鉄橋上から)、左車窓より後方を望む

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  郡上八幡駅を出発して1分ほどたったところで、国道156号沿いの青色の橋(郡上大橋)の隣を通過します。そのときに長良川を左車窓から眺めることができます。左車窓から後方を望むと、長良川の対岸遠方に、昨年の5月28日「長良川本流沿い露頭編その135」で紹介した層状チャートの露頭が見えますので、再度紹介します。ここのチャートは層状チャートですが、層厚は一定でなくやや波をうっている状態です。暗青灰色~淡青灰色をした数cm~10cm厚のチャート層に、灰色をした数mm~1cm厚の泥岩層がはさまっています。ただし、はさまっている泥岩層は酸化のため褐灰色の部分が多いです。また、砂や礫で埋まって深さはわかりませんが、直径が3 . 1mほどの甌穴が見られます。甌穴は、上流から運ばれてきた岩石が岩盤の表面にある割れ目などに引っかかり、強い水の流れの中でその岩石が回転し、ドリルのように岩盤に穴をあけたものです。甌穴は、チャートのように河床の岩盤が硬く、激しい水の流れがあるところにできやすいです。 地質図において、このチャートの露頭(×地点)は、レンズ状に分布するオレンジ色( Mch )の中にあります。オレンジ色はおもにチャートからなる地層で、その周りに広く分布する黄色( Mss )はおもに砂岩からなる地層です。写真が五種類ありますが、上の写真は長良川鉄道の列車の左車窓からやや後方を望んで撮ったものです。撮ったのは郡上八幡駅を出てから約1分後で、列車はちょうど支流の吉田川に架かる短い鉄橋を通過している時です。その鉄橋の右には国道156号の郡上大橋が架かっています。地質図には写真を撮った方向を矢印で示しました。中上の写真は上の写真の赤丸で囲った露頭(層状チャート)を近づいて西からパノラマで撮ったもので、真中の写真は中上の写真の中央部を撮ったものです。真中の写真の右下角に写っているのは甌穴です。中下の写真は、層状チャートがわかりやすい部分を北東から撮ったものです。下の写真は甌穴を西から撮ったもので、スケールは写っていませんが甌穴の直径は約3 . 1mです。なお、上の写真以外の写真は、「長良川本流沿い露頭編その135」でも使用しています。スケールとして置いてある折れ尺、黄色の定規の長さは、それぞれ1m、約22cmです。真中と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の●を、

長良川鉄道沿いの地形・地質編 その31 相生駅~郡上八幡駅間対岸の砂岩層(観光ホテルの下) :相生駅~郡上八幡駅間、相生駅から出発して約1分後、右車窓より対岸を望む

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  前回「長良川鉄道沿いの地形・地質編その30」で紹介したように、長良川鉄道下りにおいて、相生駅を出て約40秒後から約1分後にかけて、長良川沿いを通ります。その間は、右車窓から長良川の左岸に露出している岩石を見ることができます。ここに分布している岩石は、混在岩と砂岩層(砂岩泥岩互層も含む)です。砂岩層は河床から突出していて列車からも見えますが、混在岩は浸食を受けてあまり突出していないため、列車内からはわかりにくいです。相生駅を出発して約1分後に、上の写真のような風景が見えます。観光ホテルの南西方向の長良川左岸にあたります。赤丸で囲んである露頭は砂岩層からなっています。この露頭は昨年の5月17日「長良川本流沿い露頭編その129」で紹介していますが、再度紹介します。 砂岩層など(泥岩層を含む)は、陸から川の流れによって海洋へ運び込まれた砂などが堆積したものがもとになっています。そのため、陸側の影響を受けないような海洋で噴出したり堆積したりした玄武岩質溶岩、石灰岩、チャートなどとは岩石のもととなる供給場所はまったく異なります。この露頭で見られる砂岩層は、暗青灰色をしていて、中粒砂からなっています。表面は風化のため淡灰色~淡青灰色をしていて、数10cm~1m数10cm大のブロック状になっています。 地質図において、列車の右車窓から見えるこの露頭(×地点)は、黄色( Mss )の中にあり、黄色はおもに砂岩からなる地層です。地質図によると、この砂岩層はメランジュ中に分布する巨大な岩塊のようです。写真が五種類ありますが、上の写真は相生駅を出発して約1分後に列車の右車窓から撮ったもので、露出している岩石は砂岩です。中上の写真は上の写真の赤丸で囲った露頭を近づいて南東からパノラマで撮ったもので、真中の写真は中上の写真の中央少し右を同じく南東から撮ったものです。中下の写真は、真中の写真の露頭から南を撮ったものです。ハンマー周辺の岩石は砂岩です。下の写真は砂岩の見やすい表面を接写したもので、写真の縦は3cmです。なお、中上と真中の写真は「長良川本流沿い露頭編その129」でも使用しています。上の写真と中上の写真は撮影した時期が異なりますので、中上の写真に写っている材木は上の写真には写っていません。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。真中と中下の写真は同じような写