長良川鉄道沿いの地形・地質編 その31 相生駅~郡上八幡駅間対岸の砂岩層(観光ホテルの下) :相生駅~郡上八幡駅間、相生駅から出発して約1分後、右車窓より対岸を望む

 前回「長良川鉄道沿いの地形・地質編その30」で紹介したように、長良川鉄道下りにおいて、相生駅を出て約40秒後から約1分後にかけて、長良川沿いを通ります。その間は、右車窓から長良川の左岸に露出している岩石を見ることができます。ここに分布している岩石は、混在岩と砂岩層(砂岩泥岩互層も含む)です。砂岩層は河床から突出していて列車からも見えますが、混在岩は浸食を受けてあまり突出していないため、列車内からはわかりにくいです。相生駅を出発して約1分後に、上の写真のような風景が見えます。観光ホテルの南西方向の長良川左岸にあたります。赤丸で囲んである露頭は砂岩層からなっています。この露頭は昨年の5月17日「長良川本流沿い露頭編その129」で紹介していますが、再度紹介します。

砂岩層など(泥岩層を含む)は、陸から川の流れによって海洋へ運び込まれた砂などが堆積したものがもとになっています。そのため、陸側の影響を受けないような海洋で噴出したり堆積したりした玄武岩質溶岩、石灰岩、チャートなどとは岩石のもととなる供給場所はまったく異なります。この露頭で見られる砂岩層は、暗青灰色をしていて、中粒砂からなっています。表面は風化のため淡灰色~淡青灰色をしていて、数10cm~1m数10cm大のブロック状になっています。

地質図において、列車の右車窓から見えるこの露頭(×地点)は、黄色(Mss)の中にあり、黄色はおもに砂岩からなる地層です。地質図によると、この砂岩層はメランジュ中に分布する巨大な岩塊のようです。写真が五種類ありますが、上の写真は相生駅を出発して約1分後に列車の右車窓から撮ったもので、露出している岩石は砂岩です。中上の写真は上の写真の赤丸で囲った露頭を近づいて南東からパノラマで撮ったもので、真中の写真は中上の写真の中央少し右を同じく南東から撮ったものです。中下の写真は、真中の写真の露頭から南を撮ったものです。ハンマー周辺の岩石は砂岩です。下の写真は砂岩の見やすい表面を接写したもので、写真の縦は3cmです。なお、中上と真中の写真は「長良川本流沿い露頭編その129」でも使用しています。上の写真と中上の写真は撮影した時期が異なりますので、中上の写真に写っている材木は上の写真には写っていません。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。真中と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の黒丸または白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)







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