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県内美濃地方編 その28 土岐市・瑞浪市周辺2 瑞浪市市民公園奥の明世層、生俵層の露頭 :瑞浪市明世町市民公園とビカリアの森

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    瑞浪市から土岐市にかけて分布する新第三紀層である瑞浪層群は、下位から土岐夾炭層、本郷層、明世層、生俵層からなっています。瑞浪市民公園内には明世層の戸狩部層・山野内部層・狭間部層が、その奥のビカリアの森には生俵層が分布しています。 市民公園の奥にある陸上競技場の西には、明世層の上部層である狭間部層が分布しています。また、その奥のビカリアの森入口には、明世層の山野内部層と狭間部層の境界部の露頭があります。ビカリアの森を進んでいくと道沿いに生俵層が露出しています。  写真が四種類ありますが、上の写真は市民公園の陸上競技場の西側にある狭間部層を南側からパノラマで撮ったもので、表示板の右に写っているスケールは1mです。狭間部層は、軽石質凝灰岩や細粒凝灰岩~凝灰質泥岩などからなっています。中上の写真は狭間部層内で見られる断層を撮りました。黄色のスケールは20 cm です。中下の写真はビカリアの森の入口の東露頭で、植物が茂っていて見にくいですが、山野内部層とその上の狭間部層の接触部を撮ったものです。望遠で撮ったため、スケールはありません。下の写真はビカリアの森を進んで、道路沿いの東露頭を撮ったもので、灰白色~灰色の凝灰質の砂質シルト岩層の上に黄灰色~灰色の凝灰質のシルト岩層がのっているのがわかります。中央左下に写っている黄色のスケールは20 cm です。中上と中下、下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある白丸や黒丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

県内美濃地方編 その27 土岐市・瑞浪市周辺2 瑞浪市市民公園内の連続露頭(明世層(あけよそう)) :瑞浪市明世町市民公園内体育館、野球場西の露頭

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    瑞浪市から土岐市にかけて分布する新第三紀層である瑞浪層群は、下位から土岐夾炭層、本郷層、明世層、生俵層と呼ばれる地層群に分かれています。瑞浪市民公園内では、明世層の最下部である月吉部層を除く、戸狩部層、山野内部層、狭間部層がほぼ連続して順に重なって露出しているので、観察しやすいです。化石博物館の東にあるへそ山の南側斜面の露頭を見てから、少し回りこんで北東へ進むと連続して露頭が見られます。 地層というと、砂や泥、火山灰などが何層もほぼ水平に重なっているのをイメージするかもしれませんが、なかなかそのような見やすく理解しやすい地層はありません。しかし、瑞浪市民公園内の地層は見やすく理解しやすいです。堆積面が水平に近く、南西から北東へ進むと、地層の下位から上位へ順番に観察できます。     写真が四種類ありますが、上の写真はへそ山の南側斜面の露頭で見られる戸狩部層の上部を南から撮ったもので、灰色~灰褐色をした細~中粒の凝灰質砂岩からなります。中上の写真は体育館の西の露頭をパノラマで東から撮ったものです。戸狩部層上部から山野内部層下部を撮ったもので、下の方に白い層が2枚見えるのが戸狩部層上部に挟まれる火山灰層(凝灰岩)です。中下の写真は、中上に写った地層を北東から撮ったものです。2枚の白い層が同じ火山灰層です。下の写真はもっと北東へ進んで、体育館と野球場の間にある駐車場の前で、山野内部層の下部から中部を南東からパノラマで撮ったもので、ここにも火山灰層があります。上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

県内美濃地方編 その26 土岐市・瑞浪市周辺1 土岐川沿いの美濃帯堆積岩と花崗岩の接触 :土岐市泉町久尻土岐川右岸露頭(深沢川合流部西へ約150m)

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    土岐花崗岩は美濃帯堆積岩類を貫いて分布しています。その接触部が土岐市泉町久尻付近の土岐川沿いで見られます。中央自動車道と東海環状自動車道が交わる土岐JCTのほぼ南の土岐川沿いで、土岐川と支流の深沢川が合流している地点から西(下流)へ150mほどの右岸露頭で見ることができます。ただしこの近辺は、東(上流)の土岐市街地の土岐川とは違って、やや深い谷をつくっています。周辺に分布する美濃帯堆積岩類は主に混在岩からなるようで、砂岩や泥岩、チャートなどの岩塊が分布しますが、花崗岩による熱変成作用を受け、堅固になるとともに、元の岩石の特徴がわかりにくくなっています。接触部の露頭近くで見られる美濃帯堆積岩類は泥岩です。見かけ上、美濃帯堆積岩類はごつごつした印象であるのに対して、土岐花崗岩は角がなめらかでやや丸みをもつ印象です。 写真が四種類ありますが、上の写真は接触部付近の美濃帯堆積岩類と土岐花崗岩を南側からパノラマで撮ったものです。接触部付近の岩石の違いがわかりにくいため、岩石を直接割って確認はしましたが、点線で示した接触部は正確でないかもしれません。中上の写真は接触部付近を南から撮ったもので、中下の写真は近づいて接触部を撮ったものです。スケールのシャープペンの長さは約14 cm です。下の写真は花崗岩を接写したもので、写真の縦は2 cm です。中上の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、写真の下の白丸を重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

県内美濃地方編 その25 美濃加茂市・可児市周辺15 川辺町鹿塩の蜂屋層 :加茂郡川辺町鹿塩高野 県道80号沿い北露頭

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美濃加茂市蜂屋町広橋では道路沿いで蜂屋層が見られますが、同じように川辺町鹿塩高野でも県道沿いに見られます。川辺町中川辺の駅を北へ200m強進んだところを左折し、すぐ線路を渡り、県道80号美濃川辺線を約2 . 1km進むと、右手(北側)に露頭があります。ここでは、数cm~数10cmの径をもつ安山岩の角礫が見られます。  写真が四種類ありますが、上の写真は県道80号沿いの露頭を南からパノラマで撮ったもので、パノラマ写真の中央部を撮ったものが中上の写真です。中上の写真の左下に写っているスケールは1mです。中下の写真は、中上の写真の一部を近づいて撮ったもので、黄色のスケールは20 cm です。黒っぽく見える角礫は安山岩です。下の写真は南西から露頭を斜めに見て撮ったものです。中上と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

県内美濃地方編 その24 美濃加茂市・可児市周辺14 川辺ダム下流の左岸河床に露出する蜂屋層 :加茂郡川辺町西栃井川辺ダム下流飛騨川左岸河床露頭

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    今回と次回は、以前にも紹介した美濃加茂地域周辺の瑞浪層群の蜂屋層について紹介します。蜂屋層は、美濃加茂市蜂屋町周辺から富加町、川辺町、八百津町、可児市塩付近などの広い範囲に分布し、ほとんどは火山角礫岩からなっています。川辺町の川辺ダム下流には、河床に広く蜂屋層が露出しています。火山角礫岩中の角礫は多くは安山岩ですが、基盤となっている美濃帯堆積岩類を取り込んでいるため、砂岩やチャート、泥岩なども含まれます。  写真が四種類ありますが、上の写真は川辺ダム下流の左岸河床露頭を北西からパノラマで撮ったもので、近づいてハンマーの左側を撮ったものが中上の写真です。中下の写真は同じ露頭を西から、下の写真は北東から撮ったものです。この露頭の火山角礫岩の礫は数 cm ~数10 cm 径のものが多いです。中下と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。  

県内美濃地方編 その23 美濃加茂市・可児市周辺13 松野湖周辺の土岐花崗岩の風化 :瑞浪市日吉町松野湖周辺

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   前回紹介した鬼岩公園内を流れる平岩川の上流に、人造湖である松野湖があります。そして、その松野瑚周辺にも花崗岩が分布します。花崗岩は堅固な岩石ですが、風化してばらばらになって砂粒や小さな礫などの粒状になりやすい岩石です。松野湖周辺ではかなり風化して、ばらばらになった粒が多く見られる場所があります。国道21号から松野湖方面へ県道366号飛騨木曽川公園線(御嵩町~瑞浪市)で進み、県道366号の入口から約3 . 5km(松野湖をもうすぐで越えるというところ)の右側に露頭があります。その露頭で風化した花崗岩を見ることができます。 花崗岩は、同じような大きさの鉱物が互いに密着してできています。気温変化などによってそれぞれの鉱物がわずかに膨張・収縮を繰り返しますが、鉱物によってその度合いが異なり、また同じ鉱物でも方向によって異なるため、鉱物単位でひずみが生じ、結合がはがればらばらになり、砂粒を生成することになります。このばらばらになった粒をマサ(真砂)と呼びます。また、花崗岩を構成している主な鉱物の一つである長石は粘土鉱物になりやすいということもあり、鉱物自体くずれてしまうこともあります。 写真が四種類ありますが、上の写真は風化した花崗岩が見られる露頭を北西からパノラマで撮ったもので、中上の写真は近づいて撮ったものです。中下の写真は上の写真の右側の花崗岩の風化を撮ったもので、花崗岩が刃物で切られたかのようにはがれているのがわかります。花崗岩は方状節理が発達しているため、このように節理面で割れたと思われます。下の写真は、上の写真の10mほど南の露頭を北から撮ったもので、同様に花崗岩が風化しています。中上と中下、下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸や黒丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。  

県内美濃地方編 その22 美濃加茂市・可児市周辺12 可児郡御嵩町鬼岩公園の土岐花崗岩 :可児郡御嵩町次月~瑞浪市日吉町 鬼岩公園

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   御嵩町の鬼岩公園には土岐花崗岩が分布します。立方体の角をとった丸みのある白っぽい巨大な岩石がいくつも山腹に林立し、周りに生えている木々の緑と相まった風景をつくっています。花崗岩は方状節理という立方体や直方体の割れ目があって、そこに沿って割れやすいのです。そして、花崗岩は風化しやすく、立方体や直方体の角がとれ、丸みを帯び、なめらかな岩肌をもちます。また、樹木は水分の得やすい花崗岩の風化部を利用して生えています。そのため、白っぽい花崗岩の丸みをもった巨岩群が緑の 樹木の間から顔を出すという独特の自然美をつくり出しているのです。 写真が四種類ありますが、上の写真は鬼岩公園内の見返り橋周辺を北西から撮ったもので、中上の写真は近づいて花崗岩を撮ったものです。中上の写真の縦は7 cm です。中下の写真は鬼岩公園内の太朗岩を南から撮ったものです。花崗岩の独特な丸みがわかります。下の写真は遊歩道の岩をくぐるところを撮ったものですが、立方体に近い状態で割れているのがわかると思います。上と中下、下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸または黒丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

県内美濃地方編 その21 美濃加茂市・可児市周辺11 可児市大脇木曽川沿いのメランジュ(美濃帯堆積岩類) :可児市大脇の木曽川左岸河床(大脇にある温泉施設の北側)

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    美濃帯堆積岩類のように、海洋で堆積した堆積岩類などが日本列島に付加した付加体堆積物には、メランジュと呼ばれる地質体が見られます。以前「長良川沿いのメランジュその1~6」で長良川沿いの露頭は紹介しましたが、可児市大脇の木曽川沿いでも見ることができます。メランジュは、 海洋のプレートの上に堆積したものが、陸側のプレートの下にもぐりこむ際、はぎ取られ混ざり合いながら陸側のプレートにくっついていく場合の特徴的な地質体で、 黒色をした泥岩の中に砂岩やチャートなどの岩塊が入った混在岩と呼ばれる岩石が見られます。 可児市大脇の木曽川左岸河床では、砂岩や破断した砂岩泥岩互層( 本来層状である砂岩はレンズ状やちぎれた形状となっている砂岩泥岩互層) 、チャート、珪質粘土岩(美濃帯堆積岩類中に見られる 礫、砂、泥などの砕屑物をほとんど含まず、粘土鉱物だけからなる岩石 )を岩塊として含んでいる混在岩が見られます。    写真が四種類ありますが、上の写真は可児市大脇の川原を北よりパノラマで撮ったもので、左側上部に少し写っているのが近くにある温泉施設です。この露頭は、チャートと混在岩の接触部が見られるところです。中上の写真は砂岩がレンズ状に入った混在岩を西から撮ったもので、中下の写真は近づいて撮ったものです。下の写真は甌穴を南東から撮ったもので、2 . 7m×2 . 0mほどの甌穴です。中上と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

県内美濃地方編 その20 美濃加茂市・可児市周辺10 御嵩町南山トンネル付近の平牧層(巨大な岩塊を含む凝灰岩) :可児郡御嵩町南山の南山トンネル西からみたけの森へ続く林道沿いの露頭

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  御嵩町南山の南山トンネルの西近くの切通しの両側に、平牧層の一部である岩塊を含む凝灰岩が露出しています。国道21号可児御嵩バイパスの南山団地入口交差点を南進し、約1 . 0kmのところで南山トンネルが見えます。トンネルの手前から右手に南へ入る細い道がありますので、そこを50mほど進むと、切通しになっていて、道の両側に露頭があります。露頭は風化のため、不明瞭になっていますが、凝灰質砂岩の中に数10cm~50cmほどの径をもつ大きな岩塊が入っているのを確認することができます。1~2mの巨大な岩塊も含んでおり、丸みはほとんどなく角ばっており(角礫~亜角礫)、乱雑に入っています。大きな岩塊の他には数cm~10cmほどの礫も含まれています。数cmの礫は美濃帯堆積岩類の砂岩、チャート、泥岩がほとんどですが、それら以外の大きさの礫は、巨大な岩塊も含めて凝灰岩や凝灰質砂岩などからなっています。  写真が四種類ありますが、上の写真は切通しの南西の露頭をパノラマで撮ったものです。中上の写真は上の写真の中央部を北東から撮ったもので、中下の写真は南東から撮ったものです。下の写真は近づいて北東から撮ったものですが、ハンマーの右上にある見かけ上三角の白っぽい角礫は凝灰岩と思われます。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

県内美濃地方編 その19 美濃加茂市・可児市周辺9 可児市兼杖の平牧層(巨大な岩塊を含む凝灰岩) :可児市兼杖可児川左岸河床

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  可児市兼杖の可児川左岸の河床には巨大な岩塊を含む凝灰岩~凝灰質砂岩が分布します。調査によると、約40mの厚さがあるようです。巨大岩塊は、角礫~亜角礫(角ばった礫~やや角ばった礫)で、凝灰岩・凝灰質砂岩・砂岩泥岩互層・褐炭層、ケイソウ質泥岩などからなっています。最大の岩塊は直径が20mに達していて、乱雑に入っています。場所としては、可児市兼杖に可児川に架かった姫橋がありますが、左岸堤防を下流に約250m進んだところに川に下りる階段があります。そこを降りて、さらに西へ100mほど進んだところに2 . 3m×1 . 7mほどの岩塊(凝灰岩)が入った凝灰岩があります。河川敷の改修工事のため、露頭が削られ幅が以前よりは狭くなっていますが、岩塊を見ることはできます。また、その場所から20mほど西へ進むと砂岩泥岩互層が見られますが、地層の傾きが周辺と比べて大きいため、巨大なブロックだと思われます。  写真が四種類ありますが、上の写真は 2 . 3m×1 . 7mほどの岩塊が入った凝灰岩を東から 撮ったものです。中上の写真は西から撮ったもので、上の写真に写っている岩塊が上部に写っています。また、ハンマーの左に写っているのはチャートの礫と樹木片です。中下の写真は、中上の写真のハンマーの左を近づいて撮ったものです。シャープペンの長さは約14 cm です。下の写真は砂岩泥岩互層ですが、凝灰岩との境界は確認できませんでした。上と中上の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

県内美濃地方編 その18 美濃加茂市・可児市周辺8 可児市柿下の平牧層(軽石を多く含む凝灰岩) :可児市柿下の小さな公園内の露頭

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  県道83号多治見白川線の可児市柿下交差点の東側200mほどのところに小さな公園があり、その公園内に横穴(戦時中に掘られたもの)があります。その両脇に露出している地層は瑞浪層群の平牧層です。県道84号土岐可児線と県道83号が交差する久々利交差点を南へ進むと約600mで山沿いに進む道に分かれますが、そこを山沿いに進み300mほどで公園があります。 平牧層は約1800万年前に火山活動が活発となり、その火山噴出物が浅い湖沼に堆積したことで形成された地層と考えられていますが、ここには凝灰岩層、凝灰質砂岩層が露出しています。特に、長径が0 . 5~1cmほどの見かけ上楕円形をした白い軽石が多量に入っている部分が見られます。  写真が四種類ありますが、上の写真は公園内の露頭を南西からパノラマで撮ったものです。中上の写真は上の写真の中央部を同じく南西から撮ったもので、中下の写真は北西から斜めに撮ったものです。下の写真は白色の軽石が多く入っている部分を近づいて撮ったもので、写真の縦は5 . 5cmです。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある黒丸または白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

県内美濃地方編 その17 美濃加茂市・可児市周辺7 可児市大森の平牧層内の斜交葉理(クロスラミナ) :可児市二野のトンネル南450mほどの西露頭(住所は可児市大森)

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  可児市のほぼ中央部にある久々利川沿いの二野・羽崎地区や大森川沿いの大森地区は、かつて可児郡平牧村と言われた地域です。この地域に広く分布する地層は平牧層と呼ばれています。美濃加茂盆地地域に分布する瑞浪層群の最上部層をなしています。平牧層は、前回紹介しているように、凝灰岩層、凝灰質礫岩層、凝灰質砂岩層、凝灰岩質泥岩層、巨岩塊を伴う凝灰岩層、軽石質凝灰岩層など、ほとんど火山性の堆積岩層からなっています。 堆積物の内部には、浅い水域で水の流れる方向や速さが変化することで形成される斜交葉理(クロスラミナ)が見られる場所があります。前回紹介した可児市二野にあるトンネルの南450mほどの道路沿いに連続した露頭があり、凝灰質砂岩層や凝灰質礫岩層、軽石質凝灰岩層などが堆積していますが、斜交葉理が広く見られます。目印として、二野のトンネルと 斜交葉理 の露頭の間には「JAめぐみの」の建物があります。 ま 写真が四種類ありますが、上の写真は斜交葉理の見られる部分を中心に東側からパノラマで撮ったものです。中上の写真は同じ露頭を東から、中下の写真は南東から撮ったもので、右側に写っているスケールは1mです。下の写真は斜交葉理の見やすい部分を東から撮ったもので、黄色のスケールは20cmです。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

県内美濃地方編 その16 美濃加茂市・可児市周辺6 可児市二野の平牧層 :可児市二野のトンネル北100mほどから南方へ入る小道のつきあたり

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  美濃加茂盆地地域に分布する新第三紀層である瑞浪層群は、古い順に蜂屋層、中村層、平牧層で構成されています。平牧層は、約1800万年前に火山活動が活発となり、その火山噴出物が浅い湖沼に堆積したことで形成された地層と考えられています。可児市南部地域、御嵩町南部地域、犬山市北東地域に分布します。厚さは80mほどあり、凝灰岩層、凝灰質礫岩層、凝灰質砂岩層、凝灰岩質泥岩層、巨岩塊を伴う凝灰岩層、軽石質凝灰岩層など、ほとんど火山性の堆積層からなっています。 県道84号の羽崎交差点(可児市)から東へ進むと平牧地区センターの矢印がありますので、そこを南進し、平牧地区センターを越えてしばらくするとトンネルがあります。そのトンネル(可児市二野のトンネル)の手前(北側)100mほどに南東へ入る小道がありますので、そこを進みます。すると、つきあたりのところに露頭があり、地面から1mほどのところに約50cm幅の暗色をした凝灰岩が帯状に露出しています。そこには、火山ガラスや輝石の結晶が含まれています。ほかには、凝灰質砂岩層や凝灰質泥岩層が見られます。これらは平牧層の中の上部層に相当するようです。 ま 写真が四種類ありますが、上の写真は小道を進んだつきあたりの露頭を西側から撮ったもので、中上の写真は同じ露頭を縦長で撮ったものです。中下の写真は同じ露頭を西から、下の写真は南西から撮ったものです。下の写真の右側に写っているスケールの長さは1mです。中下と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。