露頭と立体視その8(節理と立体写真)
節理は、火成岩(溶岩や火砕流堆積物、深成岩など)が冷却する過程で収縮をし、そのため割れ目(すき間)ができたものです。岩石の特徴や形成過程によって、柱状や板状、方状(直方体状)などの節理ができます。しかし、板状節理のように、形成過程や理由が明確にはわかっていないものもあります。
岐阜県には、大規模火砕流堆積物である濃飛流紋岩が広く分布します。また、濃飛流紋岩に似た岩石も何箇所かに分布します。岩石としては、噴出した火山灰などが自らの重さと熱によって、つぶされくっついた溶結凝灰岩が主体です。その溶結凝灰岩も冷却する中で収縮し、柱状節理を形成します。写真は、郡上市和良町鹿倉の濃飛流紋岩中の柱状節理(上、中上の写真)、郡上市高鷲町穴洞の白鳥流紋岩中の柱状節理(中下、下の写真)です。この柱状節理はいずれも溶結凝灰岩中のものですが、六角柱状のものではなく、四角柱状(直方体など)や三角柱状のものが多いようです。柱状節理は直線による造形美なので、平面写真でもその美は味わうことができます。立体視によってより露頭の状況がわかり、柱状節理の出っ張りの違いがわかります。
柱状節理で有名なものの1つは、兵庫県豊岡市の玄武洞公園内の玄武岩質溶岩に見られる節理です。下に4種類の写真がありますが、上、中上、中下3種類は、玄武洞公園内の玄武洞、青龍洞、白虎洞の柱状節理です。下の写真は、京都府福知山市夜久野町やくの玄武岩公園内の柱状節理です。いずれも玄武岩に見られる柱状節理です。
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