都市で見られる化石 その26(おまけ:横浜) :横浜ランドマークタワー内ランドマークプラザの化石

アーバンジオロジーという言葉を聞いたことがありますか。「アーバン」は「都市」、「ジオロジー」は「地質学」ですから、都市の地質学ということになります。「大阪市自然史博物館(1996)ミニガイドNo.13「ビルの石材 - アーバンジオロジー入門 -」」には、「街中で岩石や化石を調べたり観察したりする楽しみはアーバンジオロジーと呼ばれています。」と書いてあります。また、「後藤仁敏ほか(1999)地学教育と科学運動32号「ランドマークは化石の宝庫―横浜みなとみらい地区のアーバン地質学序説―」」には、「化石や岩石は野外で自然の状態のまま観察することが基本である。しかし、都市の石材はきれいに磨かれており、その点では野外で見るよりも、化石や鉱物をよく観察することができる。そこに、アーバン地質学(都市の地質学)の醍醐味があるのだろう。」と書かれてあります。本来、地質学(ジオロジー)は大地を調べることによって、地球が歩んできた歴史や出来事を明らかにするとともに、今後の地球の姿についても考えていく学問です。そのため、地球の一員である我々誰もが関わることができる、また関わるべき学問だと思います。特に都市(アーバン)においては、化石や岩石は探せばいたるところにあります。それを観察したり調べたりすることで、自然に興味をもち、自然を守ろうという意識を強く持つことにつながると考えます。そのようなアーバンジオロジーの観点で、今まで札幌市、東京都、名古屋市、大阪市などにおいて、1980年代から何冊か書籍が発刊されています。

今回は名古屋ではなく、私用で横浜に行きましたので、横浜市のランドマークタワー(1993年7月完成)で見られる化石を紹介します。

写真は8枚ありますが、いずれも横浜ランドマークタワー内ランドマークプラザの写真です。上から5枚目までの写真はランドマークプラザの柱に見られるアンモナイトで、いずれの石材もイタリア産のペルリーノロザートです。1番上の写真は2階の柱で、その赤丸の位置を近づいて撮ったものが2枚目の写真です。3枚目の写真は3階の柱で、その赤丸の位置を近づいて撮ったものが4枚目の写真です。いずれもアンモナイトです。5枚目の写真は、4階の柱で見られるアンモナイトの化石です。ランドマークプラザの柱は同じ石材ですので、他の柱にもアンモナイトは入っていると思います。6枚目の写真は、2階のエレベーター付近で撮ったもので、ネリネアという巻貝の化石が写っています。石材はイタリア産のフィレットロッソのように思われます。7枚目(下から2枚目)は3階のエレベーターの写真で、中央付近(エレベーターの上)にアンモナイトが写っています。1番下の写真は4階のトイレ入口の柱で、石材は暗灰色で白い筋が入っているので、フランス産のヘンリー4世という石材のように思いますが、確認はとれてないです。中にはサンゴが入っています。下から2番目の写真は高い位置にありますので、スケールは入れられませんでした。

 これまで26回連続で、都市で見られる化石を紹介しました。次回からはまた板取川沿いの地質、露頭を紹介します。 









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