板取川沿いの地質、露頭 その35 関市洞戸阿部高賀橋(古い橋)下流の珪灰石 :関市洞戸阿部の現在通行止めの橋(高賀橋)の下流の左岸河床露頭(川の水量が多いときは中州になる)

 前回も書きましたが、洞戸尾倉・阿部境界部の北方の板取川曲流部周辺には、チャート層に砂岩泥岩互層が入り込んで分布し、かつ熱変成を受け、珪灰石もできています。今回は、珪灰石が見られる露頭を紹介します。

国道256号沿いの尾倉と阿部の境界表示板から北東へ200mほど進むと、川へ下りる階段があります。そこを下り、川の方へ進むと河床に珪灰石が見られる露頭があります。階段の入口のほぼ南の露頭です。板取川の水量が多いときは、中州になる場所です。

珪灰石は、化学式ではCaSiO3です。一般的には、石灰岩が分布する場所に花崗岩などのもとになるマグマが入り込み、そのマグマの高熱によって石灰岩中に含まれるカルシウムCaと多くの岩石に含まれる珪酸SiO2が反応した結果できるのです。普通白色の樹枝状、繊維状結晶の集合体の形で産します。共生する方解石CaCO3や石英SiO2も白いので似ていますが、樹枝状、繊維状結晶をしているのでわかると思います。また、硬度(モース硬度)には違いがあり、珪灰石は4.5~5、方解石は3、石英は7です。

地質図において、×地点が露頭の位置ですが、オレンジ色(Mch)の中にあり、オレンジ色はおもにチャートからなる地層です。写真は五種類ありますが、上の写真は北からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央付近を撮ったものです。上の写真で、露頭の左上に写っている橋が現在通行止めになっている高賀橋です。真中の写真は上の写真(または中上の写真)に写っているハンマー付近を近づいて撮ったものです。中下の写真は珪灰石がよくわかるところを撮ったもので、ほかの場所ですが接写したのが下の写真です。下の写真の縦は4cmです。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。中上と真中の写真は、同じような写真が2枚並んでいますが、写真の下の白丸または黒丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)







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