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県外編 その43 宮崎県宮崎市青島の鬼の洗濯板 :宮崎県宮崎市青島

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   青島の鬼の洗濯板は、昭和9年( 1934 年)に国の天然記念物に指定されています。正しくは、「青島の隆起海床と奇形波蝕痕」と名付けられています。 海岸が波の力によって削られ、平坦になった地形を海食台(波食台)といいます。海食台は一般的に海面下10~15 m の深さに形成されることが多いようですが、陸地の隆起や海水面の低下によって、海面上に出ているものがあり、それを隆起海床と呼びます。ここでは、その昔、洗濯する際に使用した洗濯板のような凸凹のある岩が広がっており、それを奇形波蝕痕と名付けたようです。青島周辺には、新第三紀の後期中新世~鮮新世(約 700 万年~ 300 万年前)に形成されたと考えられている宮崎層群が分布しています。この宮崎層群は、前弧海盆堆積体といって、海洋プレートが陸側のプレートに沈み込む海溝の陸側にできる浅い海(前弧海盆)に堆積した地層です。陸上から河川を通じて運ばれてきた砂や泥が堆積したもので、水の中で砂と泥が混じったものが地震などによって移動すると、粒の大きい砂が下に堆積し、その上に粒の小さな泥が堆積するといった砂層と泥層がセットになった堆積物をつくります。それが繰り返されることによって、砂と泥の縞状の堆積物(砂泥互層)が形成されるのです。砂泥互層が固結したものが砂岩泥岩互層ですが、砂岩層と泥岩層は浸食の度合いが異なります。砂岩層は固く浸食を受けにくく、泥岩層はもろく浸食を受けやすいため、砂岩層は凸状となり、泥岩層は凹状になり、ギザギザの洗濯板のように見えるのです。 写真は六種類あります。一番上の写真は、青島に架かる橋(弥生橋)を渡り、向かって右側の洗濯板(砂岩泥岩互層)をパノラマで撮ったものです。橋の手前から青島を撮ったのが2番目の写真です。3番目の写真は橋を渡って向かって左側の砂岩泥岩互層を、4番目と5番目の写真は右側の砂岩泥岩互層を撮ったものです(上の写真を撮った近くで撮りました)。3番目と5番目に写っているスケールの長さは1mです。 一番下の写真は砂岩泥岩互層に近づいて撮ったもので、上半分が砂岩層で、下半分が泥岩層です。この写真はわかりやすいですが、下半分の泥岩層は砂岩層と比べると削られており、凹んでいます。立体視で見ることができると、より実感としてわかると思います。また、左側にスケール(約15cm)があります...

県外編 その42 宮崎県都城市の関之尾甌穴群 :宮崎県都城市関之尾町関之尾滝上流部

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   前回(県外編その41)で紹介した関之尾滝の上流部(庄内川の川底)には甌穴群が見られ、国の天然記念物に指定されています。都城市公式ホームページによると、この甌穴群は長さ約600m、幅約80mの河床に形成されており、それぞれの甌穴は1~3mの円筒状の穴ということです。河床の岩盤に甌穴が多数あり、水面より下に穴があることが多いため、穴の形状はなかなかわかりません。 甌穴は、河川によって上流から運ばれてきた石が岩盤の表面にある割れ目などに引っかかり、強い水の流れの中でその石が回転し、ドリルのように岩盤に穴をあけたものです。甌穴は流れてきた石の回転によって形成されたものなので、やわらかい岩盤の方が形成されやすく感じます。確かに、やわらかい岩盤では穴はできやすいですが、くずれたり、すぐ穴が広がったりするため、穴として保存されるためには、岩盤が硬いことが重要なのです。だから、甌穴は河床の岩盤が硬く、激しい流れを生じる場所であれば、どの河川でも見られるものです。 前回の関之尾滝でも書きましたが、滝の周辺には約33万年前に加久藤カルデラの噴火によって発生した加久藤火砕流堆積物が分布しています。滝の上面や上流部は、その火砕流堆積物の溶結凝灰岩からなっています。火砕流は、火山ガスや火山灰、軽石などの火山噴出物が高速で移動し、堆積します。大規模な場合は、ものすごい量のものが堆積するため、自らの熱と重さによって、火山灰や軽石などのガラス成分がやわらかくなり、押しつぶされて固まるのです。この作用を溶結作用と言い、そしてできた岩石を溶結凝灰岩と呼びます。堆積時には、火山灰や軽石など個々はバラバラなのですが、溶結作用によって一体化し、固結するのです。降り積もった火山灰などが固まった凝灰岩とは異なり、より硬く固まります。また、同じ火砕流堆積物でも、上からかかる重さと熱の度合いによって、強く固まる(強溶結)場合と固まり方が弱い場合(弱溶結)、溶結が起きない場合(非溶結)があります。甌穴群が見られる滝の上流部は、強溶結のようで、かなり硬い岩盤だと考えられます。 写真は六種類あります。甌穴群のよく見られるところには、橋が架かっていますが、その橋からパノラマで下流を撮ったものが一番上の写真、上流を撮ったものが2番目の写真です。3番目の写真は橋の上流側を左岸の歩道から撮ったもので、4...

県外編 その41 宮崎県都城市の関之尾滝 :宮崎県都城市関之尾町(霧島ジオパーク内の滝)

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関之尾滝は、日本の滝 100 選にも選定されている滝で、幅約40m、落差約18mです。都城市の西部に位置する関之尾町を流れる庄内川にかかる滝です。関之尾滝周辺は溶結凝灰岩で覆われていて、その溶結凝灰岩にかかる滝です。この溶結凝灰岩は、以前は約3万年前に姶良カルデラ(現在の錦江湾の位置)の噴火により発生した大規模な火砕流によって形成された入戸(いと)火砕流堆積物だと考えられていました。しかし、現在はその後の調査研究により、約33万年前(34万年前と書かれてあるものもあります)に現在のえびの市に位置する加久藤カルデラの噴火により発生した加久藤火砕流による堆積物であることがわかっています。詳しいことは、「『宮崎県都城市関之尾付近に分布する火砕流堆積物について』井村隆介ほか、宮崎県総合博物館紀要第 30 輯、 2010 年 」に書かれてあります。 加久藤カルデラの噴火によって発生した加久藤火砕流は、半径約50kmの範囲に到達し、主に溶結凝灰岩の強固な地層を形成したようです。現在の霧島火山の活動の始まりは加久藤火砕流で、加久藤火砕流堆積物よりも新しい活動が霧島火山群の活動として定義されているようです。 滝のでき方はいくつかありますが、その中でも代表的なものは、 やわらかく削られやすい(浸食しやすい)層の上に、硬く削られにくい(浸食しにくい)層が載っている場合です。下の層は削られて水面が下がるけれど、上の層は削られにくいため段差ができ、その段差が滝となります。上部の硬く浸食しにくい層を造瀑層と呼びます。前述の「宮崎県都城市関之尾付近に分布する火砕流堆積物について」によると、滝が架かって柱状節理(後述)が見られる岩層は火砕流堆積物の強溶結部のようで、滝つぼ付近の岩層は弱溶結部のようです。つまり、強溶結部が上部に、弱溶結部が下部に見られるところに滝が架かっているのです。火砕流が堆積した時、自らの熱と重さでガラス成分(火山灰や軽石)がやわらかくなり押しつぶされ、硬く固まることがあります。それを溶結と言います。自らの熱と重さが関わりますので、堆積物の場所によって強く溶結(強溶結)して硬くなる部分と、溶結が弱く(弱溶結)、それほど硬くない部分が出てきます。詳しく調べないとわかりませんが、この滝は同じ火砕流堆積物でできていますが、上部が強溶結で硬く浸食を受けにくく、下部が弱溶結でや...