投稿

6月, 2026の投稿を表示しています

県外編 その40 石川県宝達志水町~羽咋市の千里浜なぎさドライブウェイ(千里浜IC近くなど) :石川県羽咋郡宝達志水町今浜~羽咋市千里浜町の千里浜なぎさドライブウェイ

イメージ
石川県羽咋郡宝達志水町今浜~ 羽咋市千里浜町をつなぐ約8kmの千里浜なぎさドライブウェイは、日本で唯一、一般の自動車やバスでも海岸線の砂浜の波打ち際を走ることができる道路です。 砂浜ができるには、河川によって砂が海へ多く運ばれ、かつ沿岸流などの流れによって河川から供給された砂が海岸に集められる必要があります。ここの場合は、千里浜より約40km南西に位置する手取川、千里浜周辺の大海川や宝達川が運んできた土砂が、沿岸流(対馬海流)や北西の季節風によって移動し、かつ羽咋市の北に位置する滝崎が土砂をUターンさせ、千里浜に集められるためのようです。 しかし、ダム建設などによって河川からの砂の供給が減ったり、沿岸流などの流れが変化したり、高波などで砂が沖に移動したりすることによって、砂浜内の砂が減ってしまうことがあります。砂の供給、移動のバランスによって、海岸の砂浜が維持されているのです。実際にこの砂浜も、砂が減り狭くなってきているため、砂を供給する工事や消波ブロックの設置工事などを行っているようです。 この海岸線の砂は細かく、地形の関係で海水を常に含むことで、力が加わる路面は固くなっています。手取川によって運ばれた土砂は、河口部において粒径の細かいものほど沖合に運ばれます。そして、対馬海流によって北東へ移動し、砂浜の砂となるのです。そのため、手取川河口から離れるほど海岸の砂は細かく、40kmほど離れた千里浜周辺は非常に細かく均一な砂で構成されているのです。(百瀬年彦  2018  千里浜にたどり着くはずの砂の行方を追う  H30 土壌物理学会大会 による)。 例えば、小麦粉など細かく粒の揃った粒子に水を加え、どろどろになった状態のものを握りしめると一瞬で固くなります。力を加えないと、どろどろの液体状に戻ります。この現象のことをダイレタンシーと呼びます。この現象がドライブウェイでも起こっていて、細かく均一な砂に海水が混じり、タイヤの圧力がかかる路面は固くなるのです。だから、ドライブウェイの砂浜でも、水分が加わって淡褐色に見える部分はよいのですが、白くなって乾いている部分では、全体が固くなることなく、力を加えると、砂粒一粒一粒がバラバラに移動してしまうため、タイヤが空転し自力では動けなくなることもあるようです。 写真は六種類ありますが、一番上の写真は 千里浜な...

県外編 その39 三重県鳥羽市神島のチャート層とその褶曲 :三重県鳥羽市神島の八畳岩とその近辺

イメージ
神島は東西約1km、南北約1 . 2kmの柄の短いうちわ型をした島です。地質的には、北西半分弱は泥質片岩などの変成岩類(三波川帯と呼ばれる)から、南東半分強は混在岩などの前期~中期ジュラ紀付加体堆積物(秩父帯と呼ばれる)からなっています。 八畳岩とその周辺は付加体堆積物からなっていて、八畳岩はチャートです。チャートは、砂や泥が届かないような陸地から離れた深海底に堆積したものです。放散虫などの珪質の殻をもった微生物の遺骸がもとになっています。玄武岩質の火山岩でできた海洋プレートの上に堆積したチャート、火山島の上に形成した石灰岩が海洋プレートの動きに伴って移動し、陸側に近づきながら、泥なども珪質の遺骸と混ざり合って堆積(それが珪質泥岩)します。また、海溝部に近づくと、陸側から流れてきた砂や泥も混ざり合います。そして、陸側に付加したものが付加体堆積物です。そのため、堆積した場所はかなり離れていても、現在では混ざり合って分布したり、隣り合って分布したりしているのです。また、海洋で水平に堆積したものが折れ曲がっていたり、ちぎれていたり、垂直に近く傾斜していたりしているのです。 八畳岩以外でもチャート層が露出している場所があります。八畳岩を見ながら道を北西に進むと、右手に崖(露頭)が現れ、層状チャートが褶曲しているのがわかります。 写真は五種類ありますが、上と中上の写真は八畳岩を、真中と中下、下の写真は層状チャートの褶曲の露頭を撮ったものです。上の写真はチャートからできている八畳岩を南東から、中上の写真は北東から撮りました。層状チャートの褶曲の露頭写真に写っているスケールは、1mです。真中の写真は横長で、下の写真は縦長で撮りました。上と中上、中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の下の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。 美濃地学 - 地学のおもしろさを、美濃から (minotigaku.com)

県外編 その38 三重県鳥羽市神島のカルスト地形(玄武岩質溶岩と石灰岩) :三重県鳥羽市神島ニワの浜近辺

イメージ
神島は、愛知県の渥美半島先端の伊良湖岬と三重県鳥羽市の答志島の間にある島で、伊勢湾の入口に当たります。島は柄の短いうちわのような形をしていて、東西約1km、南北約1 . 2kmで、周囲は約4kmです。産総研のHPで見られる日本シームレス地質図によると、神島の北西半分弱は泥質片岩などの変成岩類(三波川帯変成岩類と呼ばれる)からなり、南東半分強は混在岩などの前期~中期ジュラ紀付加体堆積物(秩父帯堆積岩類と呼ばれる)からなっています。神島の南南東端にあるニワの浜近辺は、付加体堆積物からなっていて、玄武岩質溶岩の上に石灰岩が載った状態が見られます。また、石灰岩が雨水によって溶かされ、石灰岩独特の地形を形成しており、カルスト地形と呼ばれています。ここでは、石灰岩が鋭利な三角錘状の塔群のようになっていて、平成8年(1996年)に鳥羽市の天然記念物に指定されています。 付加体堆積物は、海洋プレートや火山島および、その上に堆積したものが大陸側にゆっくりと移動し、海溝部で大陸側から移動してきた砂や泥と合わさり、沈み込まずに陸地に付加したものです。海洋プレートやその上に形成した火山島には、サンゴ礁が形成したり、硬い珪質の殻をもつ微生物(放散虫など)の死骸が堆積したり、水に長く浮かぶような細かい粒子が堆積したりします。付加した結果、海洋プレートや火山島をつくる玄武岩質溶岩、サンゴ礁などの炭酸カルシウムが固まった石灰岩、放散虫などの死骸などが固まってできたチャート、放散虫などの死骸や微細な泥が混じり合って固まった珪質泥岩が、砂や泥(砂岩や泥岩)と合わさった状態を見ることができるのです。上で述べた玄武岩質溶岩の上に石灰岩が載った状態というのは、まさに火山島の上に形成したサンゴ礁を見ていることになるのです。  写真は六種類ありますが、一番上の写真は露頭全体を撮ったものです。2番目の写真は上部の石灰岩を撮ったもので、雨水などによって溶かされて岩の塔がいくつも林立しているように見えます。カルスト地形の代表的なものです。3番目の写真は石灰岩に近づいて撮ったもので、黄色く写っているスケールは1mです。スケールの右下に写っている階段を下って撮った写真が4番目の写真で、上部に石灰岩が、下部に玄武岩質溶岩が写っています。ここに写っているスケールも1mです。1番目と4番目の写真は同じ場所から撮りました...