県外編 その38 三重県鳥羽市神島のカルスト地形(玄武岩質溶岩と石灰岩) :三重県鳥羽市神島ニワの浜近辺

神島は、愛知県の渥美半島先端の伊良湖岬と三重県鳥羽市の答志島の間にある島で、伊勢湾の入口に当たります。島は柄の短いうちわのような形をしていて、東西約1km、南北約1.2kmで、周囲は約4kmです。産総研のHPで見られる日本シームレス地質図によると、神島の北西半分弱は泥質片岩などの変成岩類(三波川帯変成岩類と呼ばれる)からなり、南東半分強は混在岩などの前期~中期ジュラ紀付加体堆積物(秩父帯堆積岩類と呼ばれる)からなっています。神島の南南東端にあるニワの浜近辺は、付加体堆積物からなっていて、玄武岩質溶岩の上に石灰岩が載った状態が見られます。また、石灰岩が雨水によって溶かされ、石灰岩独特の地形を形成しており、カルスト地形と呼ばれています。ここでは、石灰岩が鋭利な三角錘状の塔群のようになっていて、平成8年(1996年)に鳥羽市の天然記念物に指定されています。

付加体堆積物は、海洋プレートや火山島および、その上に堆積したものが大陸側にゆっくりと移動し、海溝部で大陸側から移動してきた砂や泥と合わさり、沈み込まずに陸地に付加したものです。海洋プレートやその上に形成した火山島には、サンゴ礁が形成したり、硬い珪質の殻をもつ微生物(放散虫など)の死骸が堆積したり、水に長く浮かぶような細かい粒子が堆積したりします。付加した結果、海洋プレートや火山島をつくる玄武岩質溶岩、サンゴ礁などの炭酸カルシウムが固まった石灰岩、放散虫などの死骸などが固まってできたチャート、放散虫などの死骸や微細な泥が混じり合って固まった珪質泥岩が、砂や泥(砂岩や泥岩)と合わさった状態を見ることができるのです。上で述べた玄武岩質溶岩の上に石灰岩が載った状態というのは、まさに火山島の上に形成したサンゴ礁を見ていることになるのです。

 写真は六種類ありますが、一番上の写真は露頭全体を撮ったものです。2番目の写真は上部の石灰岩を撮ったもので、雨水などによって溶かされて岩の塔がいくつも林立しているように見えます。カルスト地形の代表的なものです。3番目の写真は石灰岩に近づいて撮ったもので、黄色く写っているスケールは1mです。スケールの右下に写っている階段を下って撮った写真が4番目の写真で、上部に石灰岩が、下部に玄武岩質溶岩が写っています。ここに写っているスケールも1mです。1番目と4番目の写真は同じ場所から撮りました。5番目の写真は玄武岩質溶岩に近づいて撮ったもので、位置は4番目の写真に写っているスケールの上部あたりです。5番目の写真に写っている短いスケールの長さは約15cmです。玄武岩質溶岩は詳しく観察することはできませんでしたが、枕状溶岩などが見られると思います。一番下の写真は、少し離れて露頭全体を撮ったものです。2~5番目の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の下の白丸または黒丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

 







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