板取川沿いの地質、露頭 その34 関市洞戸阿部の砂岩泥岩互層の熱変成 :関市洞戸阿部と尾倉の境界部少し北の板取川曲流部外側の右岸露頭

洞戸尾倉と阿部の境界部の北の板取川曲流部周辺は、チャート層に砂岩泥岩互層が入り込んで分布し、かつ熱変成を受けています。また、場所によっては珪灰石も見られます。今回は、砂岩泥岩互層の熱変成を受けた露頭を紹介します。

関市洞戸事務所東の国道256号を北進し、しばらく進むと尾倉の集落を越えたところで右側に尾倉消防団の車庫があります。さらに、そこから900mほど進むと、尾倉と阿部の境界表示板があります。近くに車を止め、境界の表示板から北東へ200mほど進むと川へ下りる階段があります。途中までは階段で、そこからは小道が続きます。そこを下り、川原を上流に向かって100mほど進むと、左上から右下へうっすら縞模様が見える露頭があります。砂岩泥岩互層の熱変成の露頭です。

美濃帯堆積岩類の砂岩泥岩互層は、陸側から河川によって海洋へ運ばれた砂と泥がもとになっています。その砂と泥が海底の斜面を流れ下り、再度堆積することによって、砂岩泥岩互層が形成されます。この露頭では、風化面を見ると、縞模様が見えるのですが、割るとわからなくなります。割ると赤紫色っぽい色を示しますので、熱変成を受けているのがわかります。赤紫色を示すようになるのは、熱変成によって細かい黒雲母が晶出するためです。縞模様の走向・傾斜を測ると、N55°~80°W、40°~55°Nです。


 地質図において、×地点が露頭の位置です。オレンジ色(Mch)も入り込んでいるため見にくいですが、うす茶色(Mal)の中にあり、うす茶色は砂岩泥岩互層からなる地層です。写真は五種類ありますが、上の写真は露頭を東からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央付近を撮ったものです。真中の写真は、上の写真(または中上の写真)に写っているハンマー付近を近づいて撮ったものです。さらに近づいて、ハンマーの頭部の右を撮ったものが中下の写真です。左上から右下にかけて、黒っぽい帯と灰色っぽい帯が交互に重なっているのがわかります。黒っぽいのが泥岩層、灰色っぽいのが砂岩層です。ただし、割ると泥岩層と砂岩層の違いがわかりにくくなります。その割った岩石を接写したのが下の写真で、写真の縦は2.5cmです。中上と真中の写真は、同じような写真が2枚並んでいますが、写真の下の黒丸または白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)







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