長良川本流沿い露頭編 その163 大和町中万場右岸河床の砂岩層 (漣痕?) :郡上市大和町万場中万場の右岸河床露頭(長良川本流沿い露頭編その162と同じ露頭)

   前回「長良川本流沿い露頭編その162」で紹介した大和町中万場右岸河床の砂岩層と同じ露頭を再度紹介します。前回は、西から写真を撮ったものを載せ、泥質岩片を多く含む砂岩層として紹介しました。この露頭には、水平に近い面が4段あり、いずれの面も北西-南東から西北西-東南東を軸として、北東から北北東に20°~30°傾いています。そして、4段あるいずれの面にも、線状のわずかな凹凸が平行に見られます。岩石の面と面とが擦れ合ってつく擦痕のようにも思いましたが、4段ある面がほぼ同じ軸と傾き(走向と傾斜がほぼ同じ)をもち、平行な線状の構造がいずれも、N10°~35°Wを向いていることからして、水の動きで形成された漣痕ではないかと考えます。漣痕とは、地層の面上に残されているさざ波状のでこぼこをいい、水の流れ、波や風によってたい積物の表面につくられたものが、そのまま地層の中に保存されたものです。
写真は五種類あります。前回の「長良川本流沿い露頭編その162」では西から撮った写真を載せましたが、今回は北東や東から撮ったものが載せてあります。上の写真は砂岩層の露頭を北東からパノラマで撮ったもので、4段の面を下位から順にⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ面と記載してあります。Ⅱ面が一番広く、次がⅢ面、そしてⅠ面とⅣ面は狭いです。中上の写真は上の写真の中央少し左を同じく北東から、真中の写真は上の写真の中央少し左を東から撮ったものです。中下の写真はⅡ面を近づいて北東から撮ったもので、下の写真はⅢ面を近づいて同じく北東から撮ったものです。Ⅱ面もⅢ面も横方向に筋状の凸凹が延びているのがわかります。スケールとして置いてある黄色の折れ尺、短い定規の長さは、それぞれ1m、約17cmです。中上と真中の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。
               (地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)





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