長良川本流沿い露頭編 その171 白鳥町中切の南で見られる溶結凝灰岩の岩壁(白鳥流紋岩) :郡上市白鳥町二日町中切の南の左岸露頭(二日町の建設会社の対岸)

郡上市白鳥町二日町下田の大芝原橋から上流に向かって右岸を進むと、対岸に横方向に割れ目が多く入った岩壁が見えます。二日町中切のつり橋で対岸に渡り、下流(南)に向かって400mほど河原を進むと、岩壁に近づくことができます。その岩壁も白鳥流紋岩の溶結凝灰岩だと思われます。横方向の割れ目は板状節理と呼ばれますが、この岩壁は、下部に平坦な部分がありますが、そこから上方に向かって約3.5mまでは板状節理がはっきりとしていません。約3.5m~約10mの部分に肉眼で板状節理が確認できます。火山岩に見られる板状節理の形成理由は、はっきりとはわかっていません。そのことについては次々回「長良川本流沿い露頭編その173」に記述します。

白鳥流紋岩は、火山が噴火し、噴出物が火砕流となって移動し、堆積したものです。岐阜県の約1/4を占める濃飛流紋岩に似てはいるけれど、現在では濃飛流紋岩の活動後に活動したと考えられている奥美濃酸性岩類(岐阜県北西部の奥美濃地方~福井県東部にかけて分布)、庄川火山-深成複合岩体(岐阜県北西部の庄川上流域に分布)、大雨見山層群(飛騨市古川町東部~高山市上宝町東部にかけて分布)と同様の時期に活動したと考えられています。しかし、他の火山噴出物のように詳細には調べられてはいないようです。

 地質図において、この溶結凝灰岩の露頭(×地点)は、黄土色で横線あり(SR)の中にあって、黄土色で横線ありは白鳥流紋岩です。前述したように詳細には調べられていないため、黄土色一色で表現されています。写真が五種類ありますが、上の写真は板状節理が見られる岩壁を少し離れて西から撮ったものです。スケールは置いてありません。中上の写真は、岩壁から北へ15mほどの河床露頭を南からパノラマで撮ったものです。真中の写真は、中上の写真の中央部を撮ったものです。中下の写真は、真中の写真の露頭の近くから(北から)パノラマで岩壁を撮ったものです。黄色の線が入っていますが、1mのスケールを強調して見やすくしました。下の写真は、岩壁を北西から撮ったものです。中央左下に1mのスケール(白色)が写っていますが、スケールの下部から約3.5m上方までは板状の節理がはっきりしていません。その上からは、板状節理が明確に見えます。スケールとして置いてあるハンマー、折れ尺の長さは、それぞれ約28cm、1mです。上と真中、下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の黒丸または白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供) 







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