河原の石編 その1 長良川沿い1 美濃市山崎大橋付近その1 :美濃市生櫛山崎大橋下流左岸の河原
今まで岐阜県美濃地方の地質見学場所を紹介してきました。これからはしばらく、美濃地方の河原の石について紹介したいと思います(20回を予定)。まず長良川沿いの石について、3回で紹介します。
「河原にある石ころについて知りたい」という声を聞きます。石ころの名称を知るためには、いくつかの出版社から出ている岩石図鑑で調べればよさそうですが、なかなか適した図鑑がないのが現状です。岩石は、どのようなものからどのようにしてできたかという成因によって分類され、そして名前がついています。しかし、同じ名称(分類)のものであっても、地域が異なると見た目には大きく違って見える岩石があります。そのため、近年は川ごとや県別で岩石図鑑を作成することがあるのです。
今回は、長良川沿いの河原の一つである美濃市の山崎大橋下流左岸の河原で見られる美濃帯堆積岩類のチャート、砂岩、泥岩を紹介します。上の写真は河原から山崎大橋を望んで撮ったものです。中上の写真はチャート、中下の写真は砂岩、下の写真は泥岩です。以下にそれぞれの石の特徴を載せます。
〇チャート‥‥‥白色・灰色・黒色とそれらが混ざり合ったもの、あずき色、うすい緑色など、さまざまな色があります。ハンマーなどで割るとゼリーのような半透明感がありますが、硬くてハンマーや釘では傷がつきません。よくみると表面に小さな傷・へこみがあります。割れたところは、ガラスの割れ口のように鋭いです。他の石と比べて、かどのある多角形をしているものが多いです。
〇砂岩‥‥‥灰色から暗い灰色のものが多く、風化してオレンジ色がかるものもあります。よくみると砂の粒がわかり、ざらざらしています。黒色の小破片(泥岩)が入ることがあります。砂の粒が並んで、縞模様になることもあります。ただし、熱変成作用などを受けると、砂の粒がわかりにくくなり、ざらざら感もなくなります。かどのとれた箱型から丸い形が多いです。
〇泥岩‥‥‥灰色から黒色、つやのない黒色がほとんどで、粒が小さく、よく見ても石をつくる粒は見えません。灰色の細かな縞模様が見られることがあります。細長い楕円形や扁平なものが多いです。表面に割れ口がいくつもみられる場合が多いです。
※ここでは、岩石を肉眼で判断していますが、本来は岩石を薄くけずって、光が通過するようにして顕微鏡(偏光顕微鏡)などで観察し判断するのです。そのため、間違って岩石名が書かれてある場合があるかもしれませんが、その場合はお許しください。
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