都市(名古屋)で見られる化石 その2 :地下鉄名古屋駅9番出入口(上り階段)

岐阜県の石にも選ばれているそのあたりにも落ちているチャート(美濃帯堆積岩類中のチャート)という石は、2億年~1億数千万年ほど前に深海で堆積した岩石です。肉眼では見えないほど小さな(大きいものは小さな点としてなんとなく見えるのですが)放散虫などの化石が多く入っています。しかし、肉眼でとらえられるほどの大きな化石は入っていないため、なかなか興味をもってもらえない岩石です。一般的に化石というと、恐竜の歯、骨やアンモナイトなどが有名です。恐竜やアンモナイトの本物の化石を見るには、博物館へ行って、入場料を払って観るしかないと思われがちです。しかし、観るだけであれば、化石の種類は限られますが(恐竜の化石は無理ですが)、都市のビルなどの壁や床で見ることができます。2021年秋のことですが、東京駅構内で柱にカニの化石が入っているのを、化石に興味をもっている人が見つけたというニュースがありました。カニの化石というのは珍しいですが、名古屋駅の周辺、名古屋栄の中心街にはアンモナイトをはじめとしてベレムナイト、ウミユリ、厚歯二枚貝、サンゴ、有孔虫などの化石が壁や柱、床などに入っているのが確認できます。今は、SNSでも情報が載っています。もちろん壁や柱、床に傷をつけることはできませんが、昔は生きていて現在は絶滅してしまった生き物の化石を見つけるのはいかがでしょう。

 前回は名古屋地下鉄9番出入口下りの壁を紹介しましたが、今回は9番出入口上りの壁を紹介します。石材は下り側と同じで、ドイツ産のジュラマーブルイエローという石材です。9番出入口の上り階段の壁には、アンモナイトや海綿動物、ベレムナイトなどの化石が見られます。写真は5枚あります。上の写真は階段の上部の壁を撮ったのですが、見かけ上Yの字型の海綿動物と小さなアンモナイト(赤矢印)、ベレムナイト(青矢印)が見られます。小さなアンモナイトは矢印以外にも写っています。中上と真中、中下の写真は階段途中のアンモナイトの化石で、中上の写真には3個写っています。また、細かい白っぽい点状のものが写っています(特に真中の写真の上部辺り)が、有孔虫という微生物のようです。下の写真もアンモナイトですが、階段を上りきるところの手すりの位置です。ここだけスケールをつけることができませんでした。ただし、スケールがついていても、指を一緒に撮った写真から長さを読み取ったものなので、そのため正確さはやや欠けます。






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