板取川沿いの地質、露頭 その45 関市洞戸阿部右岸の層状チャート層(褶曲) :関市洞戸阿部の北の右岸河床露頭
前回「板取川沿いの地質、露頭その44」で紹介した砂岩泥岩互層の露頭から北(上流)へ進んだところで見られるチャート露頭です。熱変成は受けていますが、層状チャートが褶曲していることがわかり、かつ褶曲の軸もわかる露頭です。 国道256号沿いにある関市洞戸阿部地区の須原神社の向かいの小道を歩いて東へ進み、川原へ下ります。上流へ向かって100mほど進むと、川原から突出している露頭があります。それが層状チャートです。露頭は東西11mほど、南北6mほどで、水面からの高さは3m強です。 ここで見られるチャートは熱変成を受けていますが、層状チャートであることがわかります。風化面では、白色~淡褐色をした数cm~10cm厚のチャート層の間に、淡灰色~緑灰色をした数mm~1 . 5cm厚の泥岩層をはさんでいるのが確認できます。ただし、ハンマーで割った新鮮な面では全体的に淡灰色~暗灰色をしていて、チャートと泥岩の違いはわかりにくいです。風化面では褶曲がわかりやすく、褶曲の軸も見当がつきます。褶曲の軸の走向傾斜を測ると、N65°W,85°Nでした。 地質図において×地点が露頭の位置です。うす茶色( Mal )中に分布する細長いレンズ状のオレンジ色( Mch )の中にあります。うす茶色は砂岩泥岩互層で、オレンジ色はおもにチャート層です。写真は五種類ありますが、上の写真は南からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央付近を撮ったものです。真中の写真は、上の写真(または中上の写真)に写っているハンマー付近を近づいて撮ったものです。中下の写真はハンマーの上面を南東から撮ったもので、灰色をした細い帯(泥岩層)が何本も平行に山状に曲がっているのがわかります。下の写真は中下の写真をもう少し広範囲に撮ったもので、垂直面の褶曲の様子もわかります。スケールとして置いてあるハンマーと定規の長さは、それぞれ約28cmと約17cmです。中上と真中、下の写真は、同じような写真が2枚並んでいますが、写真の下の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供) 美濃地学 - 地学のおもしろさを、美濃から (minotigaku.com)