板取川沿いの地質、露頭 その46 関市洞戸阿部右岸のチャート層と泥岩層 :関市洞戸阿部の北 国道256号沿いの工場裏の右岸連続露頭東の角

前回「板取川沿いの地質、露頭その45」で、熱変成した層状チャートの褶曲を紹介しました。地質図を見ると、今回の露頭はレンズ状に東西に伸びているチャート層の一部で、前回紹介した露頭と同じ一連のチャート層です。そのため、今回紹介する露頭もチャート層のみ見られるように思いますが、一部に泥岩層も見られます。美濃帯堆積岩類は海洋プレートに載った堆積物が陸地に付加したという付加体堆積物であるため、チャート層の分布しているところはすべてチャート層というわけではなく、ほかの層も入り込んでいることがあるようです。

洞戸の阿部地区にある須原神社を少し北へ進むと、グランピングの施設があります。その裏を上流に向かってしばらく進むと、右岸側に連続露頭が広がります。位置的には、国道256号沿いの工場の裏にあたります。全体的にはチャート層ですが、黒色~暗灰色の泥岩層も見られます。チャート層は淡灰色~淡緑灰色をしていて、層理のわかる部分もありますが、全体的には層理がわからないです。チャート層と泥岩層との境界部は西北西-東南東を軸(走向)として、北北東に75°~85°傾いています。

地質図において、×地点が露頭の位置ですが、オレンジ色(Mch)の中にあり、オレンジ色はおもにチャートからなる地層です。周囲はうす茶色(Mal)が広く分布していて、砂岩及び泥岩の互層からなる地層です。写真は五種類ありますが、上の写真は連続露頭を北からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央左を撮ったものです。真中の写真は、チャート層と泥岩層との境界部を東から撮ったものです。真中の写真に写っているハンマーの左上を近づいて撮ったものが中下の写真です。中央左側はチャートで、右側は泥岩です。いずれの岩石も熱変成を受けていると思います。下の写真はこの連続露頭の下流にあるグランピング場裏の露頭を撮ったもので、チャートの熱変成です。スケールとして置いてあるハンマー、定規の長さは、それぞれ約28cm、約17cmです。中上と真中、中下、下の写真は、同じような写真が2枚並んでいますが、写真の下の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)







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