板取川沿いの地質、露頭 その47 関市洞戸高見入口右岸の砂岩泥岩互層の熱変成 :関市洞戸高見入口板取川曲流部の右岸連続露頭の北西かど(曲流部の上流)
洞戸阿部地区の北は高見(こうみ)地区です。国道256号で阿部地区のグランピング施設を越えてしばらくすると、道路沿いに阿部地区と高見地区の境界表示板があります。高見地区に入って、左側(西)一軒目の道路向かい側に川へ下りる細い道がありますので、近くに車を止めて、歩いて進みます。川原へ下りて川の下流に向かって歩くと、右側に露頭があります。高さが8m~10mの連続露頭ですが、板取川の曲流部の外側(攻撃斜面)のため、歩いては進めません。連続露頭の北西の端の部分を観察することになります。なお、前回の「板取川沿いの地質、露頭その46」は連続露頭の南東端です。この露頭は熱変成した砂岩泥岩互層ですが、露頭の表面は風化しているためわかりにくいです。ハンマーで割ってみると、砂岩や泥岩でできていることがわかります。
美濃帯堆積岩類中の砂岩層や泥岩層は、河川によって陸地から海洋へ運ばれた砂や泥がもとになっています。陸地から離れた海洋底で堆積したチャートとはかなり離れた場所で堆積したものですが、チャートが海洋プレートにのって陸地側へ移動し、大陸の縁(現在の日本列島)に付加したため、現在ではチャートと砂岩や泥岩でできた岩石が隣り合って分布しているのです。また、この周辺の岩石は、高賀花崗岩の影響で熱変成を受けており、見た目や硬さが変化し、砂岩泥岩互層といってもわかりにくくなっています。
地質図において、×地点が露頭の位置です。×地点はうす茶色(Mal)の中にあり、うす茶色はおもに砂岩泥岩互層からなる地層です。周囲はうす茶色の中にレンズ状のオレンジ色(Mch)が入り込んだように分布していますが、オレンジ色はおもにチャートからなる地層です。写真は五種類ありますが、上の写真は北東から連続露頭をパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の右側を東から撮ったものです。真中の写真は、上の写真(または中上の写真)に写っているハンマーの周辺を近づいて撮ったものです。中下の写真は砂岩の部分を、下の写真は泥岩の部分を割って接写したものです。両方とも写真の縦は2cmです。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。中上と真中の写真は、同じような写真が2枚並んでいますが、写真の下の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)
コメント
コメントを投稿