長良川沿いのチャート層 その3

 

長良川沿いのチャート層 その3

チャート層は、深海底でゆっくりと放散虫などの生物の遺骸が堆積したものです。そのため、チャート層は堆積した当時の海水の状態を記録しているのです。チャートにはいろいろな色のものがあります。赤色(えんじ色)、褐色、緑色、淡緑灰色、淡青灰色、灰色、黒色などです。チャートは基本的にはSiO2でできていますが、含まれている微量成分によって色がつくのです。赤色は酸化鉄(Fe2O3)によるもので、堆積当時の海水は酸素が豊富で酸化的環境であったことを示すと考えられています。また、黒色や緑色をしていれば逆に酸欠状態の還元的環境だったことを示すようです。

赤色チャート層を紹介します。国道156号線を北上し、郡上市八幡町の相生の信号(左折すると法伝橋がある信号)の手前300mほどのところで西を見ると、岩が露出しているのがわかります。そこに赤色チャート層が分布します。長良川の対岸にあるので、法伝橋を渡り、国道256号線から県道61号線に入り、200mほど南東に進んだところから徒歩で川原へ降りれば、赤色チャート層を見ることができます。長良川鉄道の亀尾島川にかかる鉄橋の下にあたります。

写真が二種類ありますが、上は離れて撮ったもの、下は近づいて撮ったものです。それぞれの写真の下の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、合わせるようにすると立体的に見えます。



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