板取川沿いの岩石 その11(関市洞戸尾倉の北:珪灰石)

 

板取川沿いの岩石 その11(関市洞戸尾倉の北:珪灰石)

 板取川沿いの美濃帯堆積岩類は、近くに分布する奥美濃酸性岩類により高熱を受けて鉱物が変わっている(接触変成作用、熱変成作用)ことがあるため、長良川沿いとは異なる岩石が分布する場所があります。

関市洞戸事務所東の国道256号を北進し、洞戸尾倉の集落を越してしばらくすると、尾倉と阿部の境界の表示板があります。その表示板より100mほど南(手前)に川原へ下りる細い道があります。そこを下りると、全体的にはチャートが露出しています。ただし、奥美濃酸性岩による接触変成作用(熱変成作用)のため、チャートは高熱により再結晶し、より硬いホルンフェルスになっています。中には、より白っぽくなっている岩盤がありますが、よく見ると白い鉱物が繊維状になっている(下の写真)のがわかります。この繊維状の鉱物は珪灰石です。珪灰石は石灰岩(CaCO)に珪酸(Si)が加わってできた変成鉱物(スカルン鉱物)です。ふつうは繊維状の塊で、色は白色です。

写真が二種類ありますが、上の写真は珪灰石の見られる岩石を北から撮ったもので、下の写真は上の写真の一部(珪灰石)を接写したものです。下の写真の縦は約8cmです。上の写真は同じような写真が2枚並んでいますが、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、下の白丸(左の白丸は見にくいですが)を重ね合わせるようにすると立体的に見えます。



コメント

このブログの人気の投稿

都市(名古屋)で見られる化石 その5 :名古屋駅タワーズプラザ12階レストラン街+α

県内美濃地方編 その4 各務原市周辺4 高位段丘礫層 :各務原市鵜沼伊木山

長良川鉄道沿いの地形・地質編 その35 自然園前駅~山田駅間(八幡町大和町境界の100mほど北)対岸の砂岩泥岩互層 :自然園前駅~山田駅間、自然園前駅出発後約1分30秒後、左車窓より対岸を望む