板取川沿いの岩石 その17(関市洞戸小瀬見:花崗斑岩)

 

板取川沿いの岩石 その17(関市洞戸小瀬見:花崗斑岩)

洞戸小瀬見の板取川沿いでは、奥美濃酸性岩類の溶結凝灰岩と美濃帯堆積岩類の境界部に貫入する花崗斑岩が分布します。花崗斑岩などの貫入岩は、高温の液体のマグマが他の岩石の割れ目などに入り込み、冷え固まった岩石です。大規模な火砕流堆積物が堆積する場合、陥没地(カルデラ)が生じ、そのカルデラを埋めるように火砕流が堆積し、その結果非常に厚い溶結凝灰岩が生成されます。そして、カルデラの縁に花崗斑岩などが貫入することがあります。そのため、花崗斑岩などの貫入岩の分布がわかれば、堆積した溶結凝灰岩が全て浸食されていても過去のカルデラの範囲を推測することができるようです。

国道256号を洞戸の市街地から北進し、約8kmで板取大橋を渡り、さらに1.kmほど進むと小瀬見橋を通ります。小瀬見橋の先200m弱のところに小瀬見多目的集会所があります。その北側に板取川が流れていますが、下りて下流へ進むと花崗斑岩が露出しています。ただし、普段は洞戸ダムが閉まっており湖状になっているため、湖面の下になっています。洞戸ダムが開いていて、ダム湖がない時に写真を撮りました。

写真が四種類ありますが、上の写真は花崗斑岩を西より撮ったもので、中上の写真は同じ花崗斑岩を南より撮ったものです。中下の写真はその花崗斑岩を近くから撮ったものです。下の写真は、小瀬見橋の東から川原へ下りて板取川左岸の溶結凝灰岩を北東より撮ったものです。普段はダム湖の水面下です。上と中上、下の写真は同じような写真が2枚並んでいますが、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、下の白丸を重ね合わせるようにすると立体的に見えます。





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