県外編 静岡県 その20 北伊豆地震の地震動が偶然記録された魚雷の側面(地震動の擦痕) :静岡県伊豆の国市南江間江間公園
昭和5年(1930年)11月26日に発生した北伊豆地震(M7.3)を引き起こした丹那断層の変位とその時の地震の痕跡を保存してある場所について、「県外編その1」「県外編その2」で紹介しました。今回は、北伊豆地震による揺れによって、直接残された擦りきず(擦痕)を紹介します。それは、現在公園(旧江間小学校跡地)の一角の建物の中に収められている魚雷の側面についているきずです。自然物ではないものに対して、初めて国の天然記念物に指定されたものです。
地震計のように、地震の揺れが引っかいたきずという形で残されました。地震計は、地震によって動く部分と動かない部分(不動点)があるからこそ地震の揺れが記録されるものです。地震が発生した時、展示されていた魚雷は重量が大きく動きが乏しく(不動点に近く)、それに比べ台座は地震の揺れに合わせて動いたと思われます。台座の一部が地震計の針のように魚雷の側面を引っかいたことによって、地震の揺れを記録しました。
写真が四種類ありますが、上の写真は魚雷が収められている建物を撮ったもので、中上の写真は建物の中の魚雷の側面を撮ったものです。写っている縦と横の線が地震動による擦痕です。中下の写真は、中上の写真の魚雷を左側から撮ったものです。下の写真は、魚雷の側面全体を撮ったものです。上と中上、中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の下の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。
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