県内美濃地方編 その65 関市・郡上市周辺11 高鷲町上野の高山軽石層 :郡上市高鷲町上野高原
郡上市高鷲町の上野高原(東海北陸道ひるがのSA近辺)の地表には、厚さ1~1.5mほどの火山灰層が堆積していて、遠く離れた場所から飛来したものだと考えられています。火山灰層は全体的には赤土層をなしていて、岩相と構成鉱物から大きく3層に区分されています。噴出場所がわかっているのは中部層をなす地表から1.7~2m下に見られる厚さ30cmほどの茶褐色の火山灰層で、それが高山軽石層と呼ばれる火山灰層です。約30~35万年前(第四紀更新世中期)に噴出した火山灰で、1mmほどの金色に見える黒雲母が多く含まれていることを特徴としています。高山軽石層は飛騨山脈の槍ヶ岳西方にある樅沢(もみさわ)岳火山の水鉛谷給源火道からもたらされた火山灰層と考えられていて、飛騨地方では各地の古い河岸段丘上や緩やかな山麓に分布しているようです。
高鷲町の上野高原には大根畑が広がっていて、そこを何本か道が通っていますので、大根畑の断面を見られるような崖(露頭)があります。しかし、このような露頭は、新しい地層からできているため、すぐ植物が生えてしまったり、崩れてしまったりします。県道321号ひるがの高原線を牧歌の里の入口から南西へ1kmほど進んだところに交差点があり、そこを右(北西)に曲がったところに崖(露頭)があります。ここは、一時期は地層の観察がしやすかったですが、現在は植物が生えてわかりにくくなっています。
写真が四種類ありますが、上の写真は露頭を南西からパノラマで撮ったものです。中上の写真は12年前に撮ったものです。現在と比べると植物が少ないのがわかります。中下の写真は上の写真の中央部を西から撮影したもので、真中近くに写っているスケールの長さは1m(上の写真も同様)です。下の写真は高山軽石層の部分を近づいて西から撮ったもので、黄色のスケールは20cmの長さです。少し黒っぽい部分(層)が高山軽石層の堆積している部分です。中下と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の下部にある白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。
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