河原の石編 その2 長良川沿い2 美濃市山崎大橋付近その2 :美濃市生櫛山崎大橋下流左岸の河原

  河原にある石ころの名称を知るにはどうすればよいのでしょう。現在の河原にある石ころは上流にある岩石が削られ、流されてきたものですから、その川の上流に分布する岩石が河原の石ころになるのです。川の上流部にはそれほど多くの種類の岩石が分布しているわけではありませんから、限られた数の岩石を知っていれば、その河原の石ころについてだいたい見当がつきます。ただし、同じ岩体の岩石でもさまざまな見かけのものがあります。河原の石ころを全部知ろうと思わずに、代表的なものを知ろうと思われたほうがよいでしょう。そして、その代表的な岩石のどれと似ているのかを観察によってつかむことが大切です。

今回は、河原にある美濃帯堆積岩類の石灰岩、玄武岩質溶岩など(緑色岩とも呼ばれる)と、安山岩を載せました。上の写真は石灰岩、真中の写真は緑色岩、下の写真は安山岩です。以下にそれぞれの石の特徴を載せます。

〇石灰岩‥‥‥白色から灰色で表面がなめらかなものが多いです。表面の傷が白く粉っぽく見えます。他の岩石と比べるとやわらかく、ハンマーやくぎで簡単に傷がつきます。風化した表面をよく見ると、フズリナなどの化石が浮き上がって見えることがあります。一般的には、削られやすいため扁平で丸いです。

〇緑色岩‥‥‥緑色、暗い緑色、黄緑色で、あずき色がかることがあります。よく見ても結晶の粒は見えないことが多いですが、結晶の粒が大きい場合、光に反射させると細かくキラキラ光るものもあります。表面に幅のせまい割れ目やへこみのあることがあります。いびつな形がふつうで、かどがとれて丸みがあります。二酸化ケイ素(Si)の少ないマグマが海底に噴出した玄武岩類ですが、圧力や熱、熱水などにより変質作用を受けています。変質作用でできた鉱物の多くは緑色なので、全体に緑っぽい色の岩石となります。

〇安山岩‥‥‥暗い灰色のものが多いですが、白っぽいものもあります。白色と黒っぽい緑色をしたやや大きい斑点状の結晶(斑晶)がわかるものが多いです。白色の鉱物が長石(斜長石)で、黒っぽい緑色の鉱物が角閃石や輝石です。ただし、斑晶があまりはっきりしないものも見られ、砂岩と見まちがえる場合があります。丸っこい形のものが多いです。




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