河原の石編 その7 揖斐川沿い1 揖斐川町三町大橋付近その1 :揖斐郡揖斐川町島三町大橋上流左岸の河原

   長良川沿い、木曽川沿いの河原の石について紹介してきましたので、次は揖斐川沿いの河原の石について紹介します。揖斐川流域にはおもに美濃帯堆積岩類、花崗岩類(貝月山花崗岩、能郷白山花崗閃緑岩)が分布しますので、これらに由来する岩石が下流に運ばれています。美濃帯堆積岩類の中には、花崗岩類による熱変成作用でできたホルンフェルスも含まれています。これらのほかに、福井県境に新第三紀の安山岩類が分布します。また、花崗斑岩や安山岩などの貫入岩も分布しています。

今回は、揖斐川沿いの河原の一つである揖斐川町島の三町大橋の上流左岸の河原にある石の中で、長良川沿いでは紹介していない花崗閃緑岩、礫岩、ホルンフェルスを載せました。上の写真は河原から三町大橋を望んで撮ったものです。中上の写真は花崗閃緑岩、中下の写真は礫岩、下の写真はホルンフェルスです。

〇花崗閃緑岩‥‥‥花崗岩と比べると、黒っぽい鉱物(有色鉱物)が多く、全体的にやや黒っぽく見えます。花崗岩と同様に地下でゆっくり冷え固まった岩石であるため、白っぽい粒や黒っぽい粒が同じような大きさで入っています(等粒状組織)。丸っこい形のものが多いです。ここで花崗閃緑岩と判断している岩石の中で、鉱物組成(鉱物の量比)を偏光顕微鏡などで調べると、閃緑岩や花崗岩と判断した方がよい岩石があるかもしれません。

〇礫岩‥‥‥礫(小石、径が2mm以上)が集まってできています。礫と礫の間を砂粒や泥などがうめます。色は礫や砂などの色によりますが,全体に暗い灰色が多いです。礫の入ったコンクリートと見まちがうので注意が必要です。ゴツゴツしたいびつな形のものもあります。礫の粒が小さいものでは,丸みのある石となります。

〇ホルンフェルス‥‥‥泥岩や砂岩などが高い熱によって変成してできた岩石です。表面はもとの岩石の色を基本にしてさまざまな色を示しますが、紫色っぽく(わずかに赤味を帯びて)見えることが多いです。たいへん硬く、割れ口はかどばっていることが多いです。岩石の表面に灰色をした数mm径の結晶が見えるものがありますが、熱変成作用で新たな鉱物が結晶化したものです。ハンマーでたたいたり、岩石同士をぶつけたりすると、金属音を出すことがあります。丸っこいですが、多角形のものが多いです。





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