河原の石編 その11 長良川沿い5 岐阜市千鳥橋付近その2 :岐阜市古津千鳥橋上流右岸の河原

  河原の石を見る場合、上流の地質(どんな岩石が分布しているか)を産総研地質調査センターの地質図(全国は)やHPジオランドぎふ(岐阜県は)で確認をし、その上でその石がどのようなものからできていて、どのようにしてできたのかを把握するように観察することが大切です。

「安山岩」という石は、長良川、木曽川、揖斐川沿いいずれの河原でも見られる岩石です。しかし、それぞれの川沿いにある安山岩は、同じ安山岩という名称がついていますが、できた場所や時代は異なります。いずれも安山岩質マグマ(5266%のSiOからなるマグマ)が地表へ噴出して冷え固まったり、地表近くで冷え固まったりしたものが、地表で削られ、川で流されて、河原で見られるのです。そのため、見かけは斑状組織と言って、目に見えないくらい細かい結晶またはガラス質のもの(石基とよびます)の中に、割合大きめの結晶(斑晶とよびます)が入っています。おかゆに例えると、どろどろのかゆ状(石基)の中にご飯粒(斑晶)が入っている感じです。また、その結晶には白っぽい粒と黒っぽい粒がありますが、白っぽい粒が斜長石で、黒っぽい粒が角閃石や輝石です(違う場合もあります)。一概には言えないですが、方向によって割合均質であるため、全体的に丸いものが多いです。節理によって割れやすい面もありますので、そのような場合は平べったく丸い石になると思います。

今回は、岐阜市千鳥橋右岸の美濃帯堆積岩類の礫岩、玄武岩質溶岩など(緑色岩とも呼ばれる)と、安山岩を載せました。石灰岩は見つけられませんでした。上の写真は礫岩、真中の写真は緑色岩、下の写真は安山岩です。なお、それぞれの石の見かけなどの説明は省略しますので、河原の石編その1~9をご覧ください。




コメント

このブログの人気の投稿

長良川鉄道沿いの地形・地質編 その45 「ジオ鉄」って何?

都市(名古屋)で見られる化石 その14 :アンモナイトの化石の断面とドーナツの断面

都市(名古屋)で見られる化石 その7 :名古屋駅近辺ミッドランドスクエア3階の壁の厚歯二枚貝、柱のサンゴ