河原の石編 その12 長良川沿い6 岐阜市千鳥橋付近その3 :岐阜市古津千鳥橋上流右岸の河原
河原の石の名称(成因による名称)を知ろうとして石を見る場合、その石がどのようなものからできていて、どのようにしてできたものかを把握しようと観察することが大切です。
「花崗岩」という石は、墓石や石碑としてよく使われる石ですが、長良川、木曽川、揖斐川沿いのいずれの河原でも見られる岩石です。この石も前回紹介した安山岩のように、それぞれの川における供給源は異なります。長良川では奥美濃酸性岩の一つである高賀花崗岩が主な供給源でしょう。木曽川では東濃地域に広がる苗木花崗岩などの花崗岩が、揖斐川では貝月山花崗岩などの花崗岩が主な供給源でしょう。しかし、いずれの花崗岩も花崗岩質マグマ(52%未満のSiO2からなるマグマ)が地下深くでゆっくり冷え固まったものが、地表に現れ、そして削られ、川で流されて、河原で見られるのです。ゆっくり冷え固まったため、見かけは等粒状組織と言って、同じくらいの大きさの結晶が集まっています。また、その結晶には白っぽい粒と黒っぽい粒がありますが、白っぽい粒が石英、斜長石、カリ長石で、黒っぽい粒が黒雲母です(違う場合もあります)。一概には言えないですが、方向によって割合均質であることや、節理もありますが方状節理という立方体や直方体の割れ目ですので、全体的に平面形では円形や楕円形など丸いものが多いです。
今回は、岐阜市古津の千鳥橋上流右岸の河原にある花崗岩、花崗斑岩、溶結凝灰岩を載せました。上の写真は花崗岩、真中の写真は花崗斑岩、下の写真は溶結凝灰岩です。なお、それぞれの石の見かけなどの説明は省略しますので、河原の石編その1~9をご覧ください。
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