河原の石編 その15 木曽川沿い6 平成川島橋付近その3 :各務原市川島笠田町平成川島橋下右岸の河原

   岩石を成因で分類すると、大きく3つ(堆積岩、火成岩、変成岩)に分けられますが、今回は火成岩のでき方や特徴を述べます。

〇火成岩

マグマが冷え固まってできた岩石を火成岩と呼びますが、大きくはマグマが地上で固まる火山岩と、地下で固まる深成岩に分けることができます。ただし、火成岩はマグマがそのまま固まったものではありません。マグマが冷え固まる間に水分などの揮発しやすい成分は抜け出してしまいます。火成岩では、マグマの組成が鉱物の種類や量比(岩石の組成)に、マグマが固まった環境が鉱物の粒の大きさや並び方(岩石の組織)として記録されています。そこで、これらの特徴を目安にして、火成岩を分類しています。それが、図に示した火成岩の代表的な分類表です。表の横方向は“岩石の組成”を表す軸、縦方向は“岩石の組織”を表す軸になります。横軸を3つに分けて、それぞれの枠に入る岩石に含まれる鉱物の種類が上に表現されています。岩石中に含まれている鉱物の種類を目で判断することで横軸の枠が決まります。

ガスになりやすい成分(水など)を多く含むマグマが地上に出てくると、マグマにかかっていた圧力が急激に低くなるため、ガスになりやすい成分が一気にガスになって容積が増え、爆発的な噴火となることがあります。その噴出様式(溶岩であるか、火砕流であるか)によっては、同じ成分をもつマグマであっても(同じ種類の鉱物をふくむ岩石であっても)、見かけの異なる岩石となります。流紋岩質溶岩(一般に流紋岩と呼ばれる)と流紋岩質溶結凝灰岩(濃飛流紋岩の主体をなす岩石)がその例です。

今回は、木曽川にかかる平成川島橋右岸の河原で見られた火成岩である花崗岩、花崗斑岩、溶結凝灰岩(流紋岩質溶結凝灰岩)を載せました。それぞれの石の説明は、河原の石編その1~9を見てください。上の写真は花崗岩、真中の写真は花崗斑岩、下の写真は溶結凝灰岩です。





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