河原の石編 その16 揖斐川沿い4 大垣市大安大橋付近その1 :大垣市三本木町大安大橋上流右岸の河原

   岩石を成因で分類すると、大きく堆積岩、火成岩、変成岩に分けられますが、今回は変成岩のでき方や特徴を述べます。

〇変成岩

どのような岩石でも、新たに高い圧力や高い温度のもとに置かれると、その状態で安定である鉱物が岩石中に新しくできます。そのため、もととは違った別の岩石になります。しかし、圧力や温度が非常に高くて溶けるとマグマがつくられてしまい、それが冷え固まってできた岩石は火成岩です。そうではなく、もともとの鉱物が溶けることなく別の鉱物に変わった岩石が変成岩です。変成岩中で新たにできる鉱物の種類は、もともとの岩石の化学組成によって変わります。また、温度や圧力の違いによってもできる鉱物の種類が変わります。そのため、変成岩は、本来できた鉱物の組み合わせと岩石の化学組成、変成の度合によって分類されますが、大まかには温度と圧力を基準に考えておけば十分です。温度と圧力のどちらも強くはたらいて変化してできた岩石を広域変成岩、主に温度が強く働いて変化してできた岩石を接触変成岩、主に圧力が強く働いて変化してできた岩石を圧砕岩(マイロナイト)とそれぞれ呼びます。

広域変成岩は、数100kmにもわたる帯状の広い範囲に分布することが多いため、このような名称がついています。縞模様がみられ、流動したように変形している結晶片岩と呼ばれる岩石や、鉱物の粒が粗くなり、見かけは花こう岩に似ていますが、縞状の構造をもつ片麻岩と呼ばれる岩石がこの仲間です。

接触変成岩は、花こう岩体の周りに限って分布し、花こう岩をつくるマグマの熱によってできたものです。ホルンフェルスと呼ばれる岩石は、もともとは堆積岩である泥岩が熱の影響で変わったものを指しますが、接触変成岩全体を指すようにも使われることがあります。美濃地方の河原に見られる変成岩はこの接触変成岩です。

変成岩は、それができる以前に堆積岩、火成岩、変成岩のいずれかであったはずですから、もとの岩石の性質を残していることが多く、二重あるいはそれ以上の現象を記録していることもあります。

今回と次回は、揖斐川沿いの河原の一つである大垣市三本木町の大安大橋の上流右岸の河原にある石を紹介します。今回は変成岩と堆積岩を載せました。それぞれの石の説明は、河原の石編その1~9を見てください。上の写真は河原から大安大橋を望んで撮ったものです。中上の写真はホルンフェルス、真中の写真はチャート、中下の写真は礫岩(上)と砂岩(下)、下の写真は泥岩(上)と石灰岩(下)です。






コメント

このブログの人気の投稿

都市(名古屋)で見られる化石 その5 :名古屋駅タワーズプラザ12階レストラン街+α

県内美濃地方編 その4 各務原市周辺4 高位段丘礫層 :各務原市鵜沼伊木山

長良川鉄道沿いの地形・地質編 その35 自然園前駅~山田駅間(八幡町大和町境界の100mほど北)対岸の砂岩泥岩互層 :自然園前駅~山田駅間、自然園前駅出発後約1分30秒後、左車窓より対岸を望む