長良川本流沿い露頭編 その2 関市鮎之瀬大橋下流の層状チャート :関市小瀬鮎之瀬大橋下流左岸河床露頭

   関市の市街地から国道418号で旧武芸川町に向かう途中に鮎之瀬大橋がありますが、その橋の下流(西側)300mほどのところに河床から露出している岩石があります。それは美濃帯堆積岩類の層状チャートです。

日本地質学会が2018年に創立125周年を迎えるにあたって、全国47都道府県において、その県に特徴的に産出する、あるいは発見された岩石・鉱物・化石をそれぞれの「県の石」として選定しました。岐阜県の県の石(岩石)はチャートです。美濃地方にはチャート層が広く分布しています。美濃帯堆積岩類の中のチャート層は、古生代のペルム紀(2億9000万年~2億4500万年前)から中生代のジュラ紀(2億800万年~1億4600万年前)の時期に、砂や泥が流れ込まないような陸地から離れた深海底に堆積したものです。径が1mmより小さい放散虫などの生物の遺骸等が、1000年に数mmといわれるほどゆっくり堆積して形成された地層です。

ここの露頭では、厚さ1cm~5cmほどのチャート層と厚さ1mm前後の泥岩層が繰り返して堆積しています。このように、チャート層と薄い泥岩層が繰り返して堆積しているものを層状チャートとよびます。またここでは、厚さ1cm弱~2cmほどのチャート層と厚さ1mm以下の泥岩層が、50層ほど繰り返して堆積している部分も見られます。

地質図の×地点は鮎之瀬大橋下流の河床露頭ですが、ここは河床ですので全体的には礫(石)が堆積していて、地質図にはチャートの表示はされていません。しかし、その河床礫の下にはチャートがあり、それが露出しているのです。地質図において、オレンジ色(Mch)はおもにチャートからなる地層で、黄色(Mss)はおもに砂岩からなる地層です。写真は四種類ありますが、上の写真は層状チャートの露頭を南西からパノラマで撮ったものです。中上と中下の写真は、上の写真の中央下部をそれぞれ南と南西から撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。下の写真は、中下の写真の中央辺りを近づいて撮ったもので、写真の縦は10cmです。厚さ1cm弱~2cmほどのチャート層と厚さ1mm以下の泥岩層が、50層ほど繰り返して堆積している層状チャートの一部を撮りました。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)







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