河原の石編 その17 揖斐川沿い5 大垣市大安大橋付近その2 :大垣市三本木町大安大橋上流右岸の河原

 岐阜県美濃地方の河原で見られる岩石の種類は限られますので、上流域の地質(岩石の分布)を把握し、かつ河原にある代表的な岩石になれることが大切です。一般的に岩石を肉眼で見分ける第一歩は、堆積岩、火成岩、変成岩の3グループのいずれに属する岩石であるかを決めることです。ただし、岩石を観察する際、次のことを頭に入れておくことが重要です。

1.物を見分ける場合、見た目の色や形などによって分けようとしますが、岩石の場合はその色や形はあまり参考にはなりません。

2.3つのグループ(堆積岩、火成岩、変成岩)ではそれぞれ形成される過程が異なりますから、それぞれの形成過程で起こったことが岩石の中に残されています。それに注目して区別していきます。以前にも書きましたが、例えば、火成岩はマグマ(液体)が冷えて鉱物をつくりながらできたものですから、冷え方の程度に応じて、岩石の中に鉱物の粒が所々に存在する状態(斑状)から、岩石全体に同じような大きさの鉱物が集まっている状態(等粒状)まで変化します。極端な場合には、全く鉱物ができないうちに冷えて固まってしまったもの(ガラス質、代表は黒曜石)もあります。

3.岩石を分類するのは、なかなか理屈どおりにはいきません。実際には、火成岩の安山岩質溶岩と堆積岩の砂岩を区別することが肉眼ではできないような場合もあります。基本的な岩石の形成過程を理解した上で、できるだけ数多くの岩石にあたり、慣れる必要があります。

このようにして、木曽三川沿いの河原の石を見て、興味をもってもらえるとうれしく思います。

前回と今回は、揖斐川沿いの河原の一つである大垣市三本木町の大安大橋の上流右岸の河原にある石を紹介しています。今回は火成岩を載せました。それぞれの石の説明は、河原の石編その1~9を見てください。上の写真は美濃帯堆積岩類の緑色岩です。中上の写真は安山岩です。真中の写真は花崗閃緑岩、中下の写真は花崗岩、下の写真は花崗斑岩です。






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