長良川本流沿い露頭編 その7 美濃市美濃橋上流のチャート中の甌穴と層状チャート :美濃市前野美濃橋上流左岸露頭

   美濃市にある美濃橋(赤色の橋)の左岸(東)側に岩石が露出しています。チャートでできていて、上から見ると2.8m×2.3mほどの楕円形をしている甌穴があり、「お姫の井戸」と呼ばれています。美濃橋の脇から川へ下りる階段がついており、そこに「お姫の井戸」にまつわる伝説の表示板があります。9月13日の「長良川本流沿い露頭編その3」でも書きましたが、甌穴はチャートのように河床の岩盤が硬く、激しい流れを生じるところであれば見られます。甌穴の周辺ではチャートが層になっていることがわかりにくいですが、甌穴の東へ10m弱進んだところには層状チャートが見られます。また、褶曲しているのが確認できます。1cm~10cmほどの厚さをもった淡灰色~黄灰色のチャート層が積み重なっています。ただし、間にはさまる泥岩層はわかりにくいです。

地質図では、オレンジ色(Mch)がおもにチャートからなる地層です。また、×の南に分布する点と多角形の模様が入った空色(a2)が美濃帯堆積岩類を覆って平地や緩傾斜地をつくっている第四紀の堆積物です。写真が四種類ありますが、上の写真はチャート中の甌穴(お姫の井戸)を東からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央左を撮ったものです。白いスケールの長さは1mです。中下の写真は、甌穴から東へ10m弱進んだところにある層状チャートを西からパノラマで撮ったもので、下の写真は中下の写真の中央部を南西から撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。中上と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)







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