河原の石編 その18 土岐川沿い1 多治見市多治見橋付近その1 :多治見市新町1丁目多治見橋下流左岸の河原

   木曽三川以外の河原の石として、土岐川沿いの河原の石について紹介します。土岐川流域にはおもに花崗岩類、美濃帯堆積岩類、新第三紀堆積岩(瑞浪層群)、濃飛流紋岩(溶結凝灰岩など)と花崗閃緑斑岩等が分布しますから、これらに由来する岩石が下流に運ばれています。美濃帯堆積岩類の中には、花崗岩類による熱変成作用でできたホルンフェルスも含まれています。これらのほかに、土岐川流域には安山岩岩脈や領家帯構成岩類の一つである結晶片岩が小規模に分布しています。

今回は、多治見市の多治見橋の下流左岸の河原にある石の中で、美濃帯堆積岩類のチャート、砂岩、泥岩と新第三紀層の砂岩を載せました。上の写真は河原から多治見橋を望んで撮ったものです。中上の写真はチャート、中下の写真は砂岩、下の写真は泥岩です。岩石の説明は、河原の石編でしているそれぞれの岩石の説明とほとんど同じです。

〇チャート‥‥‥赤褐色、褐色、うすい緑色、白色・灰色・黒色とそれらが混ざり合ったもの、褐色など、さまざまな色があります。硬くてハンマーや釘で傷がつかないです。よくみると表面に小さな傷・へこみがあります。割れたところは、ガラスの割れ口のように鋭いです。他の石と比べて、かどのある多角形をしているものが多いです。

〇砂岩‥‥‥灰色から暗い灰色のものが多く、風化して全体に淡黄色がかるものもあります。よくみると砂の粒がわかり、ざらざらしています。黒色の小破片(泥岩)が入ることがあります。ただし、熱変成作用などを受けると、砂の粒がわかりにくくなり、ざらざら感もなくなります。砂の粒が並んで、縞模様になることもあります。かどのとれた箱型から丸い形が多いです。写真の下の真中、右は新第三紀層瑞浪層群の砂岩で、砂粒がわかりざらざら感があり、硬くないので、実際に見るとわかりやすいと思います。

〇泥岩‥‥‥泥が集まってできた岩石のため、灰色から黒色、つやのない黒色がほとんどで、粒が小さく、よく見ても石をつくる粒は見えません。細長い楕円形や扁平なものが多いです。表面に割れ口がいくつもみられる場合が多いです。熱変成をやや受けていると思われるものがあり、やや硬くなっていると思われます。






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