河原の石編 その20 土岐川沿い3 多治見市多治見橋付近その3 :多治見市新町1丁目多治見橋下流左岸の河原
今回は、多治見市の多治見橋の土岐川下流左岸の河原にある石の中で、美濃帯堆積岩類の泥岩や砂岩などが火成岩の熱によって変成してできたホルンフェルス、濃飛流紋岩の主体を占める溶結凝灰岩を載せました。上の写真はホルンフェルス、下の写真は溶結凝灰岩です。岩石の説明は、河原の石編1~9でしているそれぞれの岩石の説明とほとんど同じです。
〇ホルンフェルス‥‥‥泥岩や砂岩などが高い熱によって変成してできた岩石です。表面はもとの岩石の色を基本にした色を示しますが、紫色っぽく(わずかに赤味を帯びて)見えることが多いです。たいへん硬く、割れ口はかどばっていることが多いです。そこに光を反射させると、新しくできた細かい鉱物がキラキラ光ることが多いです。ハンマーでたたいたり、岩石同士をぶつけたりすると、金属音を出すことがあります。丸っこいですが、多角形のものが多いです。
〇溶結凝灰岩‥‥‥緑がかった灰色のものがよく見られますが、白っぽいもの、茶色っぽいもの、黒っぽいものなどいろいろな色のものが見られます。2~5㎜の小さい斑晶(鉱物の結晶)がたくさん見られますが、平面形では三角形などの破片状になっていることが多いです。様々な顔つきをしたものがあり、わかりにくいですが、長さ数cm、幅1cm以下の緑っぽいレンズ状のものが見られる場合はこの岩石であることがはっきりわかります。レンズ状のものがもっと大きいものもあります。このレンズ状のものは、火砕流に含まれている軽石が圧縮されてできたものです。また、他の岩石の破片を多く含んでいるものもあります。かどのとれた箱型から楕円形のものが多いです。この溶結凝灰岩は、濃飛流紋岩の主体をなすもので、噴出後自重と熱によって圧縮しくっつく(溶結)ことによって、かなり硬い岩石となっています。同じ噴出物であっても、量が少なかったり、熱が足らなかったりして溶結していない岩石(凝灰岩)があります。そのような溶結していない凝灰岩もあるかもしれません。
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