長良川本流沿い露頭編 その1 関市千疋大橋上流の砂岩 :関市千疋千疋大橋上流右岸河床露頭
主に岐阜県内の地質見学場所(露頭)を紹介しはじめて、1年以上たちました。今回から長良川本流沿いの露頭を関市から郡上市にかけて紹介していきたいと思います。今まで紹介している場所、露頭(昨年の8月3日「長良川沿いの玄武岩質溶岩」~11月15日「長良川沿いの石灰岩その4」)もあり、繰り返すこともありますが、岐阜県の地質図(HP「ジオサイトぎふ」の詳細地質図)上に見学ポイントを載せて紹介しようと思います。
関市の千疋大橋を東から岐阜市に向かって渡ると、右岸側の河床に岩石が露出しているのが見えます。その岩石は、美濃帯堆積岩類の砂岩です。美濃帯堆積岩類の中で、玄武岩質溶岩、石灰岩、チャートなどは陸側の影響を受けないような海洋で噴出したり堆積したりしたものですが、砂岩や泥岩は陸側から河川によって海洋へ運び込まれて堆積したものです。ですから、千疋大橋近くで何気なく見る砂岩の露頭は、今から1億6千万年ほど前(中生代ジュラ紀中~後期)に陸地から流れ込んだ砂が海底に堆積し、それが海洋プレートの沈み込みによってほかの岩石とまざりながら陸地側に付加されたものなのです。生物の痕跡である化石はほとんど見つかりませんが、恐竜がまだ陸地にいた時代に岩石がくだかれて砂になり、それが河川によって運ばれたものがもとになっています。その砂が海底に堆積し、プレートの動きによって陸地にくっつき(陸地に付加し)、陸地の一部となります。その砂が長い時を経て岩石となり、それが河川によって削られて、現在長良川の右岸に露出している、という非常に長い歴史を歩んでいるのです。
地質図は黄色(Mss)がおもに砂岩からなる地層で、オレンジ色(Mch)がおもにチャートからなる地層です。×の場所が千疋大橋上流右岸です。写真が四種類ありますが、上の写真は千疋大橋の上流100mほどの右岸を南西からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の左側を撮ったものです。中下の写真は中上の写真の中央やや左下を近づいて撮ったもので、スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。下の写真は砂岩を接写したもので、写真の縦は6cmです。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)
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