長良川本流沿い露頭編 その19 美濃市横持の層状チャートの褶曲 :美濃市横持長良川左岸露頭(横持集会場の西200mほどの露頭)
昨年の8月17日「長良川沿いのチャート層その2」でも紹介しましたが、美濃市横持の層状チャートの褶曲について再度紹介します。チャートは、砂や泥の供給がないような陸地から離れた深海底で、放散虫などの微小な生物の遺骸が堆積したものがもとになっています。それが、海洋プレートによって運ばれ、陸地にくっついた(付加した)ものを現在見ているのです。本来チャートは深海底で水平方向に堆積していますが、陸地に付加したため、現在はかなり変形した状態で露出しています。チャートを見ると、地層が褶曲している(曲がっている)ことが多いです。この露頭の層状チャートは、数cm~7cmほどの厚さをもった淡青灰色~暗青灰色のチャート層の間に、数mm~1cmの厚さの泥岩層が挟まれています。泥岩層の厚い部分は2cmほどのところもあります。
地質図では、層状チャートの褶曲が見られる×地点の周辺は西北西-東南東にオレンジ色(Mch)が分布していますが、おもにチャートからなる地層です。写真が四種類ありますが、「長良川沿いのチャート層その2」の写真と別の写真を載せました。上の写真は層状チャートの褶曲がはっきりわかる露頭を東からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったもの(ハンマーの位置は同じ)です。中下の写真は上の写真の中央右上を近づいて撮ったもの(ハンマーの位置は同じ)で、下の写真はハンマーの右上の部分を近づいて撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマー、シャープペンシルの長さはそれぞれ約28cm、約14cmです。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)
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