長良川本流沿い露頭編 その64 美並町八坂の珪質粘土岩と貫入岩 :郡上市美並町上田八坂右岸河床露頭(長良川鉄道鉄橋の橋脚南西40m弱の右岸)

   美並町八坂にある長良川鉄道の鉄橋の橋脚から南西(下流)へ40mほどのところに、縞模様が見られる露頭があります。淡灰色の珪質粘土岩に黒色の珪質泥岩がはさまっているため、縞模様のように見えます。また、その縞模様を切って貫入岩が複数入り込んでいます。

珪質粘土岩は、美濃帯堆積岩類に特徴的な岩石(美濃帯の西の延長部に分布する丹波帯にも同様の岩石は分布する)で、礫、砂、泥などをほとんど含まず、粘土鉱物だけからなる岩石です。チャート層に伴って存在し、中に黒色の珪質泥岩をはさむことを特徴としています。詳しい調査によって、中生代三畳紀の層状チャートの基底部に存在することがわかっていて、三畳紀初期における酸素が少ない状態の海洋で堆積したものだと考えられています。貫入岩は、肉眼で1mm以下の長石が点在するのを確認できます。珪長岩(フェルサイト)だと思いますが、顕微鏡などで鉱物を確認しているわけではないため、ここでは貫入岩としておきます。

地質図において、珪質粘土岩が見られる露頭(×地点)は灰色(Mmx)の中にあります。灰色はメランジュからなる地層です。この露頭の南西側には前回の「長良川本流沿い露頭編その63」で紹介した珪質泥岩が露出していますが、北東側には珪質泥岩やチャートが露出して(貫入岩もあり)います。この珪質粘土岩および北東側の珪質泥岩やチャートは、メランジュの中の岩塊と考えたほうがよいようです。写真が五種類ありますが、上の写真はこの露頭を南西からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。真中の写真は、上の写真のハンマーのグリップの右側を近づいて撮ったものです。左側が珪質粘土岩で、右側が貫入岩です。中下の写真は珪質粘土岩を近づいて撮ったものです。下の写真は貫入岩を接写したもので、写真の縦は4cmです。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。中上と真中の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)







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