長良川本流沿い露頭編 その58 美並町木尾の黒色の層状チャート :郡上市美並町上田木尾右岸露頭

   前回の「長良川本流沿い露頭編その57」で紹介した層状チャート中の漣痕の露頭から上流(北東)へ15mほどのところに、黒色の層状チャートが見られます。数cm~5cmの厚さの黒色チャート層(珪質の泥岩層かも?)の間に、灰色をした1mm~数mmの厚さの泥岩層をはさんでいます。黒色チャートはややブロック化しています。

チャートには、白色、灰色、黒色、赤褐色、うすい緑色などがありますが、この色の変化は、チャートが堆積した海洋環境の変化を表していると考えられています。特に、暗灰色や黒色のチャートは還元状態で堆積し、硫化鉄(主に黄鉄鉱)や炭素化合物などの酸素の乏しい場所でできた物質を含んでいるようです。そのため、黒っぽいチャートが堆積したときは海洋中に酸素が少なかったと考えられています。

地質図において、オレンジ色はおもにチャートからなる地層です。×地点が、黒色の層状チャートが見られる露頭です。写真が四種類ありますが、上の写真は黒色の層状チャートの露頭を南東からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。中下の写真は、中上の写真のハンマーの左側を近づいて撮ったものです。下の写真は、同じ露頭を北東から撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。中上と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より)






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