長良川本流沿い露頭編 その53 美並町母野左岸の花崗斑岩と混在岩 :郡上市美並町大原母野左岸露頭
昨年の9月24日「長良川沿いの花崗斑岩その1」で紹介した郡上市美並町母野の花崗斑岩を再度紹介します。美濃市から国道156号で郡上市に向かい、美濃市と郡上市の境界を越えてしばらくすると青い橋(木尾橋)を渡ります。その橋辺りから長良川を眺めると、水位が高い時は川の中に、水位が低い時は中州の状態で白っぽい岩が見えます。その岩は花崗斑岩で、高温の液体のマグマが他の岩石に入り込み(貫入し)、冷え固まった岩石です。美濃帯堆積岩類が大陸の縁(現在の日本列島)に付加した後に、現在長良川の東側に広く分布する濃飛流紋岩、または西側に分布する奥美濃酸性岩類に関連したマグマの一部が貫入しました。その貫入した岩石が露出しています。
地質図において、この花崗斑岩は規模が小さいため表現されていません。この花崗斑岩の露頭の周辺は灰色(Mmx)が分布し、灰色はメランジュからなる地層です。花崗斑岩の露頭の近く(北側)には、基質である黒色の泥岩の中に砂岩の礫が入っている混在岩が露出しています。混在岩はメランジュを構成する岩石です。写真が五種類ありますが、上の写真は花崗斑岩を北からパノラマで撮ったもので、奥に見える橋が木尾橋です。中上の写真は上の写真の中央部少し左を撮ったもので、真中の写真は上の写真の中央部を近づいて撮ったものです。中下の写真は、花崗斑岩を近くから撮ったもので、写真の縦は13cmです。この写真は「長良川沿いの花崗斑岩その1」にも載っています。下の写真は花崗斑岩の露頭から北へ15mほど離れたところに露出する混在岩を撮ったもので、基質である泥岩の中に径が1cm~数cm、および数10cmの砂岩が入っています。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。中上と真中、下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の黒丸または白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)
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